情報ネットワーク法学会特別チャリティ講演会『大災害時のソーシャルネットワーク・インターネットの効用と課題』無事終了


先日告知した情報ネットワーク法学会の特別講演会が、無事終了した。ご参加いただいた皆さん、パネラーの皆さん、どうもありがとうございました。
会場の東京カルチャーカルチャーは、普段はもっとやわらかいイベントが開催されていて、今回のようなテーマでの開催は珍しかったようだ。
直前になって、宮城県山元町の臨時災害放送局りんごラジオと、福島県のラジオ福島からの電話レポートが決まり、進行管理には苦労した。しかし、お話は非常に面白かった。基本インフラも含めて大きなダメージを受けた町で、数日でラジオ局をスタートさせたりんごラジオの話も参考になったし、ソーシャルメディアを含めてあらゆる手段を通じて、人々に情報を届けるという役割を追求している、ラジオ福島の姿勢も素晴らしいと感じた。音声状態が悪く、司会席にいた僕ですら、一部聞き取れないところがあったけれども、皆さんが現場でできうる限りの力を尽くしているということは、十分に伝わってきた。
パネラーの皆さんのお話は、どれも刺激的で、私の予想をはるかに超える広がりを持っていた。個人的には、災害時にネットでsurviveできた人がどれぐらいいるのか、あるいは、ネットは既存メディアを補完する役割を果たしたのか、というあたりのトピックが中心になるのかなと思っていた。しかし、パネラーの皆さんのお話はそこよりもむしろ、「人と人をいかに結びつけて、被災地・被災者支援につなげられるのか」という、より実践的な課題に焦点をあてていた。被災地支援に取り組んでいくと、さまざまな関係機関の調整が難航してニーズの把握が難しくなるなど、意外なところに問題があるようだ。
そんな中で、一番評価が高かったのが、amazonのウィッシュリスト。ウィッシュリストの機能を使って、個別の需要と供給のマッチングが行われているのだが、これはamazonだけが実現したというよりは、ソーシャルメディアを通じて意義を認められ、さまざまなプロジェクトで活用されるようになったようだ。しかも、支援した側にも成果がはっきりと見えるので、支援する側される側、いずれにも「成功体験」をもたらすという。「○○町では○○が不足している」というおおざっぱな情報で発生するミスマッチも防げるし、うまく機能していくという経験を積み重ねることで、中長期的には、ICTを活用する意義が認識されていくという指摘もあった。また成功させるには、PCやウェブサービスを提供するだけではだめで、最終的にそれらが活用されるまで、人的支援も含めて提供する必要があるという。
震災関連の情報をどのように集約していくか、ネットの原理と一見矛盾する課題もあるのだが、これもまた震災時に利用される情報を共通化するなどの方法で、解決できる可能性があるという指摘もあった。まとめていくためにもまた、まとめることの意義を認識できるような「成功体験」が必要になるのであろう。
ほかにもたくさんの示唆に富む発言があり、司会席で非常にいい話をきかせていただいたが、まだ消化不良のところもある。以下にUST動画がアーカイブされているので、明日以降「復習」したいと思う。
情報ネットワーク法学会、TCCなど、スタッフの皆さん、おつかれさまでした。

5/13開催『大災害時のソーシヤルネットワーク・インターネットの効用と課題』 – NAVER まとめ
Togetter – 「「大災害時のソーシヤルネットワーク・インターネットの効用と課題」」

2 件のコメント

  • 一戸さん、こんにちは。ネイバーの金子です。
    いつも、勉強会やイベントの情報集約にまとめをご活用いただきありがとうございます。
    少しずつアップデートなどしていますが、まだまだ使いやすくしていきたいと思っていますので、ご要望などあればTwitterなどでもお気軽に聞かせてくださいね。

  • 金子さんコメントありがとうございます。
    特に不満なく、楽しくつかわせていただいています。
    情報集約の際には、テーマにもっとも即した項目が最初にリストされ、次第に周縁的なリンクになっていく傾向があります。1項目ずつ上下に移動できるのは知っているのですが、できれば何らかの基準で一発でソートできる機能があるといいかもしれないですね。

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