有斐閣・日本ユニシスの定額制電子書籍選集閲覧サービス「YDC1000」スタート

YDC1000

有斐閣の古典文献が定額で読み放題となるサービスがスタートした。
YDC1000

有斐閣の古典文献がオンラインで読み放題!YDC1000| 有斐閣
有斐閣、日本ユニシス、定額制電子書籍選集閲覧サービス「YDC1000」の提供開始 -2011年12月20日- 日本ユニシス


特徴として、以下の点が挙げられている。
YDC1000

料金は年間12000円。データ間モバイル機器での閲覧が(予定)として挙げられている。このほかユニシスのプレスリリースを見ると、「複数書籍の同時閲覧や比較(予定)」「書籍間のリンクや、複数書籍と連携した閲覧・出力(予定)」といった項目もある。地方都市で暮らしていると、古典を含めて、文献へのアクセスに著しいハンデを背負う場合もあり(自分は稚内時代に大きなハンデを背負っていた)、こうした便利な機能がなくとも、当時の自分ならば飛びついたであろうサービスである。だが今の時代、今の自分の環境で考えれば、上にあげたような機能がきちんと実装されていて、便利に使えるようになってほしい、ということになる。
2012年3月までは無料で試せるというので、先ほど試してみた。法分野ごとのカテゴリーをたどって、一冊開いてみる。動かない、、、。Twitterで調べてみると、実はビューアがIEでしか作動しないとのこと。ということは、iPhone、iPad、マック、どれもダメということになる。今の情勢からすると、IEのみ対応というのは残念。


さて気を取り直して、IEでアクセス。普段ブラウザをGoogle Chromeに一本化しているので、ブラウザを立ち上げるだけで、動作の遅さにぐったり、、、。実際にアクセスし、書籍を開いてみると、こんな状態。
YDC1000 C

上のボタンで、ページめくり、自動のページめくり、10ページめくり、拡大縮小などができる。縦書きのページをそのままスキャンした状態なので、拡大してスクロールさせないと、ラップトップの画面幅では苦しい。しかし、ショートカットキーは見当たらないので、そのたびに上のボタンをクリックしなければならない。IEのみでの閲覧なのでどうなるのかわからないが、タッチパネルでの拡大縮小も難しそう。ページをめくるについても、そのたびにページめくり「ボタン」をクリックする必要がある。
今のままならば、この方法でしか有斐閣の古典にアクセスできないというのでもない限り、2,3回使ったら使う気が失せる人が多いのではなかろうか(ネットに疎い上の世代の法学者ならば特に)。「モバイルへの対応」をうたっているので、iPadやタブレットにも対応するのだろうか。あわせてPCで閲覧する場合にも、ショートカットキーなどで、柔軟なページ閲覧ができるようになれば、と思う。
有斐閣としては、これを入り口にして、オンデマンド出版の拡大につなげたいと考えているようだ。また、教員への教科書の献本インフラとして、利用するような記述もあった。紙の新刊書の売り上げを確保しなければならないということもあり、取組の範囲は限定的なのだろう。だが法律書は分厚く重いので、本来なら電子書籍の需要があるはず。今回の発表に結構な反響がある背景には、こうした「軽量化」を求める利用者の意向があるはず。さらなる取組の拡大に期待したい。

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