新聞社をどのように生き残らせるか:米国の議論


東京工芸大学の茂木崇先生のレポート。

リンク: 新聞を救う究極のアイデア?:日経ビジネスオンライン.

今回は、新聞社の生き残りについて最新の米国のメーンストリームのメディアで議論されている2つの案、「マイクロペイメント(少額の課金)」と「NPO(非営利組織)への転換」について、その主要な論点を整理してお伝えする。

米国では、新聞社をどのように生き残らせるかの議論が盛んで、NY
Timesをどのようにして生き残らせるかがさまざまに検討されているとのこと。日本ではまだ新聞社の経営については、「やばいんじゃない?」という話が
ビジネス誌に出ている程度で、一般の人にはほとんど認識されていないだろう。新聞社、というよりもより具体的に、バグダッドで取材して報道するような人々
とその活動を、どうやって社会として支えていくか、という風に、問題を読み替えたほうがよく、米国ではもうそういう話になってきているという記事だ。

マイクロペイメントというのは、iTunesのようなモデルで、1ヶ月2-3ドル程度の少額でネット購読してもらうという考え方だ。はたしてそれだけの数の人が購読してくるかということが、さまざまな人々によって分析されているが、購読者数が、今のNYTのウェブ版のユーザ数のすべてで、価格が1ヶ月3ドルだとして、ようやく可能性が見えてくるという状態だそう。かなり厳しいだろう。

NPOへの転換は、寄付モデルで、50億ドルの基金があれば、これを運用して、今のNYTのランニングコストはまかなえるという試算が紹介されている。NYTのブランドにそれだけの基金が集まるのだろうか。

日本でも上記二つのモデルの延長線上で、新聞社の将来を考えるべきときが、近づいていると思う。ここでポイントになるのは、検索エンジンとの付き合い方。前者のマイクロペイメントの場合でも、記事の最初の部分は無料で公開して、検索エンジン対策をとるべきだという意見が紹介されている。地方紙については、ネットユーザが少ないので、思い切ってウェブはやめて紙に戻るというのも経営的には一つの考え方だとは思う。しかしそのことは、その地方の話題がネットからごそっと消えるということを意味している。地域コミュニティとしてそれを認めるのかどうか、認めないとすればどのような代案を提示できるのか。いずれそういう問題に発展していくことになるように思う。

茂木先生の個人ブログもあった。


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