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Experience Melaka Heritage City

マラッカを紹介する「Experience Melaka Heritage City」

マレーシア政府観光局によるYoutubeチャンネル「Truly Asia TV」による、マラッカ紹介ビデオ。個人的には、2015年滞在時に何度も訪れた、懐かしい風景がたくさん出てくる。旧市街の昔からのショップハウスを利用したゲストハウス、Jonker Streetのランドマークともなっているカフェ「Geographer Cafe」、ニョニャ料理の名店Nancy’s Kitchen (2015年に自分が滞在している間に移転した)などが出てくる。

The better beer festival 2017

クアラルンプールでクラフトビールイベントが中止に:マレーシアにおける「不寛容」の現れ方

2017年10月、マレーシア・クアラルンプールで予定されていた「ビール祭り」が、中止になったというニュースが流れてきました。

純粋なイスラム国家を目指す野党・全マレーシア・イスラム党(PAS)が最近、「世界からクアラルンプールがアジア最大のみだらな中心地と見なされる状況をこれ以上放置できない」と中止への圧力を強めていた。

日本語の記事では触れられていませんが、このイベントは、「The Better Beer Festival」のことです。2012年に小さくスタートしたこのイベントですが、今年は日本を含む世界各国の43のブルワリーから250種類のビールが出品される予定とアナウンスされていました。

日本からは「よなよなビール」で知られるヤッホーブルーイングが、参加予定だったようです。

The Better Beer Festival 2017

Better Beer Festival, Malaysia’s Biggest Craft Beer Event, Back In October

クラフトビールイベントは、日本でも全国各地で開催され、この数年でかなり規模を拡大しています。もちろんアルコールのイベントを開催すれば、酔っ払った来場者がある程度出てきてしまうのはやむをえないところ。筆者の暮らす新潟県でも、毎年3月に「にいがた酒の陣」という日本酒のイベントが行われます。普段コンベンションセンターとして使われている大ホールで、多くの人たちが日本酒を楽しんでいるのですが、終盤にはホールの床に座り込み、横になる人の姿も見られます。

新潟淡麗 にいがた酒の陣2017

「にいがた酒の陣」は、「コンベンションセンターで酔っ払う」という意味では「異例」ですが、いちおう酔っぱらいだけをホールに封じ込めている形になるので、通りがかった人の気分を害することはほとんどありません。しかしビールイベントの場合には、開放空間が好まれ、それゆえに通りがかった人で、「酔っぱらい」を見て不快になる人もいるかもしれません。埼玉県で行われている、「けやきひろばビール祭り」は、屋外部分でビールを飲む形になっているようです(行ったことがないので違っていたらごめんなさい)し、新潟市内で行われている「新潟クラフトビールの陣」も、アーケード街で行われていますから、いずれも、「酔っぱらい」の姿は目に触れることになりそうです。

日本でもこうした懸念がないわけではないのですが、そもそも日本人は公の場所での飲酒に大らかだと言っていいでしょう。特に夏に屋外で、それも札幌大通公園のように開放的な空間で、ビールを飲むのは、風物詩として受け入れられています(少なくとも、批判的な世論が湧き上がってはいません)。

マレーシアの場合、イスラム教徒の保守的な勢力の声が、時に高まり、アルコールに対する強い拒否反応が出てきます。マレーシアの中でも、地方、とりわけマレー半島東海岸の地域は保守的とされていて、以前泊まったクアンタンのホテルでは、レストランの中でも屋内ではアルコールを提供できないと言われたことがあります。他の地方でも、たとえばマラッカ州では、イスラム教徒の多い地域ではコンビニでのアルコール販売を禁止しようという動きが出てくることがあります。

マラッカ州、マレー住民多数エリアでの酒類販売禁止へ | マレーシアニュース | マレーシアナビ!

スーパーでも、アルコールの販売にイスラム教徒が関わらないよう、豚肉を販売する「ノンハラル」コーナーの隣に売り場が置かれていたり、その売場も早い時間に閉店したり、しかし、ビールだけは例外で、通常のレジで会計ができたり、地域やお店によって、配慮の仕方が少しずつ違いました。

首都クアラルンプールはこうした地域差の中では、もっとも大らかで、街中のひと目につくところで、アルコールを飲んでいる人を割と見かけましたが、やはり「保守派」の人達からすると、眉をひそめる状況だったということでしょう。今回の会場は、The Square Publikaという、ショッピングモールに付属する屋外イベント会場のようなので、イスラム教徒の目にもつきやすいというのはたしかでしょう。

マレーシアなりの「不寛容」さが時に今回のように強くあらわれ、非ムスリムは我慢を強いられます。せっかく盛り上がってきた「クラフトビール文化」が、こうして座礁してしまうのは、おそらく主催者としてはとても残念だろうと思いますが、盛り上がってきて、6000人もの参加が見込めるイベントになったからこそ、反発も生まれたということなのだと思います。

社会の「不寛容さ」の現れ方は、国・地域によってさまざま。マレーシアは、マレー系、中国系、インド系を中心とする「多民族共存」の中で、互いの不満がときに強く現れます。アルコールを扱うような、許容可能な「ぎりぎり」の部分の仕事をする人たちは、非常に気を使うと思います。イスラム教徒優位の中で「多様性」をどう保証していくのか、マレーシアの人たちが時に直面するこうした課題は、日本の「多様性」問題とは前提が違う部分もある一方、私たちにも「多様性」や「寛容」のあり方について、示唆を与えているようにも感じます。

(Yahoo!ニュース個人掲載記事を転載)

オッチャホイの原型「Char Kway Teow」を作る、Nyonya Cookingの動画

新発田シンガポール食堂の名物「オッチャホイ」。昨年マレーシアでも、似たものを食べていたけれども、結局「オッチャホイ」なるものに巡りあうことはなかった。ほぼ似たような料理がチャークイティオ、Char Kway Teow。この料理を持ち帰ったのが「オッチャホイ」になったのだろう。

マレーシアの料理動画、とりわけニョニャ料理の動画を積極的に公開している、Nyonya Cookingというチャンネルが、このChar Kway Teowの料理動画を公開している。撮影はEOS 70D。

Breakfast, lunch, dinner or supper, I would have Char Kuey Teow especially when it is in Penang! Everybody loves a plate of smoky hot Penang Char Kuey Teow, who doesn’t! When I first started cooking this dish, I did not manage to get it look like CKT at all. Too soggy, too hard, not smoky. It looks simple but those guys at the hawker stall sure had their tricks. So, this is the simplest CKT you can get and just in case you want to drop comments like:
– Where is the lard?!?!?!
– Give me the blood cockles!!!!
– What about preserved cabbage?!?!
Just remember that you can feel free to add them all if that is what you prefer or if it is accessible! It definitely makes the plate of CKT more flavourful! Good luck with you plate of CKT. Remember, one plate at a time 😉

If you love Nyonya Cooking videos, SHARE the links with your friends and family! #nyonyatv #nyonyauploads

You may want to watch:
Cili Boh: https://www.youtube.com/watch?v=UB4N6gbTKhY

Full recipe on Nyonya Cooking:
https://nyonyacooking.com/char-kway-teow

Ingredients (for 2):
Rice noodles
Chinese chives
Bean sprouts
Chinese sausage
Egg
1 Garlic clove
2Tbsp Oil
Fish cakes
1Tbsp Cili Boh
6 Prawns
1Tbsp Dark Soy Sauce
2Tbsp Light Soy Sauce
1/2Tbsp Fish Sauce
1/2tsp Pepper
1/2Tbsp Oyster Sauce
1tsp Sugar

Camera:
Canon EOS 70D http://amzn.to/1o4u11h

Lens:
Canon EF 50mm f/1.4 http://amzn.to/1MA42Fu
Sigma 17-50mm f/2.8 http://amzn.to/1VAsmy5

Microphone:
Rode VideoMic Pro http://amzn.to/1MA4mE4
Edutige Lavalier ETM-006 http://amzn.to/1Uio9Af

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———————————

出演しているGrace Taoさんは、以前旅行の映像を多く公開していて、これも非常に良く出来ていた。マラッカやクアラルンプールを紹介する動画は、昨年渡航する前によく見ていた。

Horray! Malacca! Whenever there is a malaysia tourism campaign, Melaka or Malacca is a well known destination. Need some tips on Melaka food? This video “Moments in Melaka: Historical City (Malacca) Travel Guide” will show you more! It was a short trip with the aim to visit relatives during Chinese New Year. Of course, I cannot miss the opportunity to take a walk in this town and gobble the delicious food in Malacca.

More in my blog: http://www.gracemoments.com/the-historical-city-of-malaysia-malacca/

Watch the other episodes in the links below:

Singapore: http://www.youtube.com/watch?v=fOA9F-Xiotk
Seoul: http://www.youtube.com/watch?v=cqmeN58sLM4
Melaka (Malacca): http://www.youtube.com/watch?v=wmXWdI2p200
Kuala Lumpur: http://www.youtube.com/watch?v=luwSC8fwJdw

Places featured in the video:

Dutch Stadthuys at the Red Square
Portuguese fortress at A’Famosa
St. Paul’s Church on St. Paul’s hill
Father Francis Xavier statue
Jonker Street (Jalan Hang Jebat)
Datuk Wira Dr. Gan Boon Leong statue (Mr. Melaka)
Cheng Hoong Teng Temple

All music content is available for commercial use. Licenses are as follows:

“Whispering Through” by Asura
http://freemusicarchive.org/music/Asura/Bonus_Beat_Blast_2011/09_asura-whispering_through

“Our Ego” by Broke for Free
http://freemusicarchive.org/music/Broke_For_Free/Slam_Funk/Broke_For_Free_-_Slam_Funk_-_12_Our_Ego_-Feat_Different_Visitor-

Camera:
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Lens:
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マラッカの魅力を手堅くまとめたExpediaの映像「Melaka Historical City – City Video Guide」

旅行サイトのExpediaのYoutubeアカウントには、世界各国の観光地のガイド映像が掲載されている。大ヒットするようなおもしろ映像が撮れているわけではないのだが、どれも観光地の特徴をとらえた映像と説明で手堅くまとめており、学生の映像制作を指導する立場から見ても、大変参考になる。

以下はマラッカの映像で、「穴場」は出てこないけれども、スタダイス、セントポール教会、マラッカ側、ジョンカーストリートなど、典型的な場所をきちんとつないでいて、落ち着いてみることができる。

マレーシアの他の都市の映像も見てみたけれども、Google Earthから入るやり方など、ある程度フォーマットができていて、量産されているという印象だ。

Prepare to walk back through the centuries on your visit to Melaka Historical City, located on the west coast of Peninsular Malaysia.

A Melaka Historical City tour will take you back through centuries of different rulers. Always a busy trading hub, Melaka Historical City has been ruled by the Portuguese, the Dutch, and the English over the last several hundred years. Each empire left its own stamp on the city, from architectural styles to cuisine. Spend an afternoon exploring the ruins of A Famosa, a fort that at one time was an emblem of Portuguese power. On the same day, spend the evening in the shadow of colorful Dutch buildings, some of which date back to the 1650s.

No matter what else you do during your Melaka Historical City sightseeing, don’t miss out on the Jonker Walk. This tour encompasses Jonker Street and the area around it, and includes the Cheng Hoon Teng Temple, a 17th-century structure believed to be the oldest Buddhist temple in the country. Additionally, if you’re visiting on a Friday or Saturday evening, the Jonker Walk Night Market is the perfect place to score a bargain on local food and artwork, as well as watch talented street performers.

What was your favorite part of Melaka Historical City?

Visit our Melaka Historical City travel page for more information or to plan your next vacation!

がんばりすぎるマレーシアのガードマンの動画

マレーシアのコンドミニアムには、24時間常駐のガードマンがいて、「セキュリティも万全」というのをウリにしていることが多い。マラッカのように、一戸建てやリンクハウスが結構ある場合でも、新しく開発されたエリアでは、区画内に車で入るためにあらかじめ登録するか、居住者から許可証を発行してもらう仕組みになっているところがあった。一度大学の同僚の家におじゃました際には、居住者本人にかけあってもらったがダメだった。

こうしたガードマンが犯罪者と通じていて、彼らが強盗を敷地内に手引きするケースもあると、「安全情報」などには書かれていて、それだけ彼らが信用できるかどうかは安心して暮らせるかどうかの重要な基準となる。ただその一方で、ガードマンたちもまた、マレーシア特有の緩やかさの中で暮らしているわけで、あまりに厳格にルールを適用すると、滑稽な現象が起きる。

この動画は、最初の勤務日に、杓子定規にルールを適用してしまうガードマンのコント。

たしかにマレーシアの「撮影禁止」は、あまりまじめに取り締まられていないし、逆にルールの妥当性もあまり検討されていないような気がする。にもかかわらず、ルールを厳格に適用すると、何が起こるか、というもの。

おそらく英語がわからなくても、何をやっているのかはだいたいわかると思う。

マレーシア、首相の公金不正疑惑を追及する「サラワクレポート」をブロック

マレーシアナジブ首相の公金不正疑惑について、この問題を追及してきた告発サイト「サラワクレポート」へのアクセスを、マレーシアの通信マルチメディア委員会がブロックしました。政府系金融機関の多額の資金が、ナジブ首相の個人口座に振り込まれたというもので、サラワクレポートに加えて、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたことにより、国際的にも大きなニュースとなり、日本でも報じられるに至りました。

マレーシアの通信マルチメディア委員会は、昨日、国家の安定を乱す行為があったとして、サラワクレポートへのアクセスをマレーシア国内でブロックしています。サラワクレポートは、「サラワク」と、東マレーシアの地名を使っていますが、ロンドンに拠点を置く告発サイトで、ナジブ首相のこの疑惑を追及し続けています。政権トップの不正を告発するサイトをブロックするというのは、よっぽどのことで、それだけ影響が広まることを恐れているとも言えます。

Sarawak Report

昨日このサイトへのアクセスがブロックされたと、マレーシアの各ニュースサイトが報じ、今日はガーディアンなど海外メディアにもニュースが出ています(日本のメディアには出ていないようです)。

Sarawak Report whistleblowing website blocked by Malaysia after PM allegations | World news | The Guardian

サラワクレポートのFacebookページでもこの状況を確認しています。すでにサラワクレポートからの情報は、他のニュースメディアにもフォローされ、確認済みであり、通信マルチメディア委員会は、サラワクレポートからの更なる情報提供を恐れているのではないかとしています。

Sarawak Report – Sarawak Report has learnt that the so-called…

マレーシアのウェブサイトへのブロッキングは、ISPを通じて行われており、海外アダルトサイトのいくつかは、常時ブロックされています。ブロックされたサイトにアクセスしようとすると、「MAKLUMAN(警告)」と書かれたページが表示されます。
ブロックといっても、DNSサーバの設定によるものなので、プロキシサーバを利用したり、DNSサーバの設定を変えるだけで簡単に回避できるので、あまり深刻な問題とは認識されていないように感じます。アダルトコンテンツには厳しい国柄ということもあるのでしょう。

アダルトの規制が入り口となって、権力を監視する言論にも規制の手が伸びてくる、とよくいわれます。今回のマレーシア政府の措置は、首相の疑惑に関わる情報を提供するサイトに対して、不確実な情報を振りまいているとして規制するもので、アダルトサイトへの規制と同じ仕組みが、政権トップを批判するサイトに適用されたことになります。これに対しては、すでに弁護士などから批判が出始めています。

Art Harun: Sarawak Report ban is laughable and tragic | Free Malaysia Today

閣僚の一人、農業・農業関連産業大臣イスマイル・サブリ氏は、「マレーシア憲法は表現の自由を保障しているが、名誉毀損、扇動、事実の改ざんや国家への反逆は認められない」として、さらに法的措置をとることを支持しています。

Sarawak Report block: MCMC can stop spread of malicious propaganda | Astro Awani

この記事を書いている間に、サラワクポストへのアクセスが回復したと、The Starが報じました。これで自体は一旦収束すると思いますが、今後の議論にも注目したいと思います。

Sarawak Report accessible again – Nation | The Star Online

(Yahoo!ニュース個人掲載記事を転載)

Gemas War Memorial

日本人の忘れた戦地:グマス近くSungai Kelamahの記念碑

マレーシア南部の交通の要衝グマスをめぐる戦いについて、マレーシアに来る前の自分は、何も知らなかった。マレー侵攻作戦についても、あまり詳しいことはしらなかったというのが正直なところだ。マレー半島を南下して、シンガポールを陥落させた頃は、日本軍も日本国民も「まだまだいける」と戦意が高かったという印象がある程度だ。

グマスの戦いについては、日本語ウェブにもあまり情報がない。戦記物の本から転載したのかなあという文章で、「マレー侵攻作戦」についてのウェブサイトがいくつかあり、グマスのことがちょっと出てくることはあるが、非常に短くでている程度。

Youtubeに、1971年放映のアニメンタリー「決断」の「マレー突進作戦」の回があったので、見てみたが、ここでもグマスの話は出てこない。

アニメンタリー 決断 – Wikipedia

マレー侵攻は、日本海軍が英国海軍を破って制海権を握り、ジョホールバルからシンガポールを陥落させて、最終的に英国を降伏させるというあたりが(日本人にとっての)クライマックス。途中で苦戦したグマスの話は、端折られがちな情報なのだろう。

しかし英語版のウィキペディアには、グマスの項目のところに、日本とオーストラリアの戦いについて書かれているし、Battle of Gemasという項目もある。調べてみると、この戦いをめぐる戦跡に、記念碑(慰霊碑?)が建っているという。

Gemas – Wikipedia, the free encyclopedia

Battle of Gemas – Wikipedia, the free encyclopedia

グマス駅前で検索してみると、グマスの戦いの跡は、グマスから11キロ離れたSungai Kelamahというところにあり、ナビアプリで戦跡は出てこなかったが、この集落のモスクが出てきた。マラッカからグマス駅に向かう途中で、通り過ぎてきたらしい。戻って探してみることにした。

走ってみると、Sungai Kelamahの表示のあたりで、幹線沿いに記念碑のようなものが見つかった。行ってみると入り口に鍵がかかっていたが、横から入っていけるようになっていた。

Kelamah River War Memorial

元日本軍の関係者も、ここを訪れるとウェブにはあったが、記念碑には、オーストラリア軍視点で記述がなされていた。1942年1月14−15日の2日間、日本軍のグマスへの進軍を防ぐべく、オーストラリア軍が激しい攻撃をしかけた。

Kelamah River War Memorial

Kelamah River War Memorial

マレーシア(あるいは州?)が用意した多言語で説明文の書かれた碑に、かろうじて日本語が書かれているが、内容は要領を得ない。

Kelamah River War Memorial

記念碑の奥には、川に降りていくことができる階段があり、そこには橋の跡のようなものが残っている。この橋のところで、オーストラリア軍が日本軍を待ち伏せしていて、橋を爆破、奇襲攻撃をしかけたという。この残骸はそのとき爆破された橋なのだろうか。

Kelamah River War Memorial

Kelamah River War Memorial

Kelamah River War Memorial

Kelamah River War Memorial

爆破された橋はGemencheh Bridgeといわれている。今の地名と一致しないが、その関係はよくわからない。帰りに通った隣町の名前がGemenchehであった。

Wikipediaでは、グマスの戦いでの日本側の犠牲者(死傷者)は1000、オーストラリア側は81と、日本側の犠牲が大きかったとある。現場には川の中に入って両軍入り乱れて戦っている様子が、絵に書かれている。

Kelamah River War Memorial

この状態で1000人もの日本兵が死傷したということか。もちろん話が端折られるぐらいなので、その後日本軍は序盤の苦戦を挽回、最終的にオーストラリア軍を破り、ジョホールバルへ進軍している。

オーストラリアは、マレーシアへの観光客も多いところで、自分もマレーシアにいる間に一度オーストラリアに行きたいと思っていた。だが調べてみると、マレーシアからの所要時間は、日本までとあまり変わらない。母国を遠く離れた、日本とオーストラリアの人々が、マレーシアの川の上で戦いを繰り広げたということになる。

日本を遠く離れ、故郷を思いながら亡くなった兵士は無数にいる。南方の島々のジャングルをさまよった兵士も多い。それに比べると、グマスでの戦いには、そこまでの悲惨さはない。しかし多くの兵士が、(Wikipediaにある通り)ここですでに亡くなっているのだとすれば、それにもかかわらず、そのことが現代日本において、ほとんど顧みられないというのは、なんだかひどい話のように感じられた。

いやそれをいうなら、あっちにもこっちにも、たくさんの兵士が亡くなったにもかかわらず、顧みられていない場所はあるはずだ。さらにいえば、そうやって日本人が顧みるべき場所は、日本人が亡くなった場所だけなのかといわれれば、さらにその範囲は広がる。

ただ、原爆や空襲、その他日本国内で起きたさまざまな出来事は、今でも共有されていることは多いけれども、それに比べて、日本の外で起こった出来事については、圧倒的に語られることが少ない。日本軍のマレー侵攻後にマレーシアやシンガポールでどんなことがあったのかも、あまり知られていない。こちらにいる間に、できるかぎり学び、行けるところには行ってみたいと思っている。

(追記) 日本側の「犠牲者」というのは、1000 casualities、「死傷者」数であるので、表記を一部訂正しました(2017年9月26日)。

旧グマス駅

マレー鉄道が交わるGemas / グマス駅をたずねた

マレーシア南部、マラッカから数十キロの内陸部に、グマスという街がある。マラッカに来て車にのるようになり、初めて東海岸まで車で行った際、道中にやたらと出てきたGemas(最初は「ゲマス」と読んでいた)という表示が気になった。あとで調べてみたら、第二次世界大戦で、日本とオーストラリアが激戦を繰り広げた場所であった。

ハリラヤ休暇の今、混雑を避けて、あまり人が集まっていないだろう(?)、グマスを訪ねてみた。

グマスはヌグリ・スンビラン州に属する小さな町で、人口は3万人弱。駅前の様子を見る限りは、これといった特徴はないのだが、東海岸と西海岸をそれぞれ縦断するマレー鉄道が合流して、ジョホールバルへ連なっていく「交通の要衝」といってよい場所だ。東海岸から来た人たちが、ここで一泊ということもあるのだろう(今でもあるのか?)、駅前には歴史を感じさせるホテルがあった。

グマス駅前旅館

マラッカは鉄道の路線から外れているので、特にそう感じるのかもしれないが、マレーシアは鉄道よりも車の利用率が高い。かつて多くの乗客を運んでいたマレー鉄道は、都市間の移動手段としての存在感は、あまり高いようには見えない。日本の小さな町でも、「駅前旅館」がどんどん消えていっているように、グマスの駅前ホテルもまた、歴史的な役割を終えようとしているように見えた。

グマス駅を訪ねてみると、人影がほとんどなく、薄汚れている。

旧グマス駅

ハリラヤ休暇だからか、売店もあいていない。マレー鉄道もあまり本数は多くないようなので、こんなもんかなあ、でもチケットカウンターに人もいない。ホームにはゴミが落ちている。

旧グマス駅

旧グマス駅

旧グマス駅

思いながらカメラを持って中に入って行くと、なんと線路がなくなっている。日本最北端で、線路が終わっている、稚内駅のようだ。なぜ?東西の路線が一度ホームに入り、後ろ向きに出ていって、ジョホールバルに向かうのか?

旧グマス駅

と思ってよく見たところ、向こう側に線路と新しい建物が。

実は駅舎と線路が新しいものに切り替わっていた。新しい駅舎は、特に特徴はない新しい建物。あとで、マラッカに一番近い駅タンピン駅(Pulau Sebang駅)にも行ってみたら、全く同じ構造の駅舎であった。

グマス駅

グマス駅

このグマスをめぐり、シンガポールを目指して南下する日本軍と、これを食い止めようとするオーストラリア軍が、激戦を繰り広げた。

実は日本語では、検索した程度では、あまり詳しい情報は出てこない。日本が快進撃を続けた「マレー侵攻作戦」の文脈で、グマスのことがちょっと出てくることもあるが、その程度だ。マレー侵攻は、日本海軍が英国海軍を破って制海権を握り、ジョホールバルからシンガポールを陥落させて、最終的に英国を降伏させるというあたりが(日本人にとっての)クライマックス。途中で苦戦したグマスの話は、ウェブではあまり情報が出てこない、端折られた情報なのだろう。しかし英語版のウィキペディアには、グマスの項目のところに、日本とオーストラリアの戦いについて書かれているし、Battle of Gemasという項目もある。調べてみると、この戦いをめぐる戦跡に、記念碑(慰霊碑?)が建っているという。

Gemas – Wikipedia, the free encyclopedia

Battle of Gemas – Wikipedia, the free encyclopedia

グマス駅前で検索してみると、グマスの戦いの跡は、グマスから11キロ離れたSungai Kelamahというところにあり、ナビアプリでは戦跡は出てこなかったが、この集落のモスクが出てきた。マラッカからグマス駅に向かう途中で、通り過ぎてきたらしい。戻って探してみることにした。

(長くなったので、戦跡訪問は別項目で)。

「マレーシアの秋葉原」での暴動を増幅したソーシャルメディア

Photo by Dustin Iskandar on Flickr]

今日からマレーシアは、ラマダン明けのハリラヤ休暇に入りました。イスラム教徒マレー人たちが、1ヶ月に渡る断食を終えて、国中がお祝いモードになっています。

ラマダン期間中に、マレーシアではナジブ首相の不正疑惑が高まり日本でも報道されるに至りましたが、これを打ち消しかねない勢いで問題になったのが、Plaza Low Yatでの騒ぎです。こちらは日本でほとんど報道されていなかったのですが、Record Chinaなど、いくつかのウェブメディアが翻訳した記事を出しています。マレーシア社会ならではのできごとではあるのですが、ネット世論と社会の調和、またソーシャルメディアの発信者に対する規制に関連して、紹介します。

今月11日、マレーシア人の青年がクアラルンプールの携帯電話販売店で窃盗を働き、発見した中国系の店員が取り押さえて警察に引き渡した。ところが同日の夜、マレーシア青年の仲間7人は店に訪れ、中国系の店員を襲い、店を荒らした。これを発見した中国系の青年グループは店員に加勢し、マレーシア青年のグループと乱闘となった。

マレーシアで中国系青年と地元グループが乱闘、「反中」広が…:レコードチャイナ

Plaza Low Yatはクアラルンプールの繁華街ブキビンタンにあるビルの名前で、マレーシアで「デジタル」「IT」といえばここ、「マレーシアの秋葉原」というようなところです。大小様々な携帯ショップ、PCショップが入居しています。このビルに入ったことはなくとも、クアラルンプールを訪れた日本の人の多くも、この近くを通っていると思います。

万引きで捕まった青年が、仲間を連れて報復に来たという話ですから、治安上の問題に発展するほどのことはなさそうなのですが、暴動に発展してしまいます。

翌12日にはマレーシアのネットで関連の書き込みが集中。「中国系住民が経営する携帯電話販売店がニセモノを販売」「中国系住民が先に手を出した」といった真偽が定かではないコメントが寄せられ、反中ムードが漂った。そして同日夜に数百人のマレーシア住民が店の近くの広場でデモを実施。警察の出動で広場から撤退したものの、暴徒化したデモ隊は当初の200人から500人の規模にまで拡大。付近を行進し、バイクのヘルメットで華字メディアの関係者などに危害を加えた。さらに自動車や公共物を破壊、暴動は10時間近く続いた。

マレーシアで中国系青年と地元グループが乱闘、「反中」広が…:レコードチャイナ

Plaza Low Yatの従業員は中華系ばかりというわけではないと思うのですが、マレー系の人たちには中華系にだまされた経験がある人も多いということなのでしょうか。どちらでもない私は、マレーシアでこうした電器店にいくと「値段は交渉するもの」という意識でいかなければならず、大変面倒でもあり、しかしがんばれば値段も下がるので「Best Priceをくれ」と必ず言おうとも思っています。そもそも電気製品は、店頭で動かして見せる習慣があるほど、売手と買手の信頼関係が乏しくもあり、みなさんさまざまな経験をしているということなのでしょう。「ニセモノを販売した」という話はデマだったにもかかわらず、これに抗議するマレー系の人たちが集まり、暴動に発展したというわけです。

日本語の記事には出てきませんが、暴動に直接関わった人たちだけでなく、ソーシャルメディア上で人種間の対立を煽ったとされる人たちが、扇動法違反の疑いで逮捕されています。

Umno chief arrested over comments on Low Yat brawl | Free Malaysia Today

1人はPapagomoとして知られるブロガー、もう1人は与党UMNOペナン支部で幹部となっている人物で、容疑は必ずしも明瞭ではないのですが、ソーシャルメディア上の発言が人種間対立を煽ったということのようです(すでにUMNOの幹部は釈放)。また、Plaza Low Yat前に集まったマレー系の人々を前にして、人種差別的な演説をした人物も、同様に逮捕されています(彼もすでに保釈)。演説はマレー語なので、私にはわからないのですが、翻訳されたものを見ると、「ここはマレーの国だ。団結し、失礼な華人を倒せ」というようなことを行っています。たしかに穏やかではないのですが、私には警察が取り締まるべき問題には思えませんでした。

日本でもヘイトスピーチ規制が取り沙汰されていますが、マレーシアではすぐに治安問題に発展しかねないので、ソーシャルメディア上での人種差別発言に厳しく対処している様子が見てとれます。メディアに対する政府のコントロールも強いマレーシアで、コントロールしにくいソーシャルメディアについても、このように取り締まりの手が伸びてきています。そこに危うさを感じていないのか、非常に気になるところです。

「偏った」新聞をつぶせという意見が出る日本ですが、たとえ偏っていてもそれがただちに私たちの平穏な生活を脅かすことはありません。逆にマレーシアでは、治安への懸念が大きいために、表現の自由を担保する重要性が、軽んじられているところがあります。人々はこれを国柄ゆえのやむをえない制約と考えているのか、それとも実はなんとか変えていきたいと思っているのか、もちろん人それぞれとは思いますが、なかなか空気を感じ取ることはできません。

ただ面白いのは、警察側もまたTwitterを使っているところ。警察トップIGPのTan Sri Khalid Abu Bakarさんが、この問題を人種問題に転化させるべきではないといったと英字紙Starが伝えています。元のTweetはマレー語なので詳しい内容まではわからなかったのですが、警察トップがTwitterで(少なくとも見かけは)個人的に「発信」しています。日本では見られない現象でしょう。

IGP: Don’t turn Low Yat Plaza melee into a racial issue – Nation | The Star Online

いろいろ制約がありつつも、ソーシャルメディアが社会の中に浸透し、手を焼きながらも、政府もまたそれを使わざるを得ないという状況と見ることもできそうです。

この騒動のあと、対立をとりなすように、中華系の若者たちがマレー系のハリラヤソングを歌っている動画が、ソーシャルメディアで広がりました。これが政府のキャンペーンだったらと疑えばきりがありませんが、少なくとも多くの人々が、人種間の融和を大事に、社会を運営していきたいという気持ちは読み取れるような気がします。

After Low Yat clash, clip of Chinese youths singing ‘Selamat Hari Raya’ warms hearts on Twitter | Malaysia | Malay Mail Online

(Yahoo!ニュース個人掲載記事を転載)

Only in Malaysia

「Boss!」が大好きマレーシア人:だいたいわかるようになった「Only in Malaysia」


数年前にYoutubeで見つけて、一度記事にしたことがある動画「Only in Malaysia」。こんなのマレーシアだけだよね、という、「マレーシアあるある」をまとめた動画。当時もある程度は理解できたけれども、3ヶ月暮らしてみて、さらに膝を打つことが増えてきた。

マレーシア人の慣習をコミカルに表現「ONLY IN MALAYSIA」 | ICHINOHE Blog

こちらにきてからより理解できたところを、いくつか紹介してみよう。

0:35 ジャケットを逆向きに着る
バイクに乗る人達が、ジャケットの前後を逆にして着て、風よけにしている。マレーシアで運転し始めてすぐに気がついたが、バイクに乗る人がかなりの割合でこうしている。寒いとは思えないので、なぜなのか不明。

Reversible Jacket

1:35 手で合図
主に車に乗っている時が多いのだけど、手であいさつをすることが非常に多い。駐車場に入って行く時に、どういう場合は停車を求められ、フリーパスの時はどうなるのか、実はいまいちわかっていないので、小心者は私はついつい止まってしまうのだが、実は平然と右手を上げて挨拶すると、「関係者と思われてどこでも入っていけるような気がするくらい。
というわけで、大学のゲートを潜るときに私も、ガードマンの皆さんに手を挙げている。

Hand

2:12 Instagram
彼女の話を手で制した場合には、(なんでも手で挨拶する)ハンドパワーはきかない、というネタのところ。うわのそらで話を聞いていた男性は、ずっとInstagramにいいねを連打している。2012年の段階で、Instagramがかなり浸透していたのだろう。今マレーシアでは、TwitterやFacebookと同等ないしそれ以上に浸透している。昨日見たハリラヤソングの映像では、次々に出てくる歌手のInstagramアカウントが表示されていた。

2:15 誰でも「Boss」「Uncle」「Auntie」
日本でいうと「すみません」という呼びかけであったり、「そうなんですよ、お客様」のような「お客様」に相当するだろうか。日本人に「シャチョー」と呼びかけたりする国もあると思うが、あれにも似ているか。

Only in Malaysia

お店で「Boss」と言われることは多い。「◯◯は置いてますか?」「いや、ないんですよ、ボス」こんな感じ。語尾に「お客様」をつけて、やわらげているようなケースか。もちろん、単純に客引きで「ボス」と呼びかけているときもある。
大学近くには、「Hi’ Boss」という床屋がある。マレーシアの人たちも、「Boss」を多用していることに、たぶん気がついているのだろう。

Hi' Boss

ちなみにこの映像を作ったJinny Boy TVは、マレーシアに関連するコメディタッチの動画をいくつも公開している。

JinnyboyTV | Youtuber