昨日から出張で南京へ。仕事の後、昨年見つけた先鋒書店という雰囲気の良い書店に行ってきた。今回初めて気がついたのだが、もともとは地下駐車場だったところ。真ん中の線が中央線だということに、ようやく気がついた。
ブログ記事などを見ると、どうもさらに元をたどると防空壕だったようだ。「南京大学の第二図書館」とも呼ばれているとか。非常に広い店内には、オリジナルの絵葉書その他のグッズも豊富においてあり、本の種類も、中国風の商業的なものばかりではなく、思想、歴史、宗教、芸術など、いわゆるインテリ向けの本がそろっている。また店内にはソファーも多数完備され、飲み物を持ち込んでゆっくり「座り読み」をしている人が多数いる。しまいには居眠りしている人もいるのだが、犯罪が起きるような雰囲気はない。中国の都市にありがちな、落ち着きの無さとは無縁の場所だ。
東京で言うと「青山ブックセンター」のイメージ。だが、私の知っている東京の書店にはないぐらい、さらに上をいくゆったりさだ(外とのギャップのせいかもしれないが)。
トークイベントを行うイベントスペースもある。前回来た時には、クラシック音楽についてのトークイベントが行われていて、音楽評論家なのか、アーティスト然とした人が、コンサート映像を映しながら、若い世代とワークショップ形式で対話をしていた。
先鋒書店がまだあいていたので、奥まで見てきた。クラシック音楽についてのトークイベントが、中で行われていて、いかにも文化人ぽい雰囲気の人が、聴衆に何か解説していた。
— Shinya ICHINOHE/一戸信哉さん (@shinyai) 2012年3月10日
今回はイベントが行われていなかったが、明日台湾の詩人がやってきて、上海交通大学の教授らと対談するイベントが組まれていた。店頭でポスターを見た若い女性が友だちに電話をかけて、「有名な上海交通大学の教授が来る。どうしても聞きたいから一緒に行こうよ」と話していた(とあとで教えてもらった)。
併設されたカフェもゆったりした空間。おそらく書店内の本を持ち込んで、カフェ内で「座り読み」もできるのではなかろうか。
今日はローズコーヒーという謎のコーヒーを試してみた。バラの香りのする、甘いコーヒーだった。
南京では、場所柄、日本人出張者はどうしても、緊張をしいられることになる。しかし先鋒書店に行くと、日本の小説の訳書や日本をテーマとした本がたくさん取り扱われているし、知性の高い人達が集まっている雰囲気なので、かなりリラックスすることができる。もと防空壕ということで、少し「隠れ家」っぽい雰囲気もあるので、南京の知識人コミュニティに、自分自身が守られているような気持ちにもなる(勘違いかもしれないが)。
検索してみたら、以下のような記事が出てきた。
「先鋒書店」―南京のインテリさん御用達:南京日本人会事務局だより:So-netブログ
EALAI:東京大学/東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ | コラム
先鋒書店には、Weiboのアカウントがある。