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台湾の「日本語世代」の人生に迫るドキュメンタリー映画「台湾アイデンティティー」

「台湾アイデンティティー」、新潟シネ・ウインドでの上映最終日に、見てきた。冒頭のシーンは、数年前に訪れた、阿里山の風景から始まった。奮起湖駅で買った弁当の味が思い出されたが、もちろんこの映画は「旅番組」や「グルメ番組」ではなく、日本統治下をいきた「日本語世代」の人生を描いたドキュメンタリー。派手さはないが、とてもよい映画であった。

台湾アイデンティティー

ドキュメンタリー映画『台湾アイデンティティー』

1895年(明治28年)から1945年(昭和20年)までの半世紀、日本の統治下にあった台湾で日本語教育を受けた「日本語世代」といわれる老人たち。本作は舞台を台湾、ジャカルタ、そして横浜へ移しながら、市井の老人たちの人生に寄り添います。日本の敗戦で「日本人になれなかった」と言う人、台湾に帰れなかった人、シベリア抑留のおかげで二二八事件に巻き込まれずに済んだと笑う人、白色テロによって父親を奪われた人、青春の8年間を監獄で過ごさねばならなかった人、「本当の民主主義とは」を子供たちに伝え続けた人。第二次世界大戦、二二八事件、白色テロという歴史のうねりによって人生を歩み直さなくてはならなかった彼らが自らの体験を語るとき、私たちに問いかけることとはーー。

台湾は食べ物がおいしい、台湾は「親日」。若い世代を中心に、多くの日本人の台湾に関する認識はそこまでだろう。あるいは、多少歴史の知識があったとしても、台湾のことを語ると中台関係の影響もあり、イデオロギー的な要素が入りがち。興味があっても語りにくいというところもある。

しかし映画に出てくる、台湾の「日本語世代」の生の声に耳を傾けてみると、日本の文脈での「右」とか「左」という立場からは、この問題は見えてこないように思う。台湾の「日本語世代」が、日本統治のことを悪く言わないのは、その後の白色テロの時代がひどかったからともいえるし、事情はもっと複雑なのだ。監督の酒井充子さんは、インタビューでこんなことを言っている。

INTERVIEW 『台湾アイデンティティー』監督に訊く、台湾の「日本語世代」と考える日台関係  « WIRED.jp

──取材を通して日本に対する恨み言は聞かれませんでしたか?

それが言わない、だから切ないんです。「日本人になれなかった」という彼は、日本時代を批判する視線をもち合わせていないんです。「日本人になりたかった」自分のまま、ずっと戦後を生きてきました。当時の日本による教育が純粋培養的に保たれているんです。そこが本当に切ないですね。ただし、日本がよかったわけではないんです。「日本時代のほうがよかった」と、思わなければならない時代があったということです。

──日本では東日本大震災後の、台湾からの大規模な義援金などの影響もあり、台湾を「親日」とくくる見方があります。中国や韓国との関係が悪化しているいま、相対的に台湾をもち上げている印象を受けます。

日本人はわきまえてほしいです。台湾に生まれた彼らが、なぜインドネシアや日本にいるのかを、考えてほしいのです。それは日本抜きには考えられないこと。わたしは日本人に、台湾という国を中国や韓国と比較せずに見てもらいたいのです。

台湾には日本統治時代があり、あの時代を背負って生きてきた人たちが、いまも住んでいます。「何となく親日な感じがする」ではなく、日本統治時代があって、台湾のいまがあるのです。日本人にはそれを知ったうえで台湾と向き合ってほしい。そう切に願います。

映画の中で、李登輝さんがかつて語った「台湾人に生まれた悲哀」というフレーズが出てきた。結局台湾人は、いまだに自分たちの政府や国を持つことができなかったということなのだが、その「悲哀」というフレーズの意味は、この世代の「生き様」をきいてみると、非常によく分かる。台湾独立派としての立場を鮮明にする人、独立運動に当初から懐疑的だった人、残留日本兵としてインドネシア独立のために戦った人、それぞれの人生に「悲哀」が反映されていた。
一方、現実に報道されている、台湾独立の是非という「大文字言葉」の文脈では、高齢の台湾人たちのこの「気持ち」はよく見えない。さらに中国の人たちと話してみると、彼らは「一つの中国」を当然の事として考えているので、政治的な文脈を離れて、こうした台湾の人々の独自のアイデンティティーを、理解するのは難しいように感じる。

日中国交正常化以後、台湾問題に日本政府は関与しない立場にあるし、メディアでも台湾の歴史が語られることは少ない。しかしこの映画は、難しい政治的文脈を離れて、まずは激動の時代を「日本語世代」の人生を振り返り、何が起きたのか、人々はどう生きたのかを知ることを可能にしている。日本人が今後の台湾との関係(あるいは台湾の人々との付き合い方)を考える、非常に貴重なドキュメンタリー映像と言えるだろう。

酒井さんの前作「台湾人生」は、すでにDVD化されているので、今度見てみようと思う。

インフルエンサーの推薦は無党派層を動かせるか?:湯浅誠さんの推薦候補者名発表から

昨日湯浅誠さんが、Facebook上で、秋田の民主党候補である松浦大悟氏を応援しにいったというポストとともに。自ら推薦する候補者名を発表した。

Street Speech of Election of The Presidents of Democratic Party of Japan
Photo by Dick Johnson.

湯浅 誠

なお、私は参院選で、以下の方たちの推薦人(的なもの)になっています。
ご要請をいただき、かつ、国会で力を発揮してもらいたいと私が思う人たち。

(五十音順)
大河原雅子(東京)(無所属)
鴨ももよ(比例)(社民)
鈴木寛(東京)(民主)
田口まゆ(全国比例)(緑の党)
松浦大悟(秋田)(民主)

これに対しては多少批判的なコメントもついていたようで、その後非常に長いコメントで、自らが個人的に推薦する候補者を表明した理由を述べている(以下は一部抜粋)。

自民党圧勝確実と言われる中、私はそれが望ましいとは思わないので、1人区でも勝てる可能性のある候補がいるなら応援したい。
自分が動いても、しょせん数票とか10票とかにしかならないかもしれないし、1票にもならないかもしれないが、「競ってる」勝負なら、もしかしたら意味があるかもしれない。
「最善を求めつつ、最悪を回避する」ことが重要と思うから。
それが自殺対策や社会的包摂をやってきた松浦大悟なら、なおさら。

政治的中立とは、すべての候補者を平等に評価します、ということ。
政治総体に対して批判的立場を堅持とは、「どうせ誰がやったってダメだよ」とか言いながら棄権する(もしくは白票)ということ。
でもそれは、私がやらなくてもマスメディアがやっているし、多くの有権者がやっている。
私も、前回の衆院選までは、誰かの推薦人になることはすべてお断りしてきた。
でも前回から、個人単位で推薦人を受けることにした。
間近で見てきて、誰が、何を、どういう思いでやっているのかを多少なりとも知ってしまったのに、頼んできた相手に「あなたを他候補と平等にしか評価できません」とは言えなかったから。
そして、いま私は、誰かを応援することによって私が受けるリスクよりも、誰も応援しないことによるリスクのほうが高く、そこに一有権者としての責任を感じているから。

ご本人は、「自分が動いても、しょせん数票とか10票とかにしかならないかもしれないし、1票にもならないかもしれない」と謙遜しているが、都市ならばもっと大きな動きがあるのではないか。秋田での影響力は未知数だが。

公職選挙法の改正の中で、主に懸念されていたのは、「なりすまし」や「誹謗中傷」の横行であったと思うが、これまでのところ、目に見えて大きな影響は見えていない。また、所属する政党の財力によって、露出が左右されてることも懸念され、ネット広告についてはそれなりの規制がなされている。しかしネット選挙運動解禁で大きく変わるものの一つは、実は湯浅さんのような発言力のある個人、インフルエンサーの影響力なのではないか。湯浅さんの発言への反響を見ると、どうもそんな気がしてきた。

実はこの点、6/1の情報ネットワーク法学会特別講演会で、韓国中央選挙管理委員会選挙研修院教授高選圭さんから指摘があった。韓国でも、「Power Twitterian」と呼ばれる「インフルエンサー」の動きが注目され、候補者がこうした人々を訪問するといった動きが見られているという。

特別講演会「インターネット選挙運動解禁で選挙はどう変わる」

湯浅さんはおそらく「リベラル」を自認する人たちから比較的支持されているはずで、そのなかにも「無党派層」は多数いるはず。こうした人達が、たとえば秋田の選挙区で、どれぐらい動くのか。新潟で様子を見ている限りでは、地方の選挙区がこれで動いていくのは容易ではなさそうだが、たとえば秋田県でも秋田市その他の都市部では、一定程度、湯浅さんを知っているリベラル層は存在しているはずなので、この辺の票を掘り起こす効果があるかもしれない。

この講演会で、情報セキュリティ大学院大学の湯淺墾道先生が指摘していたのは、地方議会議員選挙のケース。地方議会議員選挙では、次点との得票数の差が1桁ということはよくあるそう。となると、インフルエンサーが誰を支持するかというのが、実は非常に大きな影響を持つ可能性もある。参院選は比較的選挙区も大きいので、一人の発言で結果が大きく左右されることはないのかもしれないが、湯浅さんの発言の反響を見ていると、そうとも言い切れないような気がしてきた。となると、地方議員の選挙だと、さらに振れ幅は大きくなるのかもしれない。

このほか厳密な意味では個人ではないのだが、楽天の三木谷浩史さんが、「新経連」という立場で、8人の候補の推薦を発表している。

三木谷浩史楽天会長や、北村晴男弁護士ら著名人も参院選の応援演説

The Billboard Hot 100 in skincolor

BillboardのHot 100の集計にYouTubeの再生回数を反映

BillboardのランキングにYoutubeでの再生回数が加味されることになった。

The Billboard Hot 100 in skincolor

by skincolor.

BillboardのヒットチャートにYouTubeの再生回数を反映 – ITmedia ニュース

ポピュラー音楽のヒットチャートを提供する米音楽誌Billboardは2月20日、総合チャート「Hot 100」の集計方法を変更し、Google傘下のYouTubeの公式動画再生データを加算すると発表した。この変更は、21日発表のHot 100とその関連チャートから反映される。

すでに米国のメジャーレーベルの多くが、公式にPVをアップしているし、「Call Me May Be」のようにリップダブの「二次創作」により、口コミを広げてヒットしている曲もある。もちろん口コミがそのまま売上に直結してはいないのだろうが、口コミが起きなければヒットもしないという構造でもある。

もともとBillboardには、ラジオでのオンエア回数も入っているはずだから、そう考えると、さほど不思議ではない。しかし、かつてYoutubeは、Googleに買収される前には、違法アップロードの温床とされていたわけで、そういう意味では大きな変化であろう。

実際再生回数を反映させた結果、「江南スタイル」のランキングが、再度急上昇したそうだ。

ビルボード、ユーチューブの成績をチャート反映へ…PSYは22ランクアップ│韓国音楽K-POP│韓国ドラマ・韓流ドラマ 韓国芸能ならワウコリア

米国音楽専門誌ビルボードがシングルチャート(HOT100)集計にYouTube(ユーチューブ)の点数を反映することを決定し、下降していたPSY(サイ)の「江南スタイル」のランキングが22ランクも上昇したことがわかった。

 「江南スタイル」はビルボードが21日(以下、現地時間)公開した最新シングルチャート(3月2日付)で26位に上がった。先週45位からなんと22ランクアップしたもの。

青函連絡船の時代を知る一冊:金丸大作「写真集 青函連絡船」

実家の本棚から引っ張りだしてみたら、予想外に面白かった一冊。1984年出版なので、廃止される前に出版された本。実家にいた時代にもパラパラめくってみていたはずだが、あまり印象に残っていない。

写真は昭和30年代を中心に掲載されており、青森と函館を往来する人々の姿、船を運行に関わる船員その他の表情などをリアルに伝えている。個人的最も興味深かったのは、景福丸。「景福」といって思い出されるのは、ソウルの「景福宮」なので、韓国と何か関係が?と思ったら、その通り。関釜航路から、青函航路にうつってきた船だそうだ。空襲で、青函航路の船の多くが被害を受け、他の航路から船を確保したそうで、稚泊航路からも「宗谷」が応援に入ったという記述もあった。

景福丸は戦後引退し、函館港に係留され、日本で唯一の船上旅館としてしばらく営業していたという。景福丸が解体後も函館ハーバービューホテルの一角に、船上旅館を運営していた鉄道弘済会によるお土産店「景福」がしばらく残っていたそうだ。

 

「函館市史」通説編4 7編1章コラム14

景福丸 – Wikipedia

景福丸 – 函館鉄道写真館 – Yahoo!ブログ

1984年に出版されたものと同じ写真で再度2006年に出版されたのが、「青函連絡船の記録」だそうだ。

Keiwa Lunch 20121004

Keiwa Lunch 10/4配信分:留学から戻ってきた学生たち特集


しばらくサボっていたアーカイブ公開作業を再開したので。敬和学園大学でお昼に行なっているUstream番組「Keiwa Lunch」、10-11月も配信をつづけている。みんな忙しくなるとアーカイブの公開が遅れがちだが、10−11月の配信がだいぶ揃ってきたので、この辺でピックアップして紹介。

Keiwa Lunch 20121004

フィリピンセブ島での留学から帰国した二ノ宮さん、韓国での留学から帰国した宮本さん、英国から帰国した藤塚くんが、それぞれの国での体験を語っている。MCは土田舞歌。

敬和学園大学の公式ビデオで紹介している留学に関する部分(2009年のもの)。

留学・国際交流 – 敬和学園大学 新潟県新発田市にあるリベラル・アーツ大学

海外留学 – 敬和学園大学 新潟県新発田市にあるリベラル・アーツ大学

Keiwa Lunch

2012/10/4夏休み留学!! | Keiwa Lunch

Suzhou Station

敬和学園大学から蘇州大学への短期留学プログラム、来春からスタートできそう

3月に続き、先週の訪中でも蘇州大学を訪問した。3月の訪問時に話題に出た敬和と蘇州大学の交流プログラムについて、日本側での調整を担当した国際交流係のスタッフとともに、蘇州大学側との最終調整を行なってきた。交流は基本的に相互に行うのだが、まずは来春、敬和から蘇州大学を訪問する短期の留学プログラムをはじめることで、両校の代表者で合意することができた(すでに大学間の調整はほぼ終わったので、今年度の留学を考えている学生の皆さんの便宜も考えて、先行して概要をブログにも書いています。ただ最終決定はまだです。具体的な実施の詳細については、大学の公式発表をお待ち下さい。最終決定があり次第、このエントリーの但し書きにも訂正を入れます。)。

蘇州市は上海に近い観光都市

Suzhou Station

蘇州市は、世界遺産「蘇州古典園林」を中心とする、江蘇省第一の観光都市。高速鉄道なら上海から1時間かからないで到着する。高速バスでも1時間30分。上海周辺を観光するツアー客の多くが、蘇州を訪れる。総人口は600万人ほどで、上海や南京に比べると、落ち着いた古都の趣がある。一方経済活動も盛んで、日系企業も400社以上が進出している。

上海には新潟空港から中国東方航空の直行便が、週4便飛んでいる。これは新潟人にとっては大きい。

by http2007.

蘇州大学は江蘇省で最も歴史のある名門大学

蘇州大学は、江蘇省で最も古い歴史を持つ大学。前身となる東呉大学は、もともとメソジスト教会の宣教師たちが作った大学。国共内戦後、大陸側では大学の改組が行われ、現在の蘇州大学という名称に。現在は、100以上の学科がある大きな総合大学だ。
こうした建学の経緯もあり、日本のキリスト教系大学との交流も盛んだ。

留学生受け入れの経験も豊富
留学生の受入にも早くから取り組み、様々な国々から留学生を受け入れている(下のリンク先に国別の内訳が出ている。上位の日本、韓国に続いて、サウジアラビア、アメリカ、ラオス、フランス、ロシア、イギリスといった国名があがっている)。日本人の留学生も多い。短期の留学プログラムも、関学、立命館、宮崎公立など、様々な大学から、日本人学生を受け入れており、経験も豊富。留学生寮も大きく、様々な学生たちが行き交う、国際的な雰囲気の寮であった。

蘇州大学の留学ガイド 「中国留学情報」

敬和生向けプログラムの概要(予定)
以下は、今回現地でお話しして決めた内容。敬和で用意していった案と、大きく異なるわけではないが、最終決定ではないことを再びお断りしておく。

【実施時期】
敬和生の留学時期は2月下旬から3月上旬にかけて2週間程度(2012年度)。もっと長い方が勉強になるが、最初は短めにスタート。金銭的に心理的にも負担を軽くしたいという考えだ。
試験期間は確実に外し、卒業が決まった4年生も、卒業式前に戻ってこれる日程になる。
日本の他大学の学生で、短期プログラムで蘇州大学が気に入って、再度1年間の長期留学をしている学生もいるようだ。

【基本内容】
午前中国語、午後文化講座。文化講座のプログラムの中で、蘇州市内に進出している日本企業の訪問も企画する予定。蘇州市内にはたくさんの「世界遺産」があり、これらを訪れるだけでも、二週間では足りないかもしれない。敬和からの参加者が最低人数に達しない場合にも、レギュラーの語学講座のスタートに合わせて渡航するスケジュールとし、きちんと勉強できる体制をとる。

【エクストラな企画】
日系企業は日本の大手企業が軒並み進出しており、蘇州大学を通じて、見学をお願いする予定。打ち合わせ時に名前をうかがった企業は、いずれも日本の大手メーカー。こうした企業への訪問は、国内では、とりわけ新潟県内では、なかなか出来ない経験になるだろう。
江蘇省周辺では、上海は別格の大都市。静かな蘇州で日常を過ごし、週末は国際的な大都市上海へ。ある意味東京以上に刺激的な経験をすることができるはず。

Shanghai, China

Shanghai, China

【サポート体制】
蘇州大学には日本語学科で学部学生がいる。彼らにサポートのために、寮に一緒に寝泊まりしてもらうことができそうだ。またこの時期は、敬和から教職員が江蘇省を訪問する時期でもあり、引率も可能。

【日常生活】
寮は二人部屋。留学生用の学生寮なので、世界各国の学生と一緒に暮らすが、偶数で参加すれば、部屋での生活は、敬和の学生同士で安心できるだろう。買い物は、売店が学内にあるし、学食もあるので、キャンパス内で安心して生活できる。さらに大きなスーパー(オーシャン)も徒歩圏内にある。カルフールやウォルマートは、がんばって歩く距離だという。

【費用】
新潟からの飛行機代チケット、学費、寮費を含めて、10万-15万円にはおさまる。がんばれば、10万以内になるかもしれない。いずれにしても、欧米に行くと1ヶ月で40-50万クラスのお金がかかるのに比べて、かなり格安になるのは間違いない。費用面で、学生時代の「留学」をあきらめていた学生たちにも、ぜひ利用してもらいたいプログラムになるだろう。自分で計画していく「自由留学」(という制度がある)に比べると、相当充実した、コストパフォーマンスの高い内容になるはずだ。

というわけで、敬和の学生の皆さん、一緒に上海に飛び、蘇州にわたって、中国語を学び、中国の文化、中国の街、中国ビジネスの今を体験しましょう。

これまでの自分の数少ない中国経験で言えることは、「親中」かどうかに関わりなく行ってみるべき、ということ。言葉ができなくとも、数日行くだけで、中国という国にはいい面悪い面があること、「中国人」といっても良い人悪い人さまざまだということが、それなりに理解できるようになるはずだ。
ましてこのプログラムに参加すれば、中国語を学び、日本語を学ぶ学生や中国で学んでいるさまざまな国の人達と知り合い、日本人ビジネスマンが中国で格闘する姿を知ることができる。日本にいて抽象的に考えている中国イメージが、たとえ「厄介な隣国」であったとしても、帰るときの中国観は、もっと複眼的になってくるはずだ(当然よくない面もより深く理解できるはず)。

ともあれ、若者の中国イメージは、あまりよい状態にはない。このプログラムも、すぐに若い大学生が両手をあげて参加してくれるものにはならないかもしれない(むしろ蘇州は、中高年の旅先として、人気のようだ)。しかし就職できるかどうか不安な学生には、抽象的に悩んでいるよりも、まずは海外で見聞を広めてほしいと思う。考えるのはそれからだ。「憧れ」の欧米の学校に高いお金を払って出かけていくのも悪くないけれど、比較的安い費用で、これからビジネスの最前線となる、アジア地域に出かけていくのは、多くの学生にとって現実的な選択だといえる。さらに新潟の保護者の皆さんとは、たった二週間の中国沿岸部での経験でも、若い学生の意識を高める第一歩として、十分な刺激になるという認識を、共有できたらと思う。費用の安さにも、ぜひご注目いただきたい。

ことは「我が子」だけの問題ではなく、グローバル経済をタフに生きていく新潟経済人を、どのように育てていくのかという次元の問題でもある。上海や江蘇省は、新潟県がいま、積極的に関係を構築しようとしているエリアの一つだ(そして、正直なところ、中国にいって、新潟の存在感はあんまり感じられない)。今後実施に向けて、新潟と江蘇省との間で仕事をしている皆さんとも、いろいろ相談させていただき、お力をお借りし、また将来的には、人材を送り出す仕事ができたらと、個人的には考えている。

Flickrで「Suzhou」と検索した結果。

数年前にアップされた蘇州の観光CMっぽい映像。Youtubeでもそれなりにいろいろ出てきますね。

Narazawa Shrine Festival (Tengu Fire Dance), Iiyama, Nagano 20110917

亀田製菓製品、Amazonレビューで「炎上」

亀田製菓の話題がTwitterなどのでちらっと見えていたが、あまり気にしていなかった。実は韓国の農心(辛ラーメンなどで知られる)と亀田製菓が提携を発表したことにより、不買運動に発展、Amazonのレビューが荒れているということのようだ。

Narazawa Shrine Festival (Tengu Fire Dance), Iiyama, Nagano 20110917

亀田製菓の柿の種 Amazonのレビューに酷評殺到の理由とは?(NEWSポストセブン) – livedoor ニュース

本当に可哀想なのですが、叩かれている理由が「辛ラーメン」で知られる韓国の食品メーカー「農心」と提携することを発表したからなのですね。農心は過去に異物混入事故などを起こした会社であり、衛生面で問題アリと指摘する声もあります。
 で、亀田としては、グローバル展開をするにあたって農心と組む必要があると判断したわけですが、提携発表後、同社のブログは韓国企業と組むことに反発を覚える人により大炎上。さらには、アマゾンのレビューも酷いことになっています。
 この発表以降、続々と「星1つ」がつくわけですよ。たとえば「亀田の柿の種 260g×12袋」の場合、5月10日17時30分現在73のレビューがつき、以下のような配分となっております。
星5つ:(4)
星4つ:(2)
星3つ:(4)
星2つ:(2)
星1つ:(61)

 レビューの内容も「もう食べれないです。韓国の企業と言うだけでも安全性に疑いを持つし、農心なら言うに及ばず。虫が入っているのでは?ネズミの頭が入っているのでは?イメージが頭に残って口に入れる気が起きません」みたいに、徹底的に韓国を叩くものばかり。

嫌韓というだけでなく、農心に対する不信もあるというコメントがついている。いずれにしてもAmazonの個別商品に書くようなコメントではなく、「バカがますます大暴れできるツールになったことをけっこうオレはいま嘆いているぜ」という中川淳一郎氏の見解に、同意せざるをえない。

亀田製菓に不信感を持つのは自由だが、それは自分のブログなりSNSなり、(たとえ匿名であったとしても)自分自身を背負う「ホーム」から発言するのが筋だと思う。AmazonのIDにそれがないとはいわないが、Amazonの個別商品ページにゲリラ攻撃をするのは、一般のユーザにとっては、不要なノイズに過ぎない。

岡田朋之・松田美佐編『ケータイ社会論』(有斐閣選書)

ケータイを通して現代社会を学ぶ、主として社会学系教員からなる入門書。2002年の『ケータイ学入門』の全面リニューアルという位置付けだ。「社会とケータイのかかわりについて、できるだけ多様な側面から光を当てよう」という趣旨での改定。執筆陣には、新潟大学から、博士研究員の上松恵理子先生、人文社会・教育科学助教の吉田達先生が加わっており、お二人から献本いただいた。どうもありがとうございます。

全体に目を通すに至ってはいないが、目次と、編者のお一人関西大学岡田朋之先生による、第一章を読んだところで、雑感を書いておく。

この本では、「ケータイ」という言葉により、携帯「電話」としてではない多能な側面を表現している。大変興味深いのは、IT、情報化、若者文化、青少年保護、教育といったセクターで、それぞれの(業界の?)立場からケータイが毀誉褒貶にさらされてきた、という見方だ。これに対して本書では、「ケータイをはじめとする情報メディア」が、これらの各領域それ自体を揺るがしている(恐らく教育分野が念頭にある?)中で、いわば部分最適ではなく、トータルな最適化、総合的視点の必要性を強調している。

Say goodbye...

Photo by Cheo70 on Flickr.

実際この本の提示するトピックは多様だ。全体を貫いているのは、「社会的存在としてのケータイ」「当事者の視点」の二つの視点。ケータイは、技術的側面ばかりが注目されがちだが、「さまざまな立場の人々がさまざまな思惑のもとにかかわることで具体化しているもの」であるという意味では、社会的存在であるということ。この視点が一つ目。二つ目の「当事者」というのは、送り手や売り手ではなく、利用者の目線ということ。利用者の目線で見たときには、ケータイをめぐるさまざまな領域の実情が見えてくるということだろう。

章建てとしては、メディアとしてのケータイ、さらには、普及や多機能化に至るケータイの歴史といった、オーソドックスな記述に加えて、コミュニケーション、自己意識、身体感覚と言った側面、家族コミュニケーションのあり方、ケータイと学校教育という側面にも光を当てる。教育とケータイ、もう少し広げて、教育と情報機器、というのは、現在も微妙な緊張関係をはらんでいる。大学で同僚と話していても、電子機器やネットへの理解がネガティブなイメージに固まっていて、なかなかうまく話を進められないことは多い。まして初等中等教育では、こうした緊張関係は現在も非常に強いと聞くし、まさしくこの本の取り組むべき肝の部分だろう。第7章は新潟大学博士研究員の上松恵理子先生のご担当。

終盤はさらに視点を広げ、ケータイがもたらすネットとリアルの交錯(たとえばARなど)、ケータイと監視社会、流行や風俗上のアイテムとしてのケータイ、などのトピックが登場するほか、海外のケータイ事情について、11章で韓国、フィンランド、ケニアが取り上げられている。「監視社会」が新潟大学吉田達先生のご担当。

全体を通読してはいないのだが、印象としては、「社会的存在としてのケータイ」をさまざまな側面から分析するにあたり、ケータイや情報化社会のネガティブな側面にも一定の配慮をしてはいるものの、ことさらに不安をあおる立場には与することなく、ある種の中立性を保っているように感じる。こうした「入門書」が、メディアやネットに比較的ネガティブな立場をとる「文系」の大学・学部の教育課程に導入されていくならば、徐々に大学の教育課程にもよい変化がもたらされるのではなかろうか。

[rakuten]001:9784641281257[/rakuten]

With @ttachi

ブロガー @ttachi こと立花さんと15年ぶりに再会

With @ttachi

With @ttachi, a photo by shinyai on Flickr.

「必ず結果が出るブログ運営テクニック100 プロ・ブロガーが教える“俺メディア”の極意」出版記念オフ会で、「15年ぶりぐらいでお会いできた方」というのが、 @ttachi こと、立花岳志さん。

以前立花さんが、Web日記「思うこと」を本名で書いていらした90年代後半、歌舞伎町の韓国料理「まつや」で開催したオフ会に来てくれて、たった一度だけお会いした。

当時の歌舞伎町コリアタウンは、今とは違って、日本人には近寄りがたい雰囲気の街だった。そこであえて、色んなネット界の人をごちゃまぜにして集まる企画をやってみたところ、実際にも見事なカオスだったのを、なんとなく覚えている。

その後再会する機会がないまま、自分が稚内に引っ越してしまったが、「思うこと」という立花さんのブログは、ときどき読んでいた。

かつてはもっと内省的な内容だった(気がする)立花さんの日記。昨今「No Second Life」という、前向きな、iPhoneやLifehackなどのトピックが並ぶブログに変わり、ご本人も独立して活躍されている。

No Second Life

こうした活躍をずっと見ていたので、1度しか会ったことがないにも関わらず、長く深い付き合いの人に再会したような、不思議な気分であった。