図書館・博物館の古写真を共有するThe Commons on Flickrが4周年

Maree Austin, US star John Hubbard and cast of "Mary had a little" celebrate a birthday, Tivoli Theatre, Melbourne, 1951 / Harry Jay

Flickr上で、図書館・博物館が所蔵する古写真を共有するプロジェクト「The Commons on Flickr」。スタートから4年経ったとFlickr Blogが伝えている。

Time Flies! Celebrating 4 Years of The Commons on Flickr « Flickr Blog

Maree Austin, US star John Hubbard and cast of "Mary had a little" celebrate a birthday, Tivoli Theatre, Melbourne, 1951 / Harry Jay

Flickr: The Commons

このプロジェクトが目指すところは、1) 図書館・博物館が写真アーカイブに所蔵している隠された宝を共有するということと、2) ユーザからの情報や知識により、これらのコレクションがさらに豊かとなることを示すこと、にあった。とりわけ二つ目の点は、既存のデジタルアーカイブと一線を画する点で、ぜひその意義に多くの関係者に気付いてもらいたいところだ。

これを実現するために作られた「ライセンス」が、‘No known copyright restrictions’。所蔵する機関が知る限り、誰の著作権も有効ではないというステートメントだ。

この形式で共有された写真は、現在12カ国56機関により、20万以上。この写真に対して、過去4年間で13万のコメント、700万のFav(お気に入り)がつけられたという。残念ながら日本からの参加機関はないのだが、その原因がどこにあるのかは気になるところ。

こうしたコメントから、数多くの写真の撮影場所などが明らかになっている。たとえば、この写真。New York Public Libraryが所蔵している、日下部金兵衛撮影の富士山。「Otometoge」と書いてある。

Fujiyama, from Otometoge

コメント欄には、2006年に撮影された「乙女峠」からの眺めが投稿されている。

富士山 / Mt. Fuji

Japan / Kimbei Kusakabe – a set on Flickr

日下部金兵衛 – Wikipedia

このように多くの写真について、コメント欄などからコンテキストが付与されている。これはおそらく、それぞれの機関に所蔵されたままでは、不可能だったのではなかろうか。

「No known copyright restrictions」を宣言できる程度に、ある程度古くなった情報に、どのような価値を吹き込み、共有するか。実はこの問題は、昨今話題の「忘れてもらう権利」と不可分の話だ。本人にとっては、忘れてもらいたい情報というのがあるだろうが、そのような情報も、ある程度古くなったら、何代も後の子孫にとっては忘れてもらわなくてもよい情報になるかもしれない(そのまま忘れていてもらいたいものもあるだろう)。結局本人以外の誰が、どのような段階で、パーミッションを変更しうるのか。現在直面している問題に比べて、「忘れてもらわなくてもよい」問題の緊急性は低いのだが、しかしこれもまた、考えなければいけない問題になると思う。

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