APIを利用するアーティスト:斬新な作品ばかりだったDESIGN SHOWCASE TALK SESSION


リクルートのMedia Technology Labが「DESIGN SHOWCASE TALK SESSION.」というイベントをやるので、昨晩、ほぼ飛び入りで参加してきた。このチームの取り組みは、以前Tokyo2.0で石橋さんのお話をきいていたので知っていたのだが、今回の取り組みはさらに斬新であった。

今回の企画は、ABROADのAPIを用いる、それだけの縛りで、アーティストたちにウェブサイトを制作してもらおうというもの。商売っ気たっぷりのリクルートの旅行商品データベースを用いて、自由に遊んでもらおうというのだ。

というわけで、同じくMedia Lab.の川崎さんのTwitterで当日ご案内をいただき、作品をちゃんとみたわけでもなく、とりあえずのぞきに行ったというのが正直なところ。

しかしAPIとかマッシュアップというときに、実用性を無視して、「面白いじゃん」ってことを追求するとどうなるのか、しかもそれをアーティストたちにやらせるとどうなるのかがよくわかり、非常に刺激的なイベントだった。

特に過激だなと思ったのが、HACK THE EARTHという作品。プラグを地球上の都市に差し込むと、制作に加わった三人の提供する音源がながれ、それらを組み合わせて自分の「トリップミュージック」」を奏でることができるというもの。音色はいつも同じではなく、それぞれの都市のその日の気温や為替などのデータによって、微妙に変化するそうだ。ABROADのデータベースは、気に入った都市のところでMore infoが出てくるという。旅行する云々の前に、感じる音が出るかどうかが先にあって、もし感じるものがあったら、旅に出ようと。普通の人はそういう発想はしないと思うのだが、なかなかおもしろかった。

割と穏当だと思ったのは旅日記ジェネレータ


from shinyai

自分の名前を入れると、どこかに旅に行ったという想定で、ブログ風の旅日記が生成されるというもの。生成されるブログの中で使われる写真は、それぞれの都市などに関連するものをFlickrから引いているそうだ。僕のは以下のようになった。

でもこれも考えてみると、旅行商品に誘導する要素はあまりない。アーティストが自由に考えたんだなあという作品ばかりであった。

(特に日本の)ウェブの世界に欠けているのはこうした、「役立つのかどうかわからないけど面白いよね」、っていう要素や、あるいはさらにいうと、それをABROADのようなガチガチに商売のデータベースとつなぎあわせるような、「かすがい」の部分なのだと思う。たぶんこのプロジェクトがすぐに果実を生み出すわけではないのだが、こうした事情を見越した上で、先行投資をするというリクルートは、なかなかやるなあという気持ちになった。

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