Support Meの文化


怒涛の出張月間が終わった。7月中旬にネパール、下旬に台湾を訪問してきた。いつもながら新しい発見や出会いに恵まれたと思うが、いろんな仕事が滞ってしまう。一身上のことも棚上げのまま。

ネパール訪問は、王制が終焉して初めて。カトマンズの人々の表情には、以前よりも明るさが感じられるような気がした。

今回の目的であったICTカンファレンスは、意外にもネパール社会、というかネパールの人々の中にある病巣をはっきりと見せてくれた。たぶん、僕が今まで気がついていなかったものかもしれない。僕らはネパールで、それをSupport Meの文化と呼ぶことにした。

たしかにネパールには、政府にも民間にも、お金はない。なんでもかんでも援助頼みになってしまうのもよくわかる。しかし、今回のオープンソースの話をどれだけの人が理解し、低コストで参画することの意義を理解したのだろうか。いつまでも、知的財産権を無視した社会構造を維持するつもりなのだろうか。結局カンファレンスの最後は、ネパール政府への不満が出て、政府高官をつるしあげて、みんなが拍手喝采して、終了した。最後まで自助努力の大切さを説く声はかき消された。

ヒマラヤは美しい。水資源は豊富だ。人々の心は温かく、カトマンズの人に会っていても、なんとなく日本だと村から出てきた人と話しているような、心温まる雰囲気を感じる。しかし、だからこそ(?)、人々は単純化された政治の議論にいつまでも巻き込まれたままで、そこで思考停止しているように感じられた。

とはいいながら、そういう思考停止した雰囲気は、日本の大学の空気にどこか似ているような気もした。

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