実家の本棚から引っ張りだしてみたら、予想外に面白かった一冊。1984年出版なので、廃止される前に出版された本。実家にいた時代にもパラパラめくってみていたはずだが、あまり印象に残っていない。
写真は昭和30年代を中心に掲載されており、青森と函館を往来する人々の姿、船を運行に関わる船員その他の表情などをリアルに伝えている。個人的最も興味深かったのは、景福丸。「景福」といって思い出されるのは、ソウルの「景福宮」なので、韓国と何か関係が?と思ったら、その通り。関釜航路から、青函航路にうつってきた船だそうだ。空襲で、青函航路の船の多くが被害を受け、他の航路から船を確保したそうで、稚泊航路からも「宗谷」が応援に入ったという記述もあった。
景福丸は戦後引退し、函館港に係留され、日本で唯一の船上旅館としてしばらく営業していたという。景福丸が解体後も函館ハーバービューホテルの一角に、船上旅館を運営していた鉄道弘済会によるお土産店「景福」がしばらく残っていたそうだ。
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1984年に出版されたものと同じ写真で再度2006年に出版されたのが、「青函連絡船の記録」だそうだ。