複数のソーシャルメディア上の投稿を連携させるサービスIFTTTに、Androidアプリが登場しました。OSの機能をアプリケーション側から操作できるので、条件設定により、自動的に各種の基本設定を変えることができるようです。
Internet上のサービスを繋いで処理を自動化するIFTTTのAndroid版が登場した。そしてこのAndroid版、iOS版と比較するとよりOSレベルの連携が見られるようだ。もちろんこれはAndroidの「レッセフェール」の方針によるものだ。すなわち、アプリケーション側からOSの機能をいろいろと操作しやすくなっているのだ。
インターネットサービスを「繋げて」使うIFTTT、より「自由」なAndroid版がついに登場 | TechCrunch Japan
IFTTTは、If this then thatの略。ソーシャルメディア上の一か所で指定された現象が起きたら、別の指定の場所で、関連するイベントを起こします。たとえば、ブログに投稿をしたら、Facebookにも投稿する。Instragramに写真を投稿したら、その写真をブログにも投稿するといったことです。もともとこうした「マルチポスト」の需要はあり、特定のサイトのフィードをTwitterに自動的に流し込む[http://twitterfeed.com/ twitterfeed]のようなサービスもありましたし、現在はFacebookとTwitterにはそれぞれ、Facebookでの投稿をTwitterに、Twitterでの投稿をFacebookに、それぞれ流し込む設定も用意されています。
(一つの投稿を複数箇所に自動転載、するのとならんで、複数箇所の投稿を一か所にまとめる「アグリゲーション」にも一時期注目が集まり、
FriendFeedというサービスが人気を博しましたが、現在はFacebookに買収されて、あまり利用されていません。)
ソーシャルメディアのメインストリームが、TwitterとFacebookの二強で一度決着してしまった今日、マルチポストの需要もあまりなくなったかに思われましたが、そこに今一度出てきたのがIFTTTということにになります。私自身も、Instagramの特定ハッシュタグの投稿を、Facebookページに自動的にとりこむというようなケースで、IFTTTを使ってきましたが、英語のサービスということもあり、正直日本での知名度は高くないように思います。
今回Android版の登場をきっかけに気がついたのですが、IFTTTが実現するのは、どうやら「マルチポスト」のようなソーシャルメディア間を「つなげる」機能だけではないようです。
レシピ共有用のチャネルで、Android専用のものとしてDeviceにも注目したい。WiFiに接続したり切断した際に、壁紙を変更したり着信のベル音の大きさを変更するようなことができる。他にもlocation、notification、phone call、photo、あるいはSMSなどといったチャネルがある。Android特有の機能を活かして可能性を探るレシピが多く登録されている。
インターネットサービスを「繋げて」使うIFTTT、より「自由」なAndroid版がついに登場 | TechCrunch Japan
レシピというのは、同様の処理を他の人とシェアする機能です。今回Android版のリリースを機に、Android上でこんなことができるよという提案が、レシピとしていろいろ公開されています。たとえば、「オフィスに着いたら、電話の着信音を切って、バイブをオンにする」というもの。当然AndroidのGPSがオンになっているのが条件でしょう。ほかにも「職場を出たら妻にメッセージを送る」とか「最新のInstagram写真を壁紙にする」とか「会議の時間になった電話の着信音を切る」といったものがありました。よく見るとAndroid以外にも、Google DriveやDropboxを使った自動バックアップの機能もあります。これまで人間が行ってきたPCでの操作を自動化し、さらには、生活上のさまざまな動作も、位置情報や時間と連動させて自動化していく方向で、IFTTTは活用できるのですね。
着信音を切るような作業は、人間が自覚的に行ってきたことであり、これを「自動化」するというと、「人間がダメになる」という主張を展開する人もいそうですが、IFTTTの場合には適用条件を決めるのも人間です。おそらくIFTTTの条件設定を面白がって利用する人は、かなり自覚的に条件設定をしていくはずなので、むしろ非常に理性的に、自らの生活をパターン化していくことに喜びを感じる人かもしれません(私はiPhoneユーザなので、この面白さを当面体験できそうにありませんが、そもそもそこまで理性的ではありません)。
あるいは、数カ月前に自分が設定した条件にしたがってスマートフォンが動作し、そのことをすっかり忘れていて、心霊現象ではないかとビビってしまう人は、ひょっとすると出てきそうですね。
サービス同士を連携させて自動でアクションを起こせる「IFTTT」にAndroid版が登場したので試してみました – GIGAZINE