大学教員には講義形式に固執する人がまだ少なくない。もちろん講義を全否定するわけではないが、学生の理解力にばらつきが大きくなる今日、すべての授業を一方向型の講義でやるべきかどうか、考えてみる価値はあるだろう。
以下のカーン氏の講演は、大学というよりも初等中等教育に関する話。視覚的に工夫されたビデオを家で見てきて、学校で教師とともに「宿題」をやるというもの。従来の授業形式では落ちこぼれていた子どもたちが、優等生の層よりやや遅れつつも、途中からぐっと理解度をあげて、成績が上がってくるのだとか。
ICTの導入により、個人に応じた授業展開が可能になり、教員はむしろ一人一人が個別に課題に取り組むのに寄り添うようになる。ICT教育がもたらす可能性を、カーンアカデミーもまた、示しているように思う。
教育へのICTの導入を、「非人間的」と先入観を持って眺めているたちに、ぜひ見てもらいたい講演だ。
サルマン・カーン「ビデオによる教育の再発明」 | Video on TED.com
Salman Khan | Profile on TED.com