森田芳光監督の遺作となった作品。何の予備知識もなく、昨晩妻から提案があり、面白そうだなと思ったので、一緒にいってきた。結果的には「当たり」だった。
松山ケンイチと瑛太のコンビというので、あまりリアリティがないだろうなと思ったが、どうしてどうして。少なくとも、僕のイメージの中にある鉄な人々の、ちょっと変わった雰囲気が、デフォルメされつつもうまく現れていた。
主人公二人が、鉄道好きといっても微妙に違うところとか、世俗的な上司たちのバブリーな感覚とか、それに適当に合わせつつも我が道をいく若い世代の姿とか、細かい部分でも、時代性がうまく反映されていた。
大学界やIT業界には、職業柄ということなのか、鉄道好きが多い。自分はどちらかというと、世俗的な感覚でこれまで生きてきたようで、鉄分は薄めなのだが、旅をすることは多いので、鉄な方々にいろいろアドバイスをいただく。その結果なのか、次第に「乗り鉄」や「撮り鉄」な感覚は、理解できるような気になりつつある。少なくとも、楽しくお話をすることはできる。
最終的に「ただしイケメンに限る」という部分もあるのだが、この映画によって、「鉄な人々」の趣味の領域が、これまで以上にプラスに評価され、認知されるようになったらいいのではないか。
映画をみた後、行きたいなと思ったのは、行く機会がありそうということもあり、京急蒲田と喜多方。もちろん九州にも行きたいが。