第一回新潟ブログコンテストに感じること

NST

「新潟市のあたり」で、「新潟ブログコンテスト」なるコンテストが企画されていることを知った。新潟の放送局NSTのキャンペーンで、「大好き!にいがた」というのがあるのだが、このキャンペーンの一部として開催されるようだ。

NST
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期間は2009年4月22日(水)から2009年7月13日(月)
テーマは「新潟の誰かに伝えたい、教えたいスポット&エピソード」

応募資格は ・ コンテストのテーマに沿ったブログ(SNS含む)の記事であること。 ・ 新潟県在住に関わらずエントリー可能。
・ 一般、法人に関わらずエントリー可能。
・ 応募部門(ジャンル)を選択可。同一のブログであっても、記事が違えば複数の応募可能。

ブログそのもののコンテストではなくそこに書かれた記事のコンテストということですね。

昨年のアルファブロガーアワードと同様に、記事単位のコンテストとなるようだが、やり方について「?」な部分がいくつかある。地元の話題なので、基本的に応援姿勢を崩したくはないが、僕自身が感じている違和感を率直に書いてみよう。

「新潟の誰かに伝えたい、教えたいスポット&エピソード」という、ローカルネタに光を当てるよりも先に、新潟のブロガーの平均的スキルを向上させた方がいい(平均的スキルがあがれば、クチコミの質は勝手にあがる)と僕は思うのだが、そういう角度からの啓蒙的な役割を、地方の民放局のキャンペーンに期待するのは、筋違いだろうか。新潟のテレビ局が「ブログ」に注目したというだけでも、画期的と考えるべきなのかもしれないし、このキャンペーンによって、新潟県内のスポットにまつわるブログ記事が増えるのは、それ自体としてはとてもいいことだろう。

さて、そのように趣旨を理解したとしても、このイベントにはいくつか疑問がある。

  • 「SNS」を含むがミニブログは含まない?

対象にはブログとSNSを含むという点は明示されているが、どこが限界なのかは不明だ。限定がないということであれば、パーマリンクが残るTwitterなどのミニブログを含めるのは特に問題ないのだろう。基本的にはテキストを審査の対象にするようなので、写真とか動画が含まれても審査しないということのようだが、その辺のポリシーははっきり読み取れない。同じようにパーマリンクが残るという意味では、FlickrにもYoutubeも同じだし、そこに付加できるテキストの量は、ミニブログとそんなに変わるわけではない。ブログのエントリーに写真や動画やスライドや音声ファイルやらをはりつけても審査の対象にしないならば、そのむね明示すべきだろう。

たぶん想定しているのは、ある程度の長さの文章が書かれたブログエントリーということになるのだろう。僕の観測範囲では、その手の記事は、新潟がらみでは非常に少ない。

  • 完全人力処理による応募受付

審査の対象になるのは、個別の「記事」なのだが、応募はウェブ上のフォームから行う。そのさい、Yahoo!ブログとAmebaブログはURLだけで応募できるが、その他のブログの場合には、個別の記事の本文をフォームのなかにはりつけなければならない。なんでだろう。なぜそのような違いが生まれるのかも不明。1つのブログから複数の記事を応募することも可能だが、その都度フォームに書き込む必要がある。
きちんと応募の意図を確認するとか、なにか意味があってやっているのかもしれないが、それならばなお、まさかコピペされているブログ記事が存在していることを実際にアクセスして確認するはずなので、やはりURLだけで十分なのではないかという気がする。
もっといえば、個人が応募するのはブログ単位までで、たとえばそのブログで「大好き!にいがた」というキーワードが入っているものはすべて審査対象にするとかでも、本当は十分だろう。あるいはもう、事前の登録をやめて、「大好き!にいがた」の記事をブログ検索などで拾うとか、各種マップ上で新潟県内にピンを打ってある記事を拾うとか、さまざまな手法で「いい記事」を事務局がノミネートしつつ、自薦他薦も受け付けるというほうが、絶対に盛り上るだろう。

  • 可視化できる指標を用いない(?)審査方法

審査委員会が審査をする。人気投票などの「集合知」で結果を決めるのがこわいというのはわかるのだが、エントリーした記事がどのように評価されているかをある程度客観的に示す指標はあり、それらを公表することで、ユーザの参加者意識も高まるはず。審査結果とこれらの指標から読み取れる結果がずれたとしても、審査委員会が納得できる講評を示せればいいのだ。たとえば、ソーシャルブックマークなどで、特定のタグがついたものをリストアップするとか、TwitterでのRetweetとか(ちょっとRetweetは難易度が高いか?)。ブログ記事にもタグはつけられるし、ブログ検索をうまく活用する方法もある。先日このブログで紹介したPostRankは、こうした指標を総合的に数値化するもので、参考になるだろう。

ブログコンテストに、ユーザの「行動」を無視した一方的な「審査」はそぐわない。「参加できるコンテスト」という体裁にしなければ、新潟のネットユーザ/ブロガーのスキル、リテラシーの向上に、このイベントは資することはない。

とはいえ、もうすでに始まってしまったこの企画、今から大幅な変更を加えるのは困難だし、僕のこのような意見に耳を傾けてもらえるとは思えない。ただ、Niigata / 新潟 – FriendFeedniigata_jp (niigata_jp) on Twitterなどで、コンテストの趣旨に沿うようなブログ記事の情報を収集して共有することはできるので、ちょっと細工をしてみようと思う。新潟ソーシャルメディアクラブにも情報を流したりして、いい記事があぶりだされる仕組みができればいい。関係者の皆さんにも見ていただければ、たぶん改善のヒントを提供できると思う。

ところで、このような新潟に関するブログ記事で、コンテストに応募していいのだろうか。ココログは「その他のブログ」なので、本文のコピペが必要ですが。

 

1 個のコメント

  • 「新潟ブログコンテスト」への言及を拾い上げる

    先日のエントリーで、「新潟ブログコンテスト」についていろいろ批判めいたことを書い

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