「負けて、勝つ ~戦後を創った男・吉田茂~」


「負けて、勝つ ~戦後を創った男・吉田茂~」ICHINOHE Blog

土曜の夜に放映されていた「負けて、勝つ ~戦後を創った男・吉田茂~」が終了した。最初の回以外はすべて見ることができた。基本的にはフィクションということになっているが、渡辺謙が演じる吉田茂はなかなかリアリティがあり、GHQとわたりあって戦後日本の礎を作った人物の姿が、非常に明瞭に浮かび上がった。

NHKオンデマンド | 土曜ドラマスペシャル 負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~ 第1回

 

最終回では、再軍備を迫るダレスをのらりくらりと交わしながら、最終的に保安隊の創設、日米安保条約の締結を約束する。さまざまな矛盾を受け入れながら、GHQ・アメリカとの間で「落とし所」を探る姿勢、粘り強さが、一貫して描かれたこのドラマ。最終回でも、再軍備を食い止めようと必死で抵抗しつつ、最終的な妥協点を探しだすまでが描かれている。それは決して華々しい戦績を誇るようなものではなく、GHQ・アメリカとギリギリの交渉をして成果を得ても、国内からは批判され、石を投げられかねない。強い意志、胆力、使命感を持っていなければ、やり遂げられない仕事であったというのがよくわかる。

焼け野原となった東京から、吉田外交の力で復興のきっかけを作りだした日本。周辺諸国の台頭により、次第に市場、プレゼンス、自信を失いつつある現代日本だが、吉田茂のような老獪さを発揮すれば、まだまだ巻き返しは可能なのではないか。そういう気分にさせられるドラマであった。