Web2.0に戸惑う大企業(1)――勉強の時間は終わった【コラム】�インターネット-最新ニュース:IT-PLUS


今年一年、新任地敬和学園大学のゼミで、梅田望夫さんの『Web進化論』からはじまって、「Web2.0」関連の文献を読んだり、サービスを利用するという活動をしてきた。残念ながら学生たちは、「結局Web2.0って何なの?」っていう漠然とした疑問からなかなか外に出てくれなかったように感じている。

実は日本のあちこちで、同じような現象が起きていたということなのだろうか?

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 日本で行われる勉強会などでは、ネットビジネスの現状を「Web2.0」というキャッチフレーズをもとに議論す
るから混乱を招いている。しかしSummitで主に議論されたのは、「2.0」という名前を冠しているものの、現状認識や将来像などではなく、実際のサー
ビスのあり方とその方法論である。そして、そこから見えるインターネットの世界は明らかで、もはや後戻りすることはないだろう。

 例えば、今後ユーザーは自らが参加できない、あるいは気軽に情報発信できないようなサービスに満足することはないし、ロングテール現象がなくなることも考えられない。

 大企業がネットビジネスを行う、あるいは現状のネットビジネスを変化させる際、生産性や効率性、自社の既存のビ
ジネスへの付加価値、あるいは株価への影響を考えるのは当然のことだろう。しかし、「Web2.0」を取り巻く現状もその将来像も明らかであり、後戻りで
きない以上、思考の順序が逆なのではないかと思ってしまう。

 極論すれば、まず、インターネット、あるいはインターネットの進化の方向性に適応していくことを第一に考え、次
に、そうした変化に対応しつつ、生産性や効率性を向上させることができるのかを検討するといった手順が順当なのではなかろうか。試験的にでも現在のイン
ターネットビジネスに取り組むこと、そしてどのような形であれ、バーチャルな世界での存在感を示すことの方が重要と思えてならない。

 「勉強」ばかりに執着し、現在のビジネス、あるいはインターネットの進化に適応しようとしない企業が、次の進化を迎えたときにできることは限られているだろう。

「Web2.0」型サービスのビジネスとしての成否はどうあれ、インターネット上でのこの流れ自体は止められないんだから、その上でどう対処すべきかを考えるしかない、という指摘だ。

おそらく「どう対処すべきか」からスタートできるのは、「Web2.0」と称される現象を、ある程度(感覚的にであれ)理解している人だけなんじゃないかと思う。あまりよく分かってない「エラい人」はもちろん、ネット体験自体が乏しかった今年のゼミ生たちも、結局のところ、まず定義としての「Web2.0」から入って理解しようとするのだろう。エラいビジネスパーソンの場合は、「生産性や効率性、自社の既存のビ
ジネスへの付加価値、あるいは株価への影響」といった点で、明るい見通しが立たないと、態度がシュリンクしてしまう。学生たちの場合は、「参加」の経験やモチベーションが乏しかった。今年はその動機付けに最後まで苦しんだ1年間だった。

高校生の(携帯以外の)ネット経験は相当に貧弱なようだ。情報科目を適当に扱ったせいかもしれないし、「ネットは危険」という認識で、子供たちを過度にネットから遠ざけたせいかもしれない。その上で、「どう対処すべきか」からスタートできる大学生を育てるのは、これからも相当骨の折れる仕事になるような予感がする。

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