大学関係者が2ちゃんねるから学ぶべきこと


「2ちゃんねる閉鎖」の話は、ちゃんとフォローアップしてないのだが、池田信夫氏の記事はなかなか読ませる内容で、コメント欄の議論も面白い。

リンク: 池田信夫 blog ビジネスマンが2ちゃんねるから学ぶべきこと.

自由度を上げると、ノイズも大きくなるが、LinuxやWikipediaのように母集団が大きくなれば、フィードバックも大きくなる。
「みんなの意見は正しい」とは限らないが、「集団の知恵」でノイズを事後的に修正することも可能になる。この場合に重要なのは、間違いをおかさないことで
はなく、ちょっとぐらい間違えてもシステム全体に影響が及ばないよう冗長性をもたせ、過渡的な間違いは許容することだ。それがインターネットのbest
effortの思想である。

日本の企業が情報産業で失敗するのは、この点を理解していないからだ。製造業では、欠陥車で人が死んだらあとで直しますというわけには行かないので、事前
に品質管理をしなければならないが、情報の世界では間違いを事後的に修正するしくみさえしっかりしていればよい。ところが個人情報保護法をめぐる騒動をみ
ればわかるように、日本の企業は(政府やメディアも)一つの間違いも許さないという製造業のカルチャーがいつまでも抜けない。

大学経営の世界はもっとひどくて、「一つも間違いを起こさなければ、何も生み出さなくてもいい」、なのかもしれない。大学教育で失敗すると学生や父兄から苦情が出る可能性があるけれど、欠陥車で人が死ぬ場合に比べたら、可能性はずっと少ない。しかしチャレンジしない。

僕が渡り歩いている(?)地方私大というのは、学生の地元志向に胡坐をかいて経営してきたところが多分にあって、「あんなレベルの学校に行ったってダメだ」という評判よりも、「あそこだったら家から通えるから進学してよい」という現実、に頼ってきたわけだ。したがってネガティブファクターである前者の源泉となるようなCGM的な世界は、できることなら触りたくない、という気分になるのかもしれない。
でも、「高校生も今はインターネットで進学先を探しますから」という、進学サイトの営業マンの声は鵜呑みにしてしまう。管理されたクローズドな世界で、金さえ払えばそこそこのアクセスが保障される(気がする)のだが、ほんとにそこの情報を高校生は信用しているのだろうか。高校生の目線で行くなら、ほんとは、モバゲータウンを研究しないとダメなんじゃないのだろうか?

2 件のコメント

  • 高校生に会うたびに、「モバゲータウン使ってる?」って聞くんだけど、「使ってる」という声がほとんど聞こえてこない。どういう人が使ってるんだろう? (僕が会う高校生の方が変である可能性が高いけど)

  • コンピュータを使う生徒はたぶんモバゲーは利用しないんでしょうね。携帯のみの「ヘビーユーザ」ってことですね。
    案外使ってるのは、「学校の成績がいい子」なんじゃないかと思っています。

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