3/7−9の日程で、中国江蘇省を訪問、毎年恒例となった中国での大学説明会を行なってきた。江蘇省は、上海周辺の沿海部で、先に経済発展を遂げた豊かな地域だ。訪問先は、南京の江蘇卓越日語専修学院とその提携高校。今回は訪中メンバーのスケジュール調整の結果、滞在期間が2泊3日と短くなったが、賞味1日半の滞在で、南京の学院本校に加えて、鎮江、常州の高校3校、あわせて4校で説明会を行うことができた。南京の学院は、1年間で日本留学を目指す集中型の日本語学校で、このコースが江蘇省の高校に「フォーマット販売」されており、いわばフランチャイズの高校が、省内各地で展開されているという状況だ。本当は省内の高校全部を回りたかったのだが、今回は3校のみの訪問となった。
だいぶ事情もわかってきたので、今回は少し説明内容にも変化を加えてみたところ、大変好評で、各会場とも笑顔がたえない楽しい説明会となった。
Keiwa Lunchのダイジェスト映像は、成田に向かう電車と南京行きの飛行機の中で制作したのだが、これも好評であった。
たまたま学院を訪問してくれた昨年秋から留学している学生も参加してくれて、敬和、新発田、新潟での大学生活について、非常に丁寧に語ってくれた。震災から2年が経過し、日本留学の分布も、西日本偏重から元に戻りつつある。もちろんそうなっても、学生たちの多くは東京や関西を目指すはずで、地理的に新潟のプライオリティは低い。しかし新潟という場所は、「住めば都」の典型なので、先輩の口コミが非常に大事な場所だ。説明に来てくれた彼の言葉には、みんな真剣に耳を傾けていた(でもしっかり笑いもとっていた)。
「近くて遠い国」という関係は、日中双方にとって、それぞれ当てはまる言葉だ。
北京の大気汚染が懸念される中国だが、上海や江蘇省といった沿海部はさほど深刻な状態にあるわけではなく、マスクをしているのは日本人ぐらいであった。震災直後の中国のパニックぶりと今の日本人の騒ぎ方には、どこか通じるものがあるように感じた(それぞれどの程度シリアスな状況なのかは違うかもしれないけれど)
日本留学をとりまく環境はかなり深刻だ。現地では昨年の暴動以降、日中武力衝突の可能性が煽られて語られており、それは共産党内部の権力闘争の反映だと思っている人も少なくないようだが、そういってもみんなメディアには影響される。留学を目指す学生・生徒たち、さらには保護者にしてみれば、留学先で敵国民として嫌がらせを受けたり、暴力を振るわれたりするのではないかと感じてしまうのだろう。日本留学を目指す学生・生徒たちの間には、今回もかなりの動揺が広がったという。
こうした苦難を乗り越えて、数カ月後の試験に備えてがんばっている学生・生徒たちには、ぜひよい環境で日本留学をスタートしてほしいと思う。