友の眠る街、韓国大邱市を訪問

Daegu, Korea

昨年6月に突然世を去った友人Jungさんの一周忌で、韓国大邱市に行ってきた。昨年6月に亡くなった友人の一周忌が、なぜ5月末に行われるかよくわからなかったのだが、旧暦では、この日が命日ということになるからだそうだ。旧暦で命日を考えるやり方は、韓国でも都会ではあまり一般的ではない風習のようだった。

Jungさんのこと: ICHINOHE Blog

彼が葬られているのは、大邱市内にある仏教研修所のようなビルの中の納骨堂。
Daegu, Korea

한국불교대학(구.영남불교대학)에 오신것을 환영합니다.
ロッカーのようなスペースの、奥の方に骨壷が入っていて、触ることはできるが、鍵がかかっている状態。手前側には写真などをしまっておいて、訪ねてきたときに取りだしてみることができるようになっていた。日本の納骨堂と同じような感じなのだろうか。

いずれにしても、東京での元気な姿しか知らず、突然の訃報に接した僕にとって、一年越しに見た現実は、依然として茫然と眺めるしかないものであった。
昨年東京でお会いしたJungさんのご家族にも、再会できた。日本人の奥さん以外には、言葉が通じない私たちだが、Jungさんの人生を知り、ともにこの世に生き続ける関係として、交流を続けていきたいと思う。

かつて新宿でお世話になった朴さんにも再会した。大学院に入ったばかりのころ、Jungさんに連れて行かれた、在留韓国人向けのお店を経営していたのが、この朴さん。僕は顔を見てすぐにわかったが、朴さんは、髪の毛が白くなり、髭をはやした僕のことをみても、すぐにはわからなかったそうだ。こうした再会もまた、なんだか複雑ではあるが、故人が引き合わせくれた縁を、大事にしたいと思う。

一周忌の行事は、自宅で行われ、遺影の前にさまざまな料理が並べられた。料理の種類、並べ方については、家ごとのならわし、地域ごとの風習があるそうだ。正しいやり方については、成均館大学が定めたものがあるのだが、それに家庭や地域のしきたりが加味されるため、結局いろいろなやり方が乱立してしまうのだろう。

大邱はりんごの街であった。Jungさんとは、りんごの街出身だというのが共通項であった。いつか一緒に旅したいと思っていたが、残念ながら僕が大邱を訪れるのは、彼が亡くなって1年も経ってからとなってしまった。

韓国の高速鉄道KTXは安く、ソウルから2時間弱で大邱まで行けるようになった。これではストロー現象がさらに進み、地方の大学が苦しくなるのもよくわかる。もっとも、日本から行く場合、釜山から移動するとさらに楽だという話。釜山エアーが新潟からも飛んでくれるといいんだけど。KTXは、日本の新幹線に比べて、座席スペース、とりわけ、前後のスペースが狭いように感じた。

大邱式のぺたんこ餃子。どういう食べ方が正しいのかよくわからないが、あっさりした味。
Daegu Dumplings

Jungさんのお姉さんが作ってくださったチムタク。

チムタクもまた、Jungさんに連れて行ってもらった、大久保の店で食べたのが最初だ。今は渋谷にもお店ができたようだ。

鳳雛 チムタク 大久保店 ボンチュチムタク – 東新宿/韓国料理 [食べログ]

大久保のお店の味は、コチュジャンが聞いていて甘い味だったが、今回いただいたのはかなり辛いものであった。しかしこれも、辛さ控えめだと言われた。

ソウル、釜山以外の街としては、大邱はインチョンにつぐ規模だそうだ。地下鉄もあり、それなりの都市インフラが整っている印象だが、せわしなさよりも少しゆっくりした空気を感じた。KTXに乗って移動しないと来れないというのもよい。韓国好きの大学生はかなり増えたが、韓国エンタメを入り口としつつも、さらに立体的に韓国に触れるには、日本語でほぼ不自由なく暮らせるソウルを離れて、大邱のような地方を訪れて、しばらく勉強するのがいいんじゃないかと思った。

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