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Google Glassでヒマラヤの旅:Glassでつなげたいもの、つなげたくないもの

Google Glassをかけて来店した客を、レストランが入店拒否してはいけないのか。その店はどんな評価を受けるのか。
都市におけるプライバシーとGoogle Glassの関係が、ますますクローズアップされつつあります。

携帯電話禁止やドレスコードを設けるレストランがあるということは、グーグルグラスに関してもの申すレストランが出てきても不思議ではありません。が、残念ながらそのようなお店では、支持者と反支持者がうまれ、バトルが始まるようですが…。

グーグルグラス着用で入店拒否のレストラン、店とユーザー間でバトル勃発 : ギズモード・ジャパン

レストランは、Yelp、食べログなどでつねに評価を受けています。ウェアラブルデバイスの利用について、社会的合意がない中では、「Google Glass禁止」のポリシーが、お店にとってプラスに働くのかどうか、まだまだよくわからないところがあります。

Google Glassで、どれだけのプライバシー情報が目の前に可視化されるのか、まだ使ってはいない私には想像するしかありません。
昨年度開催した情報ネットワーク法学会の研究会では、交際ステータスなど、前を歩いている見知らぬ人達の情報が、Glassに簡単に表示されるのではないかという「未来」が、予想されました。

グーグルグラスですれ違った女性の情報がだだ漏れに? | 情報ネットワーク法学会

また、都市がこれまで保証してきた匿名性が、ソーシャルメディアの普及によって失われ、匿名性がもたらしてきた、都市の創造性も奪われるのではないかという指摘もありました。

ソーシャルパトロールが都市の創造性を奪う? | 情報ネットワーク法学会

飲食店やコンビニなど、近隣のお店の多くで学生に遭遇して息苦しい、というのは、地方勤務の大学教員がよく体験しています。都会から地方に引っ越して10数年経った私は、その環境にすっかり慣れましたが、たしか最初は、いつも監視されているような気分でした。同じ状態がソーシャルを通じて、都会でも発生するということなのでしょう。ただし、地方で起きていたのは「どこにでも知り合いがいる」という状態なのに対して、ソーシャルがもたらすのは「知らない人にも素性がバレる」ということなので、実はちょっと意味合いが違います。「知らない人の素性」というのは、普段は誰も気にかけない情報なのですが、何かの拍子で注目されると、その人の「素性」への注目度が一気に上がるということでしょう。いい面も悪い面も、白日の下にさらされる(というよりは、もともと見えているものに周りが注目する)ことになります。

というわけで、「つなげる」とろくなことが起きないという長い「前振り」となりましたが、全くつながっていない場所に行くと、価値を持つこともあるという映像が、Googleから公開されています。Glassのマーケティング担当者が、Google Glassをかけてネパールとブータンを旅してきた時の映像です。両国とも、先進国と同じ環境で、高速インターネットが利用できる環境ではない、といっていいでしょう。

「つながっていない」国を旅する中で、出会った人々や風景を撮影してしまうと、貴重なそのシーンを自らの目に焼き付けられなくなることがあります。「撮ってないで自分の目に見ろ。」という話です。しかしGoogle Glassならその点を意識することなく、見ているものをそのまま撮影できるのだ、ということなのでしょう。たしかに貴重な体験の数々が、きわめて自然に、美しい映像でまとめられています。

都市では、狭い空間に人々が暮らしていく中で、互いに距離を保つ術を確立してきたわけですが、それが徐々に壊されつつあるという危機感が、醸成されつつ有ります。しかしちょっと場所のコンテキストを変えると、状況は異なるのでしょうか。映像の中に出てくる、ネパールやブータンの人々の権利はどうなのか、考えてみるといろいろ問題もあるのですが、少なくとも撮る側の感じるプレッシャーは、大きく変わります。ブータンの子どもたちにとって、Googleの動画に写り込んでいることは、どんな意味があるのか。意味はあると思いますが、それは、日本国内の小学校で撮影された子どもたちの写真とは、意味が違うように見えるわけです。

その究極の形が、北朝鮮の人々を「隠し撮り」した、エリック・ラフォルグさんの一連の写真でしょう。

北朝鮮の地方の姿、フランス人カメラマンが隠し撮りでとらえた【画像】

リアルな北朝鮮を伝えるEric LafforgueさんのFlickr | ICHINOHE Blog

これは場所だけでなく、時間を変えた場合にも同じことが言えます。過去の写真や映像の場合、関係者もいなくなり、プライバシーへの配慮よりも、リアリティを人々は求めます。したがって、プライバシーに配慮した結果、モザイクだらけになっている最近の記録写真や映像は、少なくとも後の世代には、不満足な記録になってしまうのではないかと思います。

答えはありません。しかしGoogle Glassのようなウェアラブルデバイスの進化は、「つなげるもの」と「つなげないもの」の線引きについて、さらに考えを深めていくことを要求しています。今は主に、「便利だよね」と「こわいよね」の間でせめぎあっていますが、場所や時間を超えて、何を共有すべきなのかというのもまた、一つの論点なのではないかと思います。

(Yahoo!ニュース個人掲載記事を転載)

新潟日報モア「新潟ソーシャル時評」:「ネット選挙解禁」から見えたメディアの「中立・公正」次のステップ

しばらくこちらのブログでの告知はサボっていたが、新潟日報モアの「新潟ソーシャル時評」は、こちらと同等ないしそれ以上のペースで、書き続けている。新潟日報の公式アカウントも当初は外部での告知が遅れていたが、現在はFacebookページとTwitterからの告知が進んでいるので、こちらのブログで自分が告知するペースもちょっと落ちていた。

ただ今回は久々に、新聞記事に関するブログエントリーではないので、こちらで紹介しておく。情報ネットワーク法学会で続けている研究会「ソーシャル社会における情報流通と制度設計」での議論を紹介するもの。

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「ネット選挙解禁」から見えたメディアの「中立・公正」次のステップ

この研究は春から月1回のペースで継続していて、今回は7月に、「ネット選挙運動」について、立命館大学の西田亮介さんから報告していただき、議論をしたときのことをまとめた。「ネット選挙運動」それ自体よりも、その先にある、メディアの「中立・公正」をどうするのかという問題が議論の中心になっている。実はこの議論は、春からずっと続いているのだが、「ネット選挙運動」でユーザが「選挙運動」に関わるようになる中で、既存メディアの側が建前として貫いている「中立・公正」が、揺らいでいるのではないかという話だ。さらにいえば、既存メディアだけではなく、ニコニコ動画のような、どちらかというと通信サービスに近い「プラットフォーム」についても、今まで通りの「無色透明」ではいられないのではないかということにもなる。

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この研究会での議論については、一緒に研究会主査をやっている藤代裕之さんが、日経とYahoo!個人において、それぞれまとめたものを発表している。

「理念なきネット選挙」 試される政治との距離感  :日本経済新聞

偏向報道が問題なら、メディアの中立・公正を禁止したらどうか(藤代 裕之) – 個人 – Yahoo!ニュース

インフルエンサーの推薦は無党派層を動かせるか?:湯浅誠さんの推薦候補者名発表から

昨日湯浅誠さんが、Facebook上で、秋田の民主党候補である松浦大悟氏を応援しにいったというポストとともに。自ら推薦する候補者名を発表した。

Street Speech of Election of The Presidents of Democratic Party of Japan
Photo by Dick Johnson.

湯浅 誠

なお、私は参院選で、以下の方たちの推薦人(的なもの)になっています。
ご要請をいただき、かつ、国会で力を発揮してもらいたいと私が思う人たち。

(五十音順)
大河原雅子(東京)(無所属)
鴨ももよ(比例)(社民)
鈴木寛(東京)(民主)
田口まゆ(全国比例)(緑の党)
松浦大悟(秋田)(民主)

これに対しては多少批判的なコメントもついていたようで、その後非常に長いコメントで、自らが個人的に推薦する候補者を表明した理由を述べている(以下は一部抜粋)。

自民党圧勝確実と言われる中、私はそれが望ましいとは思わないので、1人区でも勝てる可能性のある候補がいるなら応援したい。
自分が動いても、しょせん数票とか10票とかにしかならないかもしれないし、1票にもならないかもしれないが、「競ってる」勝負なら、もしかしたら意味があるかもしれない。
「最善を求めつつ、最悪を回避する」ことが重要と思うから。
それが自殺対策や社会的包摂をやってきた松浦大悟なら、なおさら。

政治的中立とは、すべての候補者を平等に評価します、ということ。
政治総体に対して批判的立場を堅持とは、「どうせ誰がやったってダメだよ」とか言いながら棄権する(もしくは白票)ということ。
でもそれは、私がやらなくてもマスメディアがやっているし、多くの有権者がやっている。
私も、前回の衆院選までは、誰かの推薦人になることはすべてお断りしてきた。
でも前回から、個人単位で推薦人を受けることにした。
間近で見てきて、誰が、何を、どういう思いでやっているのかを多少なりとも知ってしまったのに、頼んできた相手に「あなたを他候補と平等にしか評価できません」とは言えなかったから。
そして、いま私は、誰かを応援することによって私が受けるリスクよりも、誰も応援しないことによるリスクのほうが高く、そこに一有権者としての責任を感じているから。

ご本人は、「自分が動いても、しょせん数票とか10票とかにしかならないかもしれないし、1票にもならないかもしれない」と謙遜しているが、都市ならばもっと大きな動きがあるのではないか。秋田での影響力は未知数だが。

公職選挙法の改正の中で、主に懸念されていたのは、「なりすまし」や「誹謗中傷」の横行であったと思うが、これまでのところ、目に見えて大きな影響は見えていない。また、所属する政党の財力によって、露出が左右されてることも懸念され、ネット広告についてはそれなりの規制がなされている。しかしネット選挙運動解禁で大きく変わるものの一つは、実は湯浅さんのような発言力のある個人、インフルエンサーの影響力なのではないか。湯浅さんの発言への反響を見ると、どうもそんな気がしてきた。

実はこの点、6/1の情報ネットワーク法学会特別講演会で、韓国中央選挙管理委員会選挙研修院教授高選圭さんから指摘があった。韓国でも、「Power Twitterian」と呼ばれる「インフルエンサー」の動きが注目され、候補者がこうした人々を訪問するといった動きが見られているという。

特別講演会「インターネット選挙運動解禁で選挙はどう変わる」

湯浅さんはおそらく「リベラル」を自認する人たちから比較的支持されているはずで、そのなかにも「無党派層」は多数いるはず。こうした人達が、たとえば秋田の選挙区で、どれぐらい動くのか。新潟で様子を見ている限りでは、地方の選挙区がこれで動いていくのは容易ではなさそうだが、たとえば秋田県でも秋田市その他の都市部では、一定程度、湯浅さんを知っているリベラル層は存在しているはずなので、この辺の票を掘り起こす効果があるかもしれない。

この講演会で、情報セキュリティ大学院大学の湯淺墾道先生が指摘していたのは、地方議会議員選挙のケース。地方議会議員選挙では、次点との得票数の差が1桁ということはよくあるそう。となると、インフルエンサーが誰を支持するかというのが、実は非常に大きな影響を持つ可能性もある。参院選は比較的選挙区も大きいので、一人の発言で結果が大きく左右されることはないのかもしれないが、湯浅さんの発言の反響を見ていると、そうとも言い切れないような気がしてきた。となると、地方議員の選挙だと、さらに振れ幅は大きくなるのかもしれない。

このほか厳密な意味では個人ではないのだが、楽天の三木谷浩史さんが、「新経連」という立場で、8人の候補の推薦を発表している。

三木谷浩史楽天会長や、北村晴男弁護士ら著名人も参院選の応援演説

新潟日報の公選法特集でインタビューを受けました

4月10日新潟日報朝刊4面「潮流時流」というコーナーの、公選法改正によるネット選挙の解禁についての特集で、コメントを掲載していただいた。長野清隆さんの署名記事。いつも写真をとっていただくのだが、自分自身のことをインタビューされた時以外は、採用されたことがなく、今回もこの写真は使われないだろうと油断していたら、意外にも掲載された。

新潟日報ネット選挙解禁特集

ちょうどこの件は、3月末に情報ネットワーク法学会の研究会のプレ討議で話題に出て、藤代裕之さんや西田亮介さんから、いろいろ示唆を受けたところであったので、自分のコメントにはその影響が出ていると思う。

結構強調したのは、「候補者はネットに、辻立ちとか集会の報告を載せたがるけど、それは求められてないと思う」という話。政治家たちはどうやったらメッセージを届けられるのか、というけれど、はっきりいって、辻立ちや集会の活動報告は、全く求められていないと思う。少なくとも、今までリーチできていなかった人たちにリーチしようと考えているのであればそうだ。その意味では、参院選新潟選挙区のある候補の陣営コメントとして「ネットはプラスアルファ(実際に会うのが大事だから)」という意見は、ある種のテンプレだが、それではネット利用はうまくいかないだろう。今まで集会に来てくれたような、いわゆる固定の「支持者」ではなく、実際に会えない無党派の人にどうやってリーチするかというのが、今回の焦点だからだ(つまりそういう無党派層を必要としていないのであろう)。

それと、「ネットのインフルエンサーがかなり踏み込んだ発言をして、選挙結果に影響力を持ちはじめるとすれば、マスコミはどうするべきなのか」という話もしたが、このコメントが採用されなかったのは織り込み済み。でも実際これは考えさせられる問題だろう。有象無象のTweetが、多少の落選運動を起こしても、とりわけ新潟のような地方では、そんな簡単に結果は左右されそうにない。しかし破壊力のあるブロガーが、選挙期間中に何かを発言をすることによって、風向きが変わるということは十分に考えられる。また、「Yahoo!みんなの政治」のような専門サイトが、多様な候補者の情報を、客観的に見せるようにもなっていくだろう。
マスコミはこれまで、出来る限り候補者の取り扱いに差をつけず、公平な取り扱いに気を使ってきた。それ自体は悪くはないのだが、果たしてそれを続けていくことはできて、その意味があるのか。党派性を明らかにするまではいかないまでも、「及び腰」ではなく、各候補者の過去の実績、発言、行動などに踏み込んだ発言が、むしろ必要になってくるのではないか。

高齢者への影響は、当面限定的ということなのだが、実際には高齢者って誰なのか。実は案外ネットを利用するシニア世代は増えているはずなので、リーチは広がっていくだろう。Youtubeなどの動画も、単にネットにのせるだけでなく、候補者のいない有権者の集まりで上映し、みんな共有していくというような使い方も可能になる。そう考えると、これまでの公示期間がんじがらめの状態がなくなれば、いろいろなことが徐々に動き始めるのではないかという気がする。

2/17ソーシャルメディア・デジタルジャーナリズム合同研究会を開催

昨年末にスタートした、情報ネットワーク法学会のソーシャルメディア研究会。私が主査の仕事をさせていただくことになったこの研究会と、上智大学橋場先生から藤代裕之さんに主査がバトンタッチされた、デジタルジャーナリズム研究会が、2月17日に合同で研究会を開催する。

ソーシャルメディア研究会とデジタルジャーナリズム研究会の合同研究会

概要:
WOMマーケティング協議会(WOMJ)ガイドライン委員長である駒沢大学山口浩教授からWOMJガイドライン改訂のポイントを話して頂き、テーマに沿ったディスカッションを行います。第一回目ですので進行などについては当日までに変更があるかもしれません。セミナーではなく討議スタイルで行います。

開催日時:2013年2月17日 14:15~17:30

<スケジュール(予定)>

14時15分 開場
14時30分 開始
17時00分 討議終わり、今後の進め方について
17時30分 終了

<参加資格/費用>

ソーシャルメディアやジャーナリズム、テーマに関心があれば学会員以外でも参加できます。
会場費の負担をお願いします(500円程度を予定)

当日は、WOMマーケティング協議会ガイドライン委員長の山口浩先生から、WOMJガイドライン改訂のポイントについて、解説がある予定だが、山口先生は今週、以下の様な「ステマ」に関するお話をされたようで、Slideshareに資料が公開されている。

また、シノドスにも以下の記事が出ている。

ステルスマーケティングへの「対策」について 山口浩 – SYNODOS JOURNAL(シノドス・ジャーナル) – 朝日新聞社(WEBRONZA)

情報ネットワーク法学会の会員でなくとも、今回の研究会には参加可能。都心での開催で、テーマも法学者限定の話題ではないので、多くの皆さんにご参加いただきたい。お申し込みは、以下のFacebookイベント、または、学会ホームページ掲載のメールアドレスまで。

情報ネットワーク法学会 ソーシャルメディア研究会/デジタルジャーナリズム研究会

inlaw 2012

情報ネットワーク法学会にて分科会「ソーシャルメディアの信頼性」開催

ずいぶん間が開いてしまった。12月1日情報ネットワーク法学会で分科会「ソーシャルメディアの信頼性」を開催、コーディネータをやらせていただいた。

写真は基調講演のもの。分科会の時にはさすがに撮影できていない。
inlaw 2012

この分科会は、情報ネットワーク法学会ソーシャルメディア研究会のスタートをアナウンス、今後の研究の方向性を考える目的も含めつつ開催した。パネラーには、落合洋司さん、藤代裕之さん、山口浩さんに来ていただいた。あっという間に時間が過ぎた。

情報ネットワーク法学会「ソーシャルメディアの信頼性」 – Togetter

最終的には、運営側が、ステマなどの問題を排除し、信頼性を担保するための努力をするにしても限度があり、読み手側のリテラシーにもある程度頼るしかないという結論にいたった。個人的には、リテラシーを一般ユーザ全般に期待するのはほとんど不可能な状態にあると思うが、監視業務を強化すれば果てしなくコストがかかるというのもわかる。

その後、ペニオクのやらせ記事問題が続々と出てきている。事業者がこれらを完全に排除することは不可能だが、「CMでやっているから安心」といってしまう人たちは、タレントがブログで紹介するとあっさり騙される。リテラシー教育で補うにも限界がありそうだ。

というわけで、今後は研究会発足に向けて準備を進めます。積極的にご参加ください。

第12回研究大会開催案内

FM

学生が運営を支えるなとり災害FM「なとらじ801」

くびき野メディフェス2日目は、臨時災害FMについてのセッションに出席した。東日本大震災以後に東北地方でスタートした臨時災害放送局は多数あるが、登米、山元、名取、南相馬の局からパネラーが登壇した。

<災害を超えて日常を支える持続可能なコミュニティー放送のあり方とは?>
東日本大震災被災地のコミュニティー放送や継続して地域に根ざしてゆこうとする臨時災害FM局、早くから救援に入った被災地外のFM局の関係者が経験を持ち寄り、災害時と日常を支えるラジオの在り方を検討します。

大久保 良  なとらじ(名取市臨時災害FM局)
今野 聡   南相馬ひばりエフエム(南相馬市臨時災害FM局)         
斉藤恵一   H@!FM(はっとエフエム)(株)(登米コミュニティエフエム)
高橋 厚   りんごラジオ(山元町臨時災害FM局)
日比野純一 (特)FMわいわい(神戸市長田区)(インドネシアから中継)
脇屋健介   FMながおか(株) (新潟県長岡市)
コメンテーター 金山智子  (情報科学芸術大学院大学)
コーディネーター  松浦さと子   (龍谷大学政策学部)

りんごラジオの高橋さんには、昨年、情報ネットワーク法学会特別講演会で、電話で出演していただいた。音声の品質が維持できずに申し訳なかったが、情報から隔絶された山元町に、どのようにしてラジオをスタートさせたか、非常に興味深いお話をうかがうことができた。今回はクリアな音声で、生でお話をきくことができた。

高橋さんと40以上年下という大久保さんは、なとり災害FMのな「なとらじ」を運営しているのだが、実は名取市の大学生だった。1日目、私たちの「ソーシャルメディア」分科会にも出席していたが、てっきり聴衆で参加している普通の大学生だと思っていた。大学生ではあったが、実は臨時災害放送局を代表してお話するパネラーだった。現在なとり災害FMは名取市から委託を受けて、NPO法人が運営しているのだが、常勤は1名。残りの運営スタッフの多くが大学生で、午前は大学、午後は放送、というような生活を送っているという。

FM

なとり災害FM なとらじ801のブログ

なとり災害fm なとらじ801(Facebookページ)

なとり災害FM ”なとらじ801” (fm_natori801mhz)さんはTwitterを使っています

コミュニティFM関連のシンポジウムでは、ネットを含めた新しい環境下で、ラジオの機能を誰がどのように担うかという話はあまり出てこない。たいていの場合、みんなラジオに愛着があり、同じ機能がネットによって担われるということについては、(テレビの人ほどではないが)あまり関心がなく、ある意味補完的な役割しか見出していないことが多い。もちろんラジオ局の運営においては、さまざまなプロのノウハウが必要だと思うが、ラジオは伝達手段の一つであり、他の手段との組み合わせで、とにかく必要な人に情報が届けばいいはず。また、ラジオとネットを連動させることで、新しい面白さも見つかるはずだ。しかし人員の少ない小さなFM局では、なかなかそれを実現するだけの余裕もないのだろう。

この点、今日の大久保さんはなかなか斬新であった。
ラジオを持っている事自体が大事なのではなく、コミュニティが大事。NPO法人化することで、今後どうするのか、みんなで決めることができるようになった。その先はラジオという形ではないかもしれない。という発言。前日の「ソーシャルメディア」分科会に引き続き、「コミュニティ」が大事というキーワードが出てきた。臨時災害FMが、コミュニティFMになるのかどうかは、営業的な問題がリアルにあるだろうし、そのためにはまず、「コミュニティ」の中でラジオ局が根付いているかどうかにかかっているのだろう。もし今後の自律的運営が難しい場合には、閉局して、別の方法で情報が循環すればよいということになる。この点は、大槌みらい新聞の「引き際」に言及した、藤代さんの影響があったかもしれない。
制度的にも、市民の声を拾う方法は多様に用意されている今、番組審議委員会を開催することはそんなに重要ではない。またラジオ局の開設についても、臨時災害やコミュニティ以外の免許があってもよいという話題も出た。なんらかの「交通整理」が必要であるにせよ、ラジオ局の設置理由はもう少しいろいろな可能性があるわけで、ネットではなく電波である意義があるのであれば、積極的に認めていくという可能性も、たしかにあるように思う(実際臨時災害放送局も、安定的に継続しているものだけではなく、すでに閉局してしまったものもある)。

何はともあれ、学生たちが番組を持つのではなく、局を運営しているというのは、初めて聞いた。もちろん学生「だけ」ではないのだろうけれど、震災後の非常事態を支えるべく、学生たちが献身的に局の運営を支えてきたという構図だ。今日のセッションでは、どこの臨時災害FMも運営は苦しく、給料も十分には払えないという話が出ていた。その中で、スタッフたちの使命感が、局の運営を支えているということだろうし、面的に局の運営をカバーするためには、学生が学業を犠牲にしなければならない場面もあるかもしれない。

非常に興味深いケースであった。ラジオ番組をやっているメンバーを含めて、一度学生たちをつれて、なとらじに行ってみたいと考え始めている。

Hokkaido Photowalk Yubari 20111016

北海道フォトウォーク in 夕張を3人で開催:夕張清水沢アートプロジェクト最終日

10/15の情報ネットワーク法学会の翌日、@arry_h @mountbook とともに、夕張へ。
これはもともと、帰りの飛行機の時間まで、道内のどこかで写真を撮ろうと、@arry_h と話していたもの。一応北海道フォトウォークという名前でFacebookで募集をかけてはいたものの、あまりまじめに誰かを誘ったりはしていなかったし、そもそも行き先も決めていなかった。行き先は金曜の夜に飲みながら夕張に決まった。もう一人の @mountbook は、学会の後で参加することに決まった。
というわけで、特に行き先も決めておらず、なんとなくさびれた風景を撮るつもりで出かけた夕張でのフォトウォークだったのだが、実はすばらしいイベントが行われていた。それも最終日。
夕張清水沢アートプロジェクト

日本経済の発展をエネルギー面から支えてきた北海道の炭鉱。なかでも夕張の石炭は、最高級の原料用炭として重宝された。30年前まで炭鉱が操業していた清水沢地区には、今でもズリ山や炭住が残り、そこに住む人々の間には炭鉱コミュニティが息づく。
100年にわたる炭鉱の歴史、その後の脱炭鉱の歩み、2006年の財政破綻など、光と陰の両極を経験した夕張。かつての記憶が薄れゆく中、空知各地の炭鉱電力の中枢であった「旧北炭清水沢火力発電所」から、アートの力で炭鉱の記憶を掘り起こすメッセージを発信する。

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「大震災とソーシャルメディア:その意義と課題」一般参加可能なオープンセッションに:情報ネットワーク法学会第11回研究大会(北海道大学)

10月15日北海道大学開催の情報ネットワーク法学会研究大会、すでにご案内済みであるが、アップデート。
午後の第二分科会、一戸が司会を担当する「大震災とソーシャルメディア:その意義と課題」を、オープンセッションとすることが決まった。このセッションのみ、非会員の皆さんにも無料で聴講していただけます。
東日本大震災とソーシャルメディアに関して発言し、行動してきたパネリストがそろっています。札幌市およびその近郊の方、ぜひご参加ください。
情報ネットワーク法学会
オープンセッション「大震災とソーシャルメディア:その意義と課題」(Facebookイベントページ)
オープンセッション「大震災とソーシャルメディア:その意義と課題」
   (情報ネットワーク法学会第11回研究大会第2分科会)
場所: 北海道大学人文・社会科学総合研究教育棟(W棟)W201教室
14時30分受付開始、15時15分~17時30分
入場無料
発表者
小林 啓倫氏((株)日立コンサルティング コンサルタント) @akihito
西條 剛央氏(早稲田大学MBA専任講師、ふんばろう東日本支援プロジェクト代表) @saijotakeo
谷脇 康彦氏(総務省大臣官房企画課長) @ytaniwaki
藤代 裕之氏(ジャーナリスト) @fujisiro
司会
一戸 信哉会員(学会理事・敬和学園大学人文学部准教授) @shinyai
※、受付では、「第2分科会に来た」あるいは「大震災とソーシャルメディアのパネルディスカッションに来た」とお申し出ください。
※第2分科会以外の会場に入場するには別途申し込み(有料)が必要です
POLAR BEAR BLOG(小林啓倫さんのブログ)
ふんばろう東日本支援プロジェクト
ガ島通信

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情報ネットワーク法学会第11回研究大会:参加申込受付中

10月15日、北海道大学で開催される、情報ネットワーク法学会の今年度の研究大会、個別報告のプログラムが固まり、参加申し込みの受け付けが始まっている。
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Photo by BONGURI

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