「スーパークールビズ」に関する小田嶋隆さんの分析。
客観的な分析を通して、「オヤジ」たちの保守的なマインドをちくちくと皮肉っている。
スーパークールビズは革命なんだな:日経ビジネスオンライン
スーパークールビズは定着しないだろう。若手社員の中には歓迎する組の人間もいるのだろうが、オヤジ連中は黙殺する。とすれば、このプランはおシャカだ。というのも、ビジネスはオヤジのフィールドだからだ。オヤジに嫌われた商品が成功することはそんなに珍しくない。が、オヤジの歓心を買わないビジネスマナーが標準化することはどうあってもあり得ない。
クールビズ問題は、ファッションの問題ではない。体感温度の問題でもない。エアコン設定温度の高低でもなければ、省エネルギーの是非でもない。オフィスにおけるあらまほしき服装をめぐる問題は、職場のヘゲモニーの物語であり、地位とディグニティーと男のプライドを賭けたパワーゲームであり、結局のところオヤジがオヤジであるためのマインドセッティングの問題だ。
僕は年に何回もスーツを着ることがなくなって久しく、もはやこの手の「パワーゲーム」から降りてしまったので、「他人事」として楽しく読んだ。最後のページで、どうやって革命を起こすかという結論が述べられている。声を出して笑ってしまった。
いろいろ考え方はあるだろうが、滑稽であるけれども、これは日本社会に一断面。学生たちには、この滑稽さを自覚しつつも、慣習とうまく折り合いをつけられるようになって、しかもその中で自分の力を十分に発揮できる周到さを持って、社会に出ていってほしいなあと思う。