6月7日に東京高等裁判所が再審を決定した、「東電女性社員殺害事件」。97年当時、センセーショナルな報道があったことは記憶にあるが、あまり強い印象はなかった。おそらく自分の身の回りのことだけで精一杯だったのだろう。
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その後ネパールと関わるようになり、ネパール人たちの東京での生活ぶりや日本での彼らの立場についても、いろいろ知るようになった。それでもこの事件について深く追求することはなかったのは、なぜなのだろう。自らの想像力の欠如を、正直恥ずかしく思う。
再審決定を契機として、一体何かがあったのか、ひとまずウェブで調べてみた。どうも佐野眞一氏の本が、かなりこの事件を深く追求しているということがわかったので、本屋の近くを通る機会があって買ってきた。
ウェブを検索するだけでも、事件の概要はもちろんのこと、事件にまつわる場所の写真なども出てくる。神泉界隈は、正直あまり縁のない場所だったが、渋谷にはよく行っていたので、97年当時を思い起こすことはできる。また、マイナリ氏は自分とそんなに年齢の変わらないので、15年間異国の地で彼が受けた苦難は、いかばかりであったかと、あらためて思う。