la_causette: 民法772条


「匿名の卑怯者」を厳しく批判する小倉秀夫先生、最近は「ネット右翼」の利己性についても指摘されている。

リンク: la_causette: インターネット上ではなぜ「ナショナリスト」が元気なのか。.

「右翼/左翼」なる分類が、ネット上での議論に有効かどうかは別にして、たしかにある種の右傾化はネット上に存在しているので、小倉先生の指摘は、「自分の『ナショナリズム』の利己性について、胸に手をあてて考えてみろ。」という、ある種の鎮静剤としては、非常に意味があるように思う。僕は、どちらかというと、「実態は団塊世代に対する若い世代が世代間闘争をしかけている」という、佐々木俊尚さんの説に賛同するし、そのような「我関せず」の立場を保っておきたい。

さて昨日小倉先生は、「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」という推定を見直そうという話について、右派の発言の非現実性を指摘されている。

リンク: la_causette: 民法772条.

 ネット上では、右派が現実主義的であるかのごとく主張する人々の声が大きいようですが、この例を取っても、むしろ右派の方が理想主義的というか非現実的であるように思います。
(中略)
「婚姻関係が破綻をしていても、正式に離婚が成立するまでは、妻は貞操を守るべき」という古くさくかつ片務的な道徳観を国民に押し付けることに熱心なだけです。そこでは、「どちらの男を父親とするのが子供にとって良いことなのか」という観点は一切見られません。

確実にこうした「古くからの右派」の人たちも存在しているのだが、こうした古い世代の考え方を、「ネット右翼」は支持しないだろう。にもかかわらず、「ネット右翼」を含む若者の「なんとなく右傾化」というムードが、家族法の見直しに抵抗する「古くからの右派」を支えているような、気がしないでもない。なによりこの問題は、若い世代がもう少し「利他」にならないと、「古くからの右派」を乗り越えられないのだろう。というのも、「古くからの左派」も、自分の半生と矛盾しないように、「右傾化」する可能性があるからだ。

と考えるとやはり、右も左もなくて、「世代間闘争」なんじゃないの?という気がしてくる。

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