iKnow!がサイト名を「smart.fm」に変更:グローバル展開を目指す?

System down for maintenance (iknow!)

数日前、iKnow!のトップページが以下のようになっていた。

System down for maintenance (iknow!)
 

まあ大きなメンテナンスというから、新機能がまた追加されるのかと思っていたのだが、そんなものではなかった。なんとサイト名自体が変更された。

リンク: あらゆる知識を学べる場所「smart.fm」、iKnow!がサイト名を変更:ニュース – CNET Japan.

語学を学習できるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「iKnow!」が、3月3日にサイト名を「smart.fm」に変更し、語学以外のあらゆる知識を学べる場としてリニューアルした。

サイト名の変更とともに、ドメイン名ももちろん変わっている(iknow.co.jpからも飛べる)が、意味するところは二つあるようだ。

1.あらゆる知識を記憶するためのプラットフォーム
iknow!という名前は、セレゴが提供する学習アプリケーションの名前として残り、smart.fmと名づけられた全体のサイトは、あらゆる知識を記憶するためのプラットフォームになるという。

たとえば道路標識は、自動車免許の取得あるいは書き換えのときに必要な知識だ。ほかにもソムリエ、エステ、料理などの資格試験でも情報を暗記しなけ
ればいけない。一緒に仕事する人の名刺と顔写真を覚えたい場合は、smart.fmのプライベートリストを使って非公開で学習できるという。

 書店の資格コーナーにあるような分野はほとんどsmart.fmで学べるかもしれない。サイトリニューアルの時点で、英語、フランス語、中国語を
はじめとした「言語」、本や映画などの「エンターテイメント」、役者や歴史上の人物などの「人物」、コンピュータやプログラムなどの「技術」、生物学や化
学などの「学問」、会計や法律などの「職業」といった学習コンテンツが揃う。足りないコンテンツは自分でアップロードするか、誰かがアップロードするのを
待てばいい。

すでに、語学以外のリストがいくつか登場しているようだ。たとえば法律のようなジャンルについては、記憶するだけでは事足りない能力はかなりあり、それをこれまでのiKnow!のしかけで解決するのは難しいと思うが、記憶しなければならないジャンルのものはたくさんある。

記事の中で、「なんでもWikipediaから知識が得られる時代なのに?」という質問に答えて、Eric Youngさんは、「人生のいくつかのシーンで記憶しなければいけないときがくる」と答えている。たしかに、全国の中高生が(あるいは先生が)、記憶すべき知識をみんなでデータベースにしてしまえば、以後、記憶に頼る部分の生徒たちの能力は格段にレベルアップすることになり、より本質的な理解度を高める方向で、授業内容が変わっていくことも考えられよう。この点はおそらく、大学でも同じことがいえる。

2.グローバルマーケットへの展開
この話題への日本人からの反応は、「iKnow!のほうが良かった」とか「
確立したブランドを捨てるなんてもったいない」という声が多いようだ。日本人受けするiKnow!という名前では、グローバルマーケットでは知名度を得られないという考えがあって、あえて名前を変えたのではないか。僕はそう推測している。

記事の中でAndrew Smith Lewisさんは、今後も無料モデルを維持することを明言している。無料モデルを維持するには、「会員数は約43万人、その97%が日本人」というユーザの構成では、実はなかなか苦しく、グローバル展開で一桁大きく、つまり「1年で400~500万人の新規ユーザー獲得」というところを狙うことにしたのではないか。その規模になったところで、マネタイズのための何らかの方策を出してくるのであろう。

そう考えると、「iKnow!」という、日本人以外にはあんまりウケなそうな名前とは早めに決別して、看板を架け替えようと考えたとしても、あまり不思議ではない。

ネットで調べてコピペして終わり、という学生は、どんどん増えているが、調べて終わりという態度は、今の僕にもひょっとしたらあてはまるかもしれない。記憶するという行為は、学ぶ内容・範囲が決まっているときには、必死でやっていたように思う。しかし、さまざまな情報に日々接し続ける生き方をし始めると、さまざまな情報に接した結果として残ったものだけを記憶として残すのを、自分自身の能力の限界だということにするようになる。足りない分は、ブックマークなどの「外部記憶」に補完してもらっている。しかし「外部記憶」から必要に応じて取り出せているかどうかは、まだまだ心もとない。

Smart.fmの取り組みはひょっとすると、そういう僕のような人間に対して、覚えるための活動への欲望を呼び戻させて、新しいCGMのあり方を示すことになるかもしれない。

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