タグ別アーカイブ: 湯淺墾道

インフルエンサーの推薦は無党派層を動かせるか?:湯浅誠さんの推薦候補者名発表から

昨日湯浅誠さんが、Facebook上で、秋田の民主党候補である松浦大悟氏を応援しにいったというポストとともに。自ら推薦する候補者名を発表した。

Street Speech of Election of The Presidents of Democratic Party of Japan
Photo by Dick Johnson.

湯浅 誠

なお、私は参院選で、以下の方たちの推薦人(的なもの)になっています。
ご要請をいただき、かつ、国会で力を発揮してもらいたいと私が思う人たち。

(五十音順)
大河原雅子(東京)(無所属)
鴨ももよ(比例)(社民)
鈴木寛(東京)(民主)
田口まゆ(全国比例)(緑の党)
松浦大悟(秋田)(民主)

これに対しては多少批判的なコメントもついていたようで、その後非常に長いコメントで、自らが個人的に推薦する候補者を表明した理由を述べている(以下は一部抜粋)。

自民党圧勝確実と言われる中、私はそれが望ましいとは思わないので、1人区でも勝てる可能性のある候補がいるなら応援したい。
自分が動いても、しょせん数票とか10票とかにしかならないかもしれないし、1票にもならないかもしれないが、「競ってる」勝負なら、もしかしたら意味があるかもしれない。
「最善を求めつつ、最悪を回避する」ことが重要と思うから。
それが自殺対策や社会的包摂をやってきた松浦大悟なら、なおさら。

政治的中立とは、すべての候補者を平等に評価します、ということ。
政治総体に対して批判的立場を堅持とは、「どうせ誰がやったってダメだよ」とか言いながら棄権する(もしくは白票)ということ。
でもそれは、私がやらなくてもマスメディアがやっているし、多くの有権者がやっている。
私も、前回の衆院選までは、誰かの推薦人になることはすべてお断りしてきた。
でも前回から、個人単位で推薦人を受けることにした。
間近で見てきて、誰が、何を、どういう思いでやっているのかを多少なりとも知ってしまったのに、頼んできた相手に「あなたを他候補と平等にしか評価できません」とは言えなかったから。
そして、いま私は、誰かを応援することによって私が受けるリスクよりも、誰も応援しないことによるリスクのほうが高く、そこに一有権者としての責任を感じているから。

ご本人は、「自分が動いても、しょせん数票とか10票とかにしかならないかもしれないし、1票にもならないかもしれない」と謙遜しているが、都市ならばもっと大きな動きがあるのではないか。秋田での影響力は未知数だが。

公職選挙法の改正の中で、主に懸念されていたのは、「なりすまし」や「誹謗中傷」の横行であったと思うが、これまでのところ、目に見えて大きな影響は見えていない。また、所属する政党の財力によって、露出が左右されてることも懸念され、ネット広告についてはそれなりの規制がなされている。しかしネット選挙運動解禁で大きく変わるものの一つは、実は湯浅さんのような発言力のある個人、インフルエンサーの影響力なのではないか。湯浅さんの発言への反響を見ると、どうもそんな気がしてきた。

実はこの点、6/1の情報ネットワーク法学会特別講演会で、韓国中央選挙管理委員会選挙研修院教授高選圭さんから指摘があった。韓国でも、「Power Twitterian」と呼ばれる「インフルエンサー」の動きが注目され、候補者がこうした人々を訪問するといった動きが見られているという。

特別講演会「インターネット選挙運動解禁で選挙はどう変わる」

湯浅さんはおそらく「リベラル」を自認する人たちから比較的支持されているはずで、そのなかにも「無党派層」は多数いるはず。こうした人達が、たとえば秋田の選挙区で、どれぐらい動くのか。新潟で様子を見ている限りでは、地方の選挙区がこれで動いていくのは容易ではなさそうだが、たとえば秋田県でも秋田市その他の都市部では、一定程度、湯浅さんを知っているリベラル層は存在しているはずなので、この辺の票を掘り起こす効果があるかもしれない。

この講演会で、情報セキュリティ大学院大学の湯淺墾道先生が指摘していたのは、地方議会議員選挙のケース。地方議会議員選挙では、次点との得票数の差が1桁ということはよくあるそう。となると、インフルエンサーが誰を支持するかというのが、実は非常に大きな影響を持つ可能性もある。参院選は比較的選挙区も大きいので、一人の発言で結果が大きく左右されることはないのかもしれないが、湯浅さんの発言の反響を見ていると、そうとも言い切れないような気がしてきた。となると、地方議員の選挙だと、さらに振れ幅は大きくなるのかもしれない。

このほか厳密な意味では個人ではないのだが、楽天の三木谷浩史さんが、「新経連」という立場で、8人の候補の推薦を発表している。

三木谷浩史楽天会長や、北村晴男弁護士ら著名人も参院選の応援演説

情報ネットワーク法学会第10回研究大会:個別報告

先日もブログに書いた情報ネットワーク法学会第10回研究大会
個別報告の内容も固まり、学会のメルマガから告知が流れた。
Webの世界でご縁があった方でいうと、CCJPでも活躍する、生貝直人さん(@ikegai)が発表される。ほかにも興味深いテーマが並んでいる(残念ながら分科会方式なので、すべての報告を聞くことはできない)。
参加申し込みはこちらから。
【表現の自由・プライバシー】311教室
発表題目: 公立図書館におけるフィルタリング・ソフト導入に関する一考察──アメリカ連邦最高裁判決を素材として──
発表者:北海道大学大学院 法学研究科(助教)金澤誠
発表題目: EU視聴覚メディアサービス指令の共同規制を通じた国内法化
発表者:東京大学大学院学際情報学府博士課程 生貝直人
発表題目:ヴァーチャリティ規制の萌芽:「準児童ポルノ」および「非実在青少年」規制について
発表者:同志社大学 原田伸一朗
発表題目:パーソナライゼーションサービスにおけるパーソナル情報の二次利用に係る消費者の同意形成に関する試論
発表者:KDDI総研 高崎晴夫
【選挙・セキュリティ】003教室
発表題目:電子投票法制の近時の動向
発表者:九州国際大学副学長 湯淺墾道
発表題目:ネット選挙運動の与党(民主党)案の実運用の問題点と改善提案
発表者:サイバーナレッジ(株) 代表取締役 小鍛治
発表題目:外部委託及びクラウドにおける情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価の利用
発表者:日本ヒューレット・パッカード株式会社 佐藤慶浩
発表題目:クラウド・サービスにおけるリスク分析
発表者:弁護士法人おおいた市民総合法律事務所 弁護士 吉井和明
【法情報学】312教室
発表題目:学士力における法情報教育 実践と課題
発表者: 早稲田大学法務教育研究センター 中網 栄美子
発表題目:「ロー・レビューの終焉、あるいはblawgの夜明け−−法学における学術情報へのオープンアクセスを考える」
発表者:成城大学法学部教授 指宿信
発表題目:ドイツDe-Mail(市民ポータル)構想の概要と示唆
発表者:神戸大学大学院法学研究科 米丸恒治
発表題目:「サイバーキャンパス再論 − 電子会議室の活用」
発表者:桐蔭横浜大学教授 笠原毅彦