大叔母のこと


さまざまな逸話を持つ大叔母、「ちおば」こと一戸道が、今朝なくなった。知らせは、新潟に戻る新幹線の中で受けた。彼女の晩年を僕はあまり知らないままに終わってしまったけれども、元気な頃にはずいぶんお世話になり、そしてまた僕ら子どもたちは、その頃を認識しつつも、彼女にちょっとビビっていた。

ビビっていたうちの一人である弟が、この春先に逝ってしまい、その後に、大叔母が逝った。こういう順番になってしまったんだなという感慨を、これからも毎回持ち続けるのだろう。

僕のビビりを象徴するのが、就学前検診でのこと。母が弟の世話に忙しかったのか、僕の引率をその頃近くに住んでいた大叔母に任せたのだが、雪が降って寒い中、彼女は自らのペースで歩き、トロい僕を厳しく引率してくれた。その頃僕が通っていた幼稚園は小さく、僕はこれからの新しい小学校という空間や人間関係にビビっていたし、その上に彼女の引率も厳しかった。診断結果に「心悸亢進」という結果が出た。

近所に住んでいた時期には、よく我が家にも遊びに来て、僕らの面倒も見てくれたし、機関銃のような津軽弁トークを、ずいぶんと披露していた。晩年病気をしてから、そのトークはなりをひそめていたようだ。

祖父母の世代がどんどんいなくなってきている。弟の死後、僕は自分たちの先祖のことを調べてみようと思っているのだけれども、「時間切れ」はどんどん近づいてきている。

木曜の夜、ちおばを送るため、弘前に向かう。

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