Yahoo!が先日記事に書いたとおり、Tumblrを買収したが、同時にFlickrの大幅なリニューアルも発表した。
Yahoo、Flickr Proを廃止。広告嫌いとプロ向けに新たな有料版を提供 | TechCrunch Japan
Flickrが驚きのリニューアル―高解像度、新Androidアプリ、1TB無料ストレージなど | TechCrunch Japan
米Yahooが Flickr を全面リニューアル、無料で1TBまでアップロード可能に – Engadget Japanese
ホーム画面をはじめ、UIは一新され、タイル上に写真が表示される形式になった。FacebookやInstagramに似たデザインで、この点は概ね評価されているのではないか。
一方有料/無料のアカウントについては大幅な変更が加えられた点については、賛否がわかれそうだ。無料ユーザについては、これまで1カ月当たり300Mバイトまでしかアップロードできないといった制限があったのだが、これをほぼ全廃し、1Tバイトのクラウドストレージの容量を大幅に拡大した。有料・無料の区別は、広告表示の有無とStatsの表示だけの違いとなった。
サイズが自動的に修正されるとはいえ、無制限の容量が提供されているFacebookなどに大きく水を開けられており、これに追いつくための措置だろう。ライトユーザには歓迎されるはずで、ユーザの裾野を広げてくれる可能性が高い。日本語化はいまだ行われていないので、日本のカジュアルユーザが大量にここに流れ込むとは考えにくいが。
ただこの措置により、有料のPro会員の制度はほぼ意味を失った。12ヵ月24.95ドルで、無制限アップロード、無制限ストレージという権利を買い、Flickrをアーカイブとして使ってきたユーザにとっては、突如の容量制限ということになる。Flickrとしては、影響を受けるユーザはごく少数と見てこの措置をとったと考えられるが、少数とはいえ、長く利用してきた(しかも低迷が続いている間も離れなかった)ヘビーユーザの支持を失うという意味では、あまり好ましい状況とはいえまい。
一応追加499.99ドルを支払って、1テラバイトを使いするdoublrというサービスも出るようだが、無料のアカウントを複数作る煩わしさのために、年間500ドルを払うユーザがどれほどいるのか。
Flickrは、リアルタイムでの写真共有の流れには完全に乗り遅れた。結果、アーカイブとしての写真共有の拠点機能までも、FacebookやInstagramなどの他のサービスの知名度が上がりつつあるようにも思える。Flickrに残っているのは、高品位での写真共有・アーカイブ機能を望むユーザだけだったような気がする。このユーザ層が、今回の措置を契機に、離反してしまうことを覚悟の上で、Yahoo!としては、カジュアルユーザを取り込むための賭けに出たということだろう。
【追記】その後明らかになったのだが、既存のProユーザには配慮、有料のProアカウントの更新は可能で、保存容量も制限なしのまま使えることになった。これで自分を含めて、ヘビーユーザも残留することになるだろう。
Flickr が既存Proユーザーの処遇を説明、無制限ストレージのまま更新可能 – Engadget Japanese
一方、既存 Pro ユーザーへの対応は、短く書くと:
・従来のままの料金(年間25ドル)で今後も更新可能
・従来の Pro 特典だった無制限ストレージや広告フリーはそのまま
・従来の Pro のサイズ制限(一枚50MBまで、動画最大500MB)は、新 Free にあわせて1枚200MBまで、動画 1GBまでに拡大つまり、既存 Pro ユーザーにとっては、更新するかぎり従来の特典とリニューアル後の拡大と両方の恩恵があります。