先週の金曜日5日の夜に、MIAUの法人化記念パーティが行われたので、参加してきた。会場があふれかえるほどの参加者がいた。個人的にも、いろいろな方とお話しできて、非常に楽しかった。
from shinyai
以下に見るような池田先生の動きがあることは、会場でちらっと噂話で教えてもらったのだが、その後その通り事態は進展した。結局、公文先生が後見人を辞退することで、事態は収束したようだが、会合それ自体よりも、このゴタゴタのほうがやたらと話題になってしまったのは残念であった。
が一方で、今回の一件は、MIAUが置かれている立場を象徴していたのかもしれないという気がする。MIAUのメンバーはとにかく若く、白田先生が前線から退かれたことにより、さらに若さが際立った。もともとこの組織の活動自体が、企業団体からの支援に頼りにくい性格のものであり、メンバーの若さはこの困難をさらに増加させているように思う。若手メンバー一人一人は、非常に優秀で行動力があるにも関わらず、である。そこで重鎮の力を借り、代表者や後見人としていろいろ発言してもらえれば、MIAUの発言への信頼性や注目度もいろいろ高まるのではないか。たしかにそのように考えても不思議ではないし、セオリーにかなっていたように思う。しかしそこに「地雷」があったわけだ。
公文先生の後見人辞退により、MIAUはまた、もとの若いメンバーを中心に、活動をつづけていくことになるだろう。すなわち、元の困難はゴタゴタが去った後、そのまま残ってしまったことになる。
ここでMIAUは、先進ユーザたちが集う「場」としての立場に、もう少し力点をおいたらどうかと、僕は勝手に考えている。
MIAUのような社会派の活動と、ビジネスや技術系の人たちとの接点は、なくはないのだけれども少ない。それはつまり「社会派」という色がつくことによって、なんとなく近寄りがたい雰囲気を人々が感じているからではないか。近寄りがたいというか、安易に参加してはいけないというか。なんとなくただよっている、ネットユーザたちの冷やかな反応にも、同じ根があるように感じる。
そこで僕は、MIAUはいきなりEFFなみのこわもてを目指すのではなくて、もう少しいろいろな層、たとえばソーシャルなサービスを提供している企業や個人なども、参加したりプレゼンしたり協賛したりできるような、もう少し緩やかな「場」も提供してみたらどうかと考えた。MIAUがとりあげるような問題が、技術によって解決されることはある。もしそういう技術を持っている企業が、その技術を「先進ユーザ」に紹介できる機会があるとするならば、紹介する企業などにとってもメリットはある。MIAUが想定する「先進ユーザ」というのは、いろいろ詳しいがゆえに、あまり詳しくない制度設計者に対して意見をいうわけだが、そもそも「先進ユーザ」=「アーリーアダプタ」であるならば、新しい技術が既存の問題を解消してくれるとき、それをいち早く評価し、社会に紹介するのもまた、「先進ユーザ」であるはずだ。
当初そのような利害関係からスタートしても、意見交換や情報提供を続けていけば、いずれ先進ユーザと関連企業との連帯の可能性が見えてくるのかもしれないし、そうならなくても、とにかく「先進ユーザ」たちの集まる場を支援するというニュアンスであれば、企業もお金は出しやすいはずだ。個人にとっても、会員になる敷居は下がる。「社会派」としての色合いを出しすぎれば、支援は得にくくなるだろうが、お金のために「社会派」の看板を下ろす必要はなく、両者のトレードオフの中で適切な落とし所を探すということでいいだろう。
そういうことをすると、本来の趣旨を離れていくという懸念があるだろう。とくに高い志で1年前にMIAUを発足させたメンバーからすると、大幅な後退に見えるかもしれない。
でも「先進ユーザ」の会を作ったのであるから、「先進ユーザ」が妙な先入観を持たずに参加できることも、すごく大事なことだ。「先進ユーザ」には開発者、クリエータ、法律家、純粋なるユーザ、いろいろいるだろうが、それらを「先進ユーザ」というだけでつなげている団体は、まだ存在しない。そういうさまざまな関係者が集まる稀有な「場」としてのMIAUという意味も高めつつ、企業・個人その他からの資金的な支援も得て、「先進ユーザ」の意見を集約して主張する集団として成長していく。そういうやや迂遠な方法が、実は現実的なのではないか。あくまでも外野ではあるけれども、このところ何度かMIAUのメンバーと接する機会があり、そんな感想を持った。
ネットは核技術と同じくらい危ない分野
一戸 信哉氏が、MIAUは「社会派」的な色を薄めた方がよいのではないか?という提案をされている。 ICHINOHE Blog: 「先進ユーザ」が集う「場」としてのMIAU MIAUのような社会派の活動と、ビジネスや技術系の人たちとの接点は、なくはないのだけれども少ない。それはつまり「…