タグ別アーカイブ: 大阪

ダン・ギルモア「あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術」

今回大阪出張の際に(重いけど)持っていった本。ダンギルモア(Dan Gillmor)さんの「Mediactive」の翻訳。翻訳したのは朝日新聞編集委員の平和博さん。
まだ1章までしか読んでいないが、非常に興味深い。

新聞を読ませて、ちゃんとしたリテラシーを育てろ。今の学生たちはネットばかりやっていて、活字を読まないからダメなんだ。同世代より上の人たちと話していると、そんな話はよく出てくるのだが、「ちゃんとしたブログを書かせろ」とか「Twitterでの効果的な発信方法を指導しろ」とか「Facebookでは、どんなときにシェアをして、どんなときにいいねを押すべきか、反射的に行動しないように指導しろ」とか、そういう声はあまりあがらない(Twitterでヤバイことを言いださないように静かにさせろ、という圧力を、最近感じないこともないが)。

そのような危惧は、全く外れているわけではないのだが、もはや受信力を鍛えるだけでは不十分。自ら情報発信し、インタラクティブなやり取りの中で、信頼に足る情報も得るというプロセスを、構築する必要がある。学生たちや同僚など同世代以上の人たちにも、よくこんな話をするのだが、なかなか通じない。どちらかというと、「わたしそんなに暇じゃない」というような反応が多いような気がする。

本書は、既存メディアの存在が揺らぐ中、消費者もただ受け手としているのではなく、「メディアアクティブ」となって、働きかけながら新しい地平を作るべきだとし、その方法を解説している。まだその「解説」のところまでは読み進んでいないが、非常に実践的に、TwitterやFacebookなどソーシャルメディアを用いて、「行動する消費者」として活動していくべきかが書かれているようだ。

Niigata Arakiss

1988年にアラーキーの撮った新潟

新潟市では、今日明日と、にいがた食の陣当日座というイベント。大阪から戻った後、いくつかある会場のうちの古町会場にちょっと行ってきた。会場沿いにある萬松堂で何冊か本を買い外に出ると、入口に写真展のポスターが貼ってあることに気付いた。

Niigata Arakiss

モノクロで、新潟の若者たちの日常を切り取った写真展。面白そうだなと思ったのだが、よくみると「1988」と書いてある。さらによく見ると、たしかに「若者たち」の髪型、服装、しぐさが、2012年の今とはちょっと違うことに気がついた。1988年の新潟。

さらによく見ると、下の方に「アイコン」が!「Nobuyoshi Araki」、あー、アラーキー。「経惟」という名前の読み方が、いまだに頭に入らないので、気がつかなかった。1988年に新潟を訪問し、撮影したときの写真が展示されるようだ。

会場は、東堀通4の画廊Full moonで、2月21日(火)~27日(月)12:00~17:00。
画廊 Full Moon

ご本人が期間中に新潟に来るという未確認情報も見かけた。

1988年、自分はまだ高校生で、青森にいて、東京への進学を目指していた。新潟は、遠く離れた「別の雪国」で、「ねじれの位置」にあった。新潟で出会った多くの人たちは、それぞれの年齢で、1988年のリアルな新潟を体験している(学生たちは生まれていないが)。自分もいまこの人たちとともに、新潟に暮らしているのだが、体験は共有できない。もはやシェアすることのできない1988年を、のぞきに行きたいと思う。

Osaka Castle Park

情報処理学会電子化知的財産・社会基盤 (EIP) 研究会、今年度最後の研究会

昨日追手門大学大阪城スクエアにて、情報処理学会電子化知的財産・社会基盤 (EIP) 研究会の第55回研究発表会が開催された。2008年度から4年間にわたり、幹事というお役目をやらせていただいたが、昨日の研究会で任期が終了。来年度からは運営委員として参加させていただく予定だ。同じタイミングで幹事となった、徳島文理大学の橋本誠志先生も退任する。

EIP研究会

昨日会場となった追手門大学大阪城スクエア。大阪城が見える、素晴らしい眺望であった。

Osaka Castle Park

 

情報処理学会は、その名の通り情報分野の老舗学会の一つで、「理系」の研究者が多い学会。学会の運営体制等も、手作り感たっぷりの人文社会科学系の学会とはかなり違ったので、新しい世界を勉強させてもらった。ただEIP研究会は、社会科学系の研究者が比較的多く参加しているので、情報処理学会の中では特殊な、文系寄りのポジションではある。研究会は現在年4回開催。年に1,2回研究大会をやるという、人文社会科学系の学会から見ると、かなり活発に活動があり、幹事の忙しさも破格。ただその分、発表の機会は多数用意されているということなので、文系の若手研究者の皆さんにもぜひご参加いただければと思う。

情報処理学会の制度はわかりにくいが、情報処理学会に入会していただき、その上で各研究会に登録していただく、という形をとる。他の研究会と合同で研究会を行うこともあるので、いろんな分野の研究者の皆さんとお知り合いになれるのもメリットだ。

研究分野のスコープは、創設時の文書からは以下のように定義されている。

EIP研究会:設立趣旨

研究の分野

知的財産権一般(勉強から意見主張まで)
特許(ソフトウエア, デジタル技術)
著作権問題(ソフトエウア、 フリーソフト、データベース、ネットワーク)
倫理問題、
パソコンネチケット、
インターネットロット、
越境データ流通の問題、
ネットワークサーバの国内、国外での法律的差の問題、
コピープロテクション、
非標準化技術、
応用(アプリケーション)問題、
電子図書館、
著作権集中処理システム、
著作物クリアリングシステム、
カスタムテキストブック、
著作物のセキュリテイ、
通信のセキュリテイ、
暗号技術、
防衛技術、
電子貨幣、
エレクトロニックコマース、
WWW、
コンピュータウィルス技術とその対策及び発見技術、
コンピュータ不正アクセス技術とその対策及び検出技術、
ピア・レビュー、
表現の自由、
スキップジャック、
プライバシー保護、通信の秘密
など、上記デジタル技術革命がもたらす制度的、法的問題、 および、それらの関連技術一般を扱う。

 

現在文系研究者の報告は、知的財産関連、情報セキュリティなどが多いが、さまざまな分野を取り扱った研究発表がある。昨日も、「クリシェとしてのビッグデータ」「情報まちづくり論の試み」「リソース指向アーキテクチャによるカラーマネジメント」「石造遺物デジタルアーカイブ構築のための撮影手法の開発」といった幅広いテーマでの報告があった。招待講演も、京都大学の憲法学専攻、曽我部真裕先生から、「インターネット上での児童ポルノ流通対策における法的問題」。非常にバラエティに富んでいるのがおわかりいただけるだろう。

第55回情報処理学会 電子化知的財産・社会基盤研究会

来年度も11月に新潟開催を予定しているので、新潟近隣の方はぜひ発表の機会としていただきたい。

「日本海」引退と深夜の新津駅

大阪と青森を結ぶ寝台特急「日本海」、来春で廃止という報道が出た。
ブルートレイン・日本海、来春ダイヤ改正で引退 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
[N] ブルートレイン「日本海」引退へ
一度だけ、大叔母がなくなったときに、日本海で弘前まで帰ったことがあった。調べてみたら2007年の秋。
新潟駅には止まらず、夜中に新津駅に停車する。新潟駅からの最終で新津駅に移動し、しばらく駅の周りをうろうろしながら、電車が来るのを待った。どこかで飲みながらやり過ごそうと思ったが、ほとんどの店が駅ではなく、国道沿いにあったため断念した。夜中の新津駅周辺は、コンビニを除けば、ほぼ開いている店がなかった。その経験があったので、ごまどう山フォトウォークの懇親会で利用した、新津駅前の中華料理店が、夜中までやっているのを知ったときには、今度はここで「日本海」を待とうと思っていたのだが、どうやらその機会もなくなりそう。
火鳳 新津店 – 新津/中華料理 [食べログ]
ごまどう山での新潟フォトウォークを開催しました « Niigata Social Media Club / 新潟ソーシャルメディアクラブ
2007年に乗ったとき、車内の写真を数枚だけ撮っていた。全然覚えてないが、上のベッドだったようだ。

過去の記事:
大叔母のこと: ICHINOHE Blog
弘前で昔の記憶を収集: ICHINOHE Blog

週刊 ダイヤモンド 2011年 1/15号 特集「新聞・テレビ 勝者なき消耗戦」

「新聞・テレビ」現状については、ここ数年、一定周期でビジネス雑誌で取り上げられている。
今月は週刊ダイヤモンドが特集している。
(週刊ダイヤモンドは、最新号を、送料無料で送ってくれることを知り、今回はこれを利用した。ビジネス誌は、ソーシャルメディアで特集についての情報を得て購入することが増えた。そういう意味でこの配送サービスは非常にありがたい。)

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大手民放ラジオが、ネット同時放送に踏み切る

東京大阪の大手ラジオ局が、ネット配信に踏み出すという話題。日経BPが未明に単独で配信し、今朝から大きな話題になっている。

リンク: 大手民放ラジオ13社、ネット同時放送解禁へ:日経ビジネスオンライン.

AM、FM、短波の大手民放ラジオ局13社は、3月中旬から、地上波と同じ放送内容をインターネットでもサイマル(同時)送信することを決めた。日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本レコード協会といった権利団体とも合意を得た。2月中にも正式発表する。
 

パソコンなどから「RADIKO(ラジコ)」のウェブサイトにアクセスすれば、無料で地上波と同じラジオ放送を聴けるようになる。ただし、アクセス元のIPアドレスから住所を類推する仕組みを用いて、当面は首都圏と大阪府の利用者に限定する。

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chumby(チャンビー) 日本公式サイト | 株式会社ジークス

「chumby」日本語版発売

目覚まし時計のような形状で、ネットにつながって、小さな画面にいろんな機能を盛りこめるガジェット、chumbyに、日本語版が発売された。

これまでは英語版を直輸入するしかなかったのだが、株式会社ジークスが、正規代理店となる。

 

Chumby Industriesは5月18日、多機能ガジェット「chumby」の日本語正式版を発売した。価格は2万9400円。

chumby(チャンビー) 日本公式サイト | 株式会社ジークス
 

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リチャード・フロリダ 「クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める」

POLAR BEAR BLOG: 「日本か海外か」じゃなくて、「大都市か田舎か」なのかも。で紹介されていたので、早速買ってきて読んでみている。ようやく2章まで読んだところ。

2000年に、「フラットな世界」を信じて東京を飛び出した僕には、耳の痛い話が満載だ。国ではなく、世界の中のごく一部の大都市圏に、あらゆるものが集中してしまうという現象は、グローバリゼーションの中にあって、むしろ加速化し、格差を広げているという。しかもその格差というのを、人口密度、経済活動、イノベーションという三つの要素で見た場合、イノベーション(ここでは特許件数でみている)での偏りがもっとも大きいというのだ。

もちろん僕は、この10年を通じてこうした「格差」を、身をもって体験してきたわけなのだが、あらためてこのように分析されると、暗い気分にならざるをえない。ただ、東京や大阪のような勝ち組都市(「メガ地域」)には逆立ちしてもなれない地域も、それならそれで、別の道をどのように見つけるかを考えればいいはずだし、そのためにも役立つ一冊といえそうだ。

中野潔先生逝去

昨晩メールで、大阪市立大学の中野潔先生が亡くなったことを知った。47Newsにも訃報が出た。

リンク: 中野潔氏死去 大阪市立大大学院教授 – 47NEWS(よんななニュース).

中野潔氏死去  大阪市立大大学院教授
 中野 潔氏(なかの・きよし=大阪市立大大学院教授、都市情報学)25日午前8時5分、間質性肺炎のため堺市の病院で死去、53歳。神奈川県出身。葬儀・告別式は28日午後1時から横浜市戸塚区川上町916、鳳倫閣で。喪主は妻純子(じゅんこ)さん。

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国立大学の統廃合私案と地方私学の立場

国立大学の統廃合を勝手に考えてみた記事が話題になっている。かなり大胆に大学を統廃合し、地方には中核大学だけを残すという考え方だ。東京の人から見たらまあこんなもんだろうという線だし、地方の人から見たら暴論だ。はてぶでの反応もおおむねそんな感じ。

リンク: 国立大学の統廃合私案 – Chikirinの日記.

橋下府知事が「大阪府立大学なんか要らないのでは?」と言ったとか言わないとか、という報道を聞いて、「要らんよね、たしかに」と思ったちきりん。ふとそのことを口にだしたら近くにいた知人が言った。「府立大どころか、国立大学だって半分くらい要らないと思うよ。」と。

で、ふたりで「国立大学って何校必要?」ってのを勝手に考えた。そもそも現時点で何校あるのかも知らなかったので文部科学省のサイトの一覧を一緒に見ながら考えた。放送大学を含め88校あるらしい。

って聞いただけで「あ~、確かに多すぎだね」と思った。公立大学(都道府県や市立の大学まである)を除いた国立大学が88校なんて直感的に「多すぎ」って気がします。明らかに民業圧迫。

だいたい18歳人口はもうすぐピークの半分以下になるんだから、普通に考えれば大学の半分は不要になるはず。国公立が税金を背景に「赤字でも倒産しない」という特権を振り回せば民間の大学にその分のしわ寄せが行く。そもそも国も地方も財政赤字なんだから、だったら率先して撤退すればすべて丸く収まるじゃん。

ということで、勝手に「ここ残す」「ここ要らん」と決めて見た。

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