毎年この時期になると、新潟の電車の車内広告は、各大学のオープンキャンパスの広告でうめつくされる。他地域でも、地方都市では特にこの傾向が強いように思う。敬和の広告も登場したようだが、今年は「中吊り」ではなく、ドア上に掲載することにした。スクールカラーをベースに、多様な学生たちのポートレートを組み合わせたスタイル。「やりたいこと、見つかった?」というフレーズは、「可能性は力になる。」というキーワードと対応している。高校生の「やりたいこと」の種、多様な「可能性」を、芽を摘むことなく、広げるという趣旨だ。
効果がなくとも横並びで出す広告は、できればやめたいところ。電車の車内広告は、みんなが携帯の画面を見るようになった現在、もっとも早く見なおすべき対象だと思う。ただ一方で、「横並び」の場に自分の大学が出ていないと不安になる教員もいるし、卒業生や在学生のプライドにも多少の影響があるかもしれない。その意味では、内部の一体感を維持するために、こうした広告が重要になることもある。
とはいえ、単に横並びで出すだけではなく、やはり関係者のプライドをくすぐるような、「自分たちの大学は、他とは一味違う」という内容を、打ち出すことが大事だ。この広告もデザインはテクスファームさん。「個性的な大学」という立ち位置を、内容的にも示すことができたのではないかと思う。
新潟県の皆さん、電車にのる際にはドア上の広告をぜひ探してみてください。