大学学部の共同設置が可能に…文科省が改正案を提出へ


大学関係、とりわけ中小大学の関係者だけが、関心を持ちそうな話題。複数の大学が共同で、学部や大学院を設置できるようになるようだ。

リンク: FujiSankei Business i. 総合/大学学部の共同設置が可能に…文科省が改正案を提出へ.

文部科学省は13日、国公私立を問わず、複数の大学が共同して学部や大学院研究科を設置できるようにするため、来年の通常国会に学校教育法改正案を提出する方針を決めた。

 少子化で大学間の生き残り競争が厳しくなる中、「共同設置学部」などが可能になれば単独での学部新設よりも費用負担を軽減でき、小規模な地方の大学でも先端科学領域の研究に取り組めるメリットがある。

費用負担は軽減できると思うが、収入増加にどこまでつながるかとか、労働強化で教員が「反乱」を起こすとか、そこまでは記事には書かれていない。

大学で仕事をしていると、何か新しいことを始めることに反対する理由として、「今のうちの規模じゃ無理だ」というフレーズを、本当によく耳にする。だいたいの場合、我々は現状こういう『規模』なので、計算するとこういう風に無理なんです、という説明はなくて、「いうまでもないことで、議論するまでもないでしょ。」という空気になる。そうなったら最後、説得はほとんど不可能で、多くの場合その提案自体を将来計画を含めるかどうかまで議論されることもなく、闇に葬られてしまう。

企業でも同じようなことはあり、大学のほうが、議論の仕方がより雑だというだけかもしれない。

今まで新学部、新研究科の設置をあきらめてきた大学が、今回の方針を受けてどう動くか、動けるか。その点は、新学部・新研究科構想を、棚上げにしたけど将来構想として暖めていたのか、あきらめてしまってその後検討課題からも消えてしまっていたのか、それぞれの大学のこれまでの取り組み方にもかかわってきそうだ。

2 件のコメント

  • きちんとした計算をせず,徒に反対するというのもどうかとは思うけれど,きちんとした計算をせぬまま新規事業を始めて,結果として借金の山を築き,大学を破綻させるなんてのは,やはり,公的責任という点から言って問題なのではないだろうか?大学が新規事業を始めるのであれば,補助金なり,寄付なり,企業からの支援なりで,充分な資金を確保すべきだと,個人的には思う。

  • コメントありがとうございます。
    公的責任という意味でも、決定プロセスを可視化することが大事なんでしょうね。
    「議事録ドリブン」という考え方は、議事録をプロジェクタに投影して、みんなで議事録の作成過程を透明化しながらやるんだそうです。無駄な不規則発言は減るだろうなあとは思ったのですが、考えてみたらそれ以上の効果がありそうです。
    大きな方針決定も、大きな方針の中の小さな決定も、目の前で作成される議事録を見ながら行われるので、(コンセンサスという名の下に)大きな声の人の意見に引きずられてなんとなく行われるのではなく、少数意見も記録に残した上で、全体で合意を形成できるってことなんだろうと思います。
    さらにその議事録を電子化して、検索可能にすれば、「言った言わない」式の余計な紛争もかなり回避できそうですね。議事録にないことは「言ってない」とみなしてもいいならばですけど。

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