今日の授業の準備が終わってないが、朝からネパール情勢をチェック。
昨日の夜、国王の声明が出て、今週の金曜日から議会が復活することになった。
-King Gyanendra reinstates House of Representatives
これで情勢が落ち着くのかどうか、見方は分かれる。デモを主導した政党連合は、これでとりあえず受け入れの方向に入るだろう。デモは収束に向かう。問題はマオイストがこれで納得するかということ。彼らは共和制の確立が目標であるから、これでは生ぬるい、ということになる可能性はある。とはいえ、すでに物価の高騰はひどい状態にあり、Nagarjunaで健司が食べているダルバートも、どんどん質素になっているようだ。「市民の味方」を標榜する以上、みんなが一息ついた今の段階で、マオイストが暴れるのはまずかろう。
政党連合は、自分たちの立場の回復で満足せず、市民生活の安定のために、すぐさまあらゆる努力を尽くすべきだろう。マオイストを民主化プロセスにどのように参加させるかも含めて、だ。
ネパールでは、共産主義を支持する人が少なくない。貧困層が分厚く存在していて、社会の発展のためには、彼らの生活の質の向上が欠かせない状態にあるということなのだろう。それなりに社会的地位のある人でも、マオイストのやっていることを非難は出来ないという人が多い。
こちらも来週からのツアーの予定が変更になりました。
ラサ→カトマンズがラサ→国境→ラサとなってしまいました。
野党とマオイストが上手く協調できるのかと、政権交代の混乱によるトラブルを避けるためだそうです。
マオイストにしても旧政権をここまで追いつめたのは自分たちだと自負があるから、連立政党の1つの椅子だけでは満足しないと思います。
アフガニスタンのような内線状態にならないのを祈るのみです。
ネパール関係に良い本がでたんですけど・・・
給料日前なので、この値段は辛いです。
本校の図書館で買ってもらえれば嬉しいんですけど・・・
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『ネパールの政治と人権―王政と民主主義のはざまで』マンジュシュリ・タパ著、萩原律子・河村真宏監訳/明石書店/4200円
著者はネパール人。ネパールの近代民主主義について、歴史・回顧録・マオイスト支配地域のルポルタージュを組み合わせて論じている。ある程度背景知識が必要だが、現在のネパール情勢に関心をもつ人には必読の一冊。