青森県弘前市特産のとうもろこし「獄きみ」の季節がやってきました。陸奥新報が、特売所オープンの様子を伝えています。
弘前市嶽地区特産のトウモロコシ「嶽きみ」の収穫が本格化し、岩木山麓の県道沿いには直売所が続々とオープンしている。8日はシーズンの到来を待ちわびた市民や観光客らが続々と訪れ、甘い旬の味覚を買い求めた。
嶽きみは、岩木山麓・嶽高原で、昼夜の寒暖差を生かして生産され、生でも食べられると言われるほど糖度が高い。
「獄」というのは、旧岩木町の地名です。寒暖差でとうもろこしの甘みが増すのですね。岩木の直売所にいったら、とうもろこしを買うだけでなく、いつも獄きみソフトも買って食べます。ちょっとだけとうもろこしの風味がありとてもおいしいです。
直売所 野市里(のいちご)について 青森県弘前市の嶽きみ(だけきみ)スイーツ、青森りんご、青森県産品の産直
獄のような高地で、米以外の作物を作っている場合、戦後の引揚者による戦後開拓であることが多いです。獄の場合には、樺太の引揚者たちが入植して、苦労して商品作物に育て上げています。
鈴木健さんの父・鈴木春雄さんをはじめとした約40戸288人の人々は、1948年に樺太の真岡港から船で日本にかえつてきた樺太からの引き揚げ民であった。樺太にいた日本人約40万人は3年間の拘留生活を強いられていた。リーダー的存在だった鈴木春雄さん清水村瑞穂集落の288人とともに帰国を果たした。1972年発行の「岩木町誌」によると、嶽地区にある「端穂(ミズホ)開拓地」には、戦後の1949年、鈴木さんを含め樺太からの引き揚げ者ら16戸が入植した。
入植して6年、1955年に、開墾した土地で、鈴木さんが試験的に栽培を始めます。10年かかって集落で栽培も広がり、1965年に小規模な販路が開拓されます。しかし農協で扱ってもらえるようになったのは1982年、それから「獄きみ」というブランドが確立していきます。長い時間がかかりました。2008年4月「嶽きみ」は地域団体商標を取得しています。
いつもおいしく食べている獄きみですが、こうして歴史をたどってみると、引き揚げ後高地を切り開いた先人たちの苦難が、この味を作っていることがわかります。またさらに味わいも変わってくる、はずはないのですが、そんな気がしてきます。
楽天で調べてみると、まもなく発送が始まるタイミングのようです。獄きみソフトもセットで食べたいですが、ちょっと今年は難しそうですね。
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来年に向けて、獄きみのオーナーになるという方法もあります(今年の申込みは、当然ながらすでに終わっています)。