日経新聞がEvernoteについて特集している。ブログタイトルはちょっと大げさだが、少なくとも「Evernoteぐらい使えなくては…。」という気にさせられる内容ではある。
就活で脚光「エバーノート」 クラウドに生涯の記憶を :日本経済新聞
各企業の選考プロセス、就活関連サイトのリンク集、ツイッターで見つけたニュース、友人・知人からもらった情報、就活で気づいたこと……。
就活を始めたばかりの横浜市立大の濱田さんは、パソコンやスマホで収集した気になる企業に関するウェブページや情報を片っ端からエバーノートに投稿している。エントリーシートの内容や、その際に発行されたID、パスワードも忘れないよう、エバーノートの「ノート」にコピーしている。ノートはパソコンでいう「ファイル」にあたり、ノートを入れる「ノートブック」はパソコンの「フォルダ」に相当する。就活を始めてわずか数日、濱田さんの「就活」というノートブックには約50のノートが蓄積された。
これらのノートには投稿する時、「P&G」「ユニリーバ」といった「タグ」をこまめに付けるようにしている。どのノートに何を書いたのか、何が書かれているのか、あとで忘れても簡単に引き出せるようにするためだ。例えば、あるメーカーのエントリーシートを書こうと思ったら、その企業名のタグで検索するとノートが時系列で表示される。「ああ、あの時OB訪問でこんな会話をしたな、と思い出させてくれる手助けになる。だからエバーノートは秘書なんです」
活動中の学生たちと話していると、応募する企業ごとに、相手の事情に応じた書類の書き方、受け答えの仕方をしなければならないが、徐々に余裕がなくなってくるという話になる。一方上の記事を見ると、「タグ」を使って上手に情報を整理している学生がいることがわかる。Evernoteの使い方をマスターしていれば、そんなに大変な作業ではないが、使いこなせない学生との間の差は、ぐっと広がることになる。
教員と話をしていると、「学生たちにまずメモを取らせるくせをつけないと」というが、そのメモをどのように活用し、整理し、効率的に攻めるか、という技まで伝授しなくては意味がない。整理して、検索可能にする、という意味においては、紙にメモを取れという発想は、根本的に間違っているということになる。
じつは濱田さんは就活以前の大学2年の夏頃からエバーノートを使っていた。きっかけは「キャンパス起業体験実習」という授業の課題。新規ビジネスのテーマを考え、事業計画を立てるというもので、教授からは「ビジネスのネタ帳を作って日頃からメモをしておくように」と指示されていた。たまたまエバーノートを知っていた濱田さんは、思いついたアイデアを夜にパソコンから書きためた。
「使い方がガラっと変わった」のは、大学2年の冬にスマホを買い、同じ大学の後輩、弥冨彬さん(20)が開いた「エバーノート講座」に参加したことだった。弥冨さんはエバーノート好きが講じて、アカウントの作り方といった初歩から応用まで、友人・知人の学生を集めては講座を自主的に開催していた。自称「エバーノートマスター」だ。
濱田さんの「食」ノートブックにはお気に入りの料理の食材や想像したレシピのメモが並ぶ
そこで濱田さんは「知らなかった機能をたくさん知りました。特にゼミなどのフィールドワークにもってこい。ボイスレコーダーでインタビューして、それを音声ファイルで保存。写真も保存。大量に配られるレジュメもカメラで撮影して保存。コピーが減って紙の節約にもなるし、とってもエコなんです」
個人用のメモを作る作業は、主に就活に重要になってくるが、それ以前から動機づけができないわけではない。これまで僕自身は、Twitterなどのソーシャルメディアへの情報発信を勧めてきたが、発信力が未熟な大学生には、まずEvernoteでの整理を指導するべきなのかもしれない。残念ながら、他者からの反応が得られないEvernoteは、学生のウケが今一つなのであるが。Evernoteにも、共有機能があるので、まずはこの辺を活用して、チームごとの情報共有を進めていくという手はある。