札幌大学が学部を統合、1学群13専攻制に


先ほど教えてもらったのだが、札幌大学は5学部を統合し、1学群13専攻に組織変更を行うと、5月に発表していた。1学群で定員900名だそう。非常に大きなチャレンジといってよい。

大学プレスセンター – 2013年、札幌大学は「1学群13専攻」へ――将来の夢、キャリアに合った学びを「サツダイマッチング」で見つける

●「主専攻」(学士となるために選択できる専攻)は13
「経済学」「地域創生」「経営学」「法学」「現代政治」「英語」「ロシア語」「日本語・日本文化」「中国語・中国文化」「歴史・文化」「異文化コミュニケーション」「スポーツ文化」「現代教養」

●授与される学位は6
 「経済学」「経営学」「法学」「文化学」「英語」「ロシア語」

●13の「主専攻」に加え、13の「主専攻」から提供される「副専攻」の選択を推奨

●トップランナーでありたい、特待生となりたい学生のために「エキスパートコース」を開設

●「主専攻」は「主専攻」として、さらに正課・正課外を問わず、自分の可能性を広げたい、試してみたい学生のために「アクションプログラム」を開設

●「エキスパートコース」「アクションプログラム」に合わせた特別な入学試験制度

現在は、5学部6学科体制。その中にさらにコースがあったのかもしれないが、1学群の中で、13の専攻を横断的に学べるというのは組織的にも拡張した(ように見える)上に、学生の選択の幅も広がるわけで、非常に魅力的に見える。「サツダイマッチング」という「じっくり自分の学びの形を見つけて欲しい」という考え方も、用語がどこまでキャッチーかはともかく、昨今の学生の好みにもマッチしていると思う。おそらくこの組織変更の背景には、非常に大きな危機意識があったと思うが、一方で学部組織を統合してしまうわけで、内部の抵抗もおそらく強かったのではないかとも思う。

一学群の中での「アラカルトメニュー」方式である一方で、そこでの学び方もかなり多層的な組立てになっている。たとえば、主専攻・副専攻の組み合わせ、だけではなく、特待生級の学生が一つの専攻をきわめていく「エキスパートコース」(法律と英語が対象のようだ)、主専攻に加えて正課外の活動も含めて多様な活動を行う「アクションプログラム」も用意されている。「アクションプログラム」には、

・「グローバルアクションプログラム」(国際交流センターと提携)
・「キャリアデザインプログラム」(キャリアサポートセンター、学内NPO法人と提携)
・「教職アクションプログラム」(教職センター、学内NPO法人と提携)
・「ウレシパプログラム」(札幌大学ウレシパクラブと提携)

の4つが用意されている。「アクションプログラム」と「副専攻」は区別されているが、「アクションプログラム」と単位修得との関係がどのように整理されているのかが気になるところ。

また入試制度が、「エキスパートコース」「アクションプログラム」に連動するというのもどうなるのか。前者は非常に優秀な学生を特待生待遇で迎え入れるという想定のように思えるが、後者がどういう形になるのかも大変興味深い。

一学群体制になるということは、個別の専攻は受験産業の学部・学科一覧から消えてしまい、「地域共創学群」という名前だけがリストアップされることになる。こうした受験産業の分類に基づく進路選択を覆すパワーを、独自広報が発揮できるかどうか。そこがこの改革の成否を分けることになるように思う。

今年度のCMが、公式チャンネルで公開されていた。

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