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あいかわらず「利用者不在」の新幹線駅名:「奥津軽いまべつ」「新函館北斗」

北海道新幹線の北海道北斗市までの駅名が決定しました。新青森からの先は「奥津軽いまべつ」「木古内」「新函館北斗」になります。

JR北海道は11日、北海道北斗市で建設が進む北海道新幹線の新駅名を「新函館北斗」、青森県今別町の新駅名を「奥津軽いまべつ」にすると発表した。札幌市の本社で記者会見した島田修社長は「多くの人に愛され、使ってもらえる駅になってほしい」と述べた。

 新函館北斗は「新函館」との仮称だったため北斗市側が反発。函館市との協議もまとまらず、両市はJR北海道に一任していた。禍根を残すことを恐れた同社は道に意見を求め、道は新函館の仮称がなじんでいるとする一方、立地する北斗市への配慮も求めていた。

 島田氏は「新函館北斗なら新幹線が函館行きであり、駅が北斗市にあることも分かる」と命名理由を説明した。

北海道新幹線新駅名は新函館北斗、奥津軽いまべつ  :日本経済新聞

北海道側の、駅の所在地である北斗市に配慮しつつも、おそらくメインの訪問地となる函館市の玄関口としての機能を重視して「新函館北斗」という名前になったということでしょう。たしかに北斗市のイメージはあまりないので、駅名に入ることにより、北斗とはどんなところなのか、想起してもらえる効果はあるように思います。

青森側の最北の駅「奥津軽いまべつ」の決定の経緯もまた、なかなかややこしいです。現在の駅が「津軽今別」で、新駅は「奥津軽」という駅名が当初予定されていましたが、今別町の提案に沿う形で「奥津軽いまべつ」に落ち着いたということです。

函館の集客力を前にすれば、現在の終着駅である青森ですら存在がかすみ、「通過駅」の存在になってしまう懸念があります。実際新青森開業の際にも、「函館まで延伸する前に、『通過駅』にならないよう自力をつけなければ」という話がでていたように記憶しています。はたして「自力」はついたといえるのか。青森出身者としては、実は正直、この点も心もとないです。

「北斗」は「函館」にくっついて名前が表示されることにより、存在を認知される可能性があるでしょう。北斗市については、ずーしーほっきーのイメージはありますが、そのほかは特に強く記憶に残っているものはありません。しかし駅の利用者はそれなりに見込まれるわけですから、これでも十分な宣伝効果があるのではないかと思います。

かたや「今別」はどうか。これは非常に苦しいところです。青森県今別町は、日本創成会議が先日発表した、全国市区町村別「20~39歳女性」の将来推計人口によると、2050年の「20~39歳女性」は、2010年の数との比較で-88.2%となる町です。人口も1200人台まで落ち込むと予想されています。あくまで予想といえば予想ですが、今別はつまり、圧倒的な「過疎」の町です。この今別を救済するいわば「起爆剤」として、「奥津軽」に「いまべつ」をくっつけるという案が提案され、採用されたということになります。地元が要望する気持ちは痛いほどわかりますが、この名前だけで、駅の乗降客が増えるとは考えにくいです。

ところでこれらの決定の経緯に、一般の利用者の利益はどれぐらい考慮されているのでしょうか。一般の利用者は、(鉄道ファンでもなければ)現時点でこれらの駅にさほどの関心はないので、どうしても「地元」の声が強まります。しかし長い駅名は、利用者にとってのメリットは少ないです。

上越新幹線では、「燕三条駅」がその典型でしょう。隣接する燕市と三条市、どちらの駅名にするかなかなか決まらず、結局2つ合わせた駅名になったと聞いています。「燕」が先か「三条」が先かが争われ、「燕」が先になったけれども、駅長室は三条市になったというような話を聞いたことがありますが、正確なところはわかりません。つまりそれぐらい、駅名をめぐる争いは激しかった。しかし今はどうでしょうか。実は燕市、三条市というそれぞれの存在よりも、圧倒的に「燕三条」という地名が存在感を得ています。他県の方の中には、燕市と三条市ではなく、燕三条市として認識している人もいるのではないでしょうか?

「奥津軽」という切り口はこれまで認識されてこなかったもので、青森の中でも津軽半島の北部には、津軽海峡をのぞんだ雄大な自然があるのではないかという、印象を持たせてくれます。そこに「いまべつ」をつけるかどうかは、正直利用者にとってはどちらでもよかったのではないかと思います。今別町にとっては、短期的に町の知名度があがるという効果がありそうですが、それだけでは乗降客は増えないと思います。むしろ「奥津軽」としてのブランドをどう築いていって、新青森でもなく新函館北斗でもないこの駅を、どうやって利用してもらうかを考えることが大事ではないかと思います。

さもなくば、新函館北斗駅に向かう乗客に、「誰もいないのになんで止まるんだろうなあ。政治駅だよな。」といわれる存在になってしまうことでしょう。

(Yahoo!ニュース個人より転載)

中頓別町議が、村上春樹作品に「マジレス」

村上春樹さんの作品をめぐって、急に注目を浴びた中頓別町。自分が2000年代前半を過ごした稚内が属する、宗谷総合振興局管内(旧宗谷支庁管内)の町なので、大変懐かしい。

#かつて「管内」という言葉(支庁の管轄地域を基準にして地域について話すときの言葉?)を聞いて、よく意味がわからなかったが、今でも使われているのだろうか。

村上春樹さん、中頓別町議からの質問状に回答

作家の村上春樹さんが月刊誌「文芸春秋」(昨年12月号)で発表した短編小説「ドライブ・マイ・カー」をめぐり、北海道中頓別町の町議6人が、町への誤解を招く表現があるとして、出版元の文芸春秋に真意を問う質問状を送った問題で、村上さんは7日、文芸春秋を通じて見解を発表した。村上さんは、北海道への親近感を込めて作品を書いたが、単行本化の際に別の名前に変えることを検討しているという。質問状は7日付で送付されたが、文芸春秋はまだ受け取っていない。

小説では、中頓別町出身の女性が車窓から火のついたたばこを外に投げ捨て、主人公が「たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」と思う場面が描かれていた。

宗谷

地図を見ていただくとわかるが、中頓別は宗谷の中では南側にあり、稚内から100キロ以上離れている。100キロというのは、稚内感覚ではそんなに遠くはないのだが。
ゼミ合宿を、ピンネシリオートキャンプ場で行い、敏音知(これでピンネシリと読む)岳にも登ったこともあった。大きな商業施設はほとんどないが、オホーツク海から少し内陸に入った場所にあって、鍾乳洞があり、砂金採りもできる、静かないい町だった記憶がある。

キャンプ | 中頓別町

個人的には、タバコの車からのポイ捨てを、中頓別でよく見かけたということはない。しかし北海道全般で、窓から投げ捨てはもちろんのこと、扉を開けて灰皿の中にたまった吸い殻を外に捨てる人を、何度も見たことがある。北海道に限らず、人口密度が低い場所では、他人の目が気にならない場所で、こうしたモラルの低い行動が一定割合で見られるということだろう。こうした一般的な状況認識が、たまたま耳に残っていた中頓別という地名と結びついて、今回のようなシーンとして登場しても、さほど違和感はない。しかも今回問題となっている、「たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」部分は、登場人物の推測にすぎない。

しかし中頓別の一部町議は、これが許せないということで、質問状を送りつけるといういわば「マジレス」を行った(厳密にいうと、レスではないか)。町の評判を著しく害するということなのだろうか。自分だったら作品から消してもらうよりは、せっかく著名作家が「中頓別」を登場させてくれたので、これをネタにして、「実際には喫煙率が低い」とか、あとなんだろう、街の知名度をあげるような使い方をさせてもらう。いやひょっとすると、この「質問状」自体が、町の知名度をあげるための「炎上マーケティング」のような、高等戦術なのだろうか。

自分自身は作品を読んでいないが、小説の中身まで踏み込んで、このような批判をすることは、正直「無粋」だと思う。フィクションの中での取り扱われ方について、町議のような公共的立場にある人が介入するというのは、正直やり過ぎだろう。
しかし「無粋」だろうと「マジレス」だろうと、町の評判は守りたいというのが、質問状を出した人たちの気持ちなのかもしれない。ソーシャルメディアは、世間にたくさんあるこの手の「無粋さ」を可視化した。子連れの家族に舌打ちする大人の無粋さも可視化されたし、「子育てに冷たい社会」んついての議論の中でも、さまざまな「無粋」な意見が可視化された。静かな町中頓別の人たちは、ここまで大事にするつもりもなかったのかもしれないが、結果的に「無粋さ」をさらすことになった。評判はあまり守られなかったような気がするが、(少なくとも短期的には)知名度はあがったかもしれない。

ちなみに、中頓別の隣には、クッチャロ湖で知られる浜頓別町があり、頓別川という川が流れている。「トンベツ」というのは、アイヌ語の「ト・ウン・ペツ」から来ており、「沼に行く川」という意味になるようだ。

中頓別町トップページ | 中頓別町

浜頓別町ホームページトップページ

ドラマ「足尾から来た女」谷中村住民の集団移住先は、北海道佐呂間町であった

1月18日と25日、NHK総合で放映される「足尾から来た女」。田中正造の紹介で福田英子宅に派遣された女性を軸にしたドラマだ。

足尾から来た女

土曜ドラマ「足尾から来た女」|NHKオンライン

明治末。栃木県谷中村は足尾銅山の鉱毒で田畑を汚染された。田中正造の闘いもむなしく、村は16戸にまで激減。国は住人に村を捨てるように命じ、残った家の強制執行に踏み切った。
この谷中村の娘が田中正造の仲介で社会運動家・福田英子宅に家政婦として派遣された史実をもとに、一人の女性が見知らぬ東京の地で石川三四郎や幸徳秋水ら社会主義者たち、さらに石川啄木や与謝野晶子など多彩な人物と交わる中で成長する姿を描く。
故郷を失う苦しみを味わいつつ人間としての尊厳を守り、たくましく生き抜くヒロインを、NHKドラマでは連続テレビ小説「カーネーション」以来の単独主演となる尾野真千子が演じる。

尾野真千子さんは、「カーネーション」以来の「単独主演」ということだが、先日放映された「夫婦善哉」でも、森山未來さんと二人で主演している。文字が読めない貧しい農村生まれの女性が、とまどいながら東京で暮らすという設定を、見事に演じている。
柄本明さん演じる田中正造は、なんだか本物に見えてくるようであった。

さて、強制的に廃村に追い込まれる谷中村の人々はどうなったのか。ちょっと検索してみたところ、北海道常呂郡サロマベツ原野に集団移住したとある。稚内の近く「サロベツ原野」があるので、似ているなと思ったが、そこではなく、現在の北海道佐呂間町であった(その後、妻がいろいろ調べてみていたようで、「サロベツ」も「サロマベツ」も、もともとはアイヌ語の同じ言葉が語源のようだと教えてくれた)。

佐呂間町に「栃木」という集落があり、ここが谷中村の人々が集団で移住してきて、苦労しながら開墾した土地だそうだ。札幌の開拓記念館だっただろうか、道北開拓の歴史に関する展示を見たのを思い出した。


大きな地図で見る

佐呂間町のウェブページに「もう一つの栃木」という、集団移住者の歴史に関するページがある。開拓の歴史がかなり詳しく記録されている。
大切なサロマの歴史|佐呂間町の紹介|佐呂間町

2013年に、読売新聞が栃木地区を取材した記事も残っていた。住民が「栃木」という地名にこだわりをもって、祖先が苦労して切り開いた土地を守っていこうとしていると報じている。

102年前 北の大地へ入植 : 伝える 北海道の栃木 : 企画・連載 : 栃木 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

栃木の谷中村の痕跡については、産経に記事があった。
【ロケ地巡りの旅】ドラマ「足尾から来た女」渡良瀬遊水地 昔、ここに村があった 水塚や墓石…ヨシ原の中にわずかな痕跡+(1/2ページ) – MSN産経ニュース

新潟ソーシャル時評:「放射性廃棄物処分と地方」の問題に切り込んだ連載「狙われる地方」

新年から、新潟日報モアのブログに投稿したものを、数日経ってから個人ブログ「ICHINOHE Blog」にも転載させていただくことにした(すべて転載するかどうかは決めていない)。新潟日報モアでは、原則「ですます」で書いているので、少しテイストが違うのだが特に修正はしない。

(2014年01月15日新潟日報モア「新潟ソーシャル時評」から転載。)

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新年明けましておめでとうございます。今年も「新潟ソーシャル時評」をよろしくお願いします。

新年最初の記事は、1月1日から8日まで「第一部」が連載された「狙われる地方」をとりあげてみましょう。

「狙われる地方」は、今年の新潟日報の通年企画の一つ「再考 原子力 新潟からの告発」の最初の連載企画です。

以下のような内容が掲載されています。単に新潟の視点に立つだけではなく、「地方」の視点から、多角的に放射性廃棄物処分の問題に迫っています。

1.2011年、原子力発電環境整備機構(NUMO)の勉強会支援事業に、関川村の住民が応募、ほぼ採択の通知を得ました。その後東日本大震災が発生し、NUMOのすべての事業が中断、この勉強会も事実上頓挫した状態になっています。関川村の湯蔵山は、80年代に、放射性廃棄物の地層処分の「適地」として、旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の報告書に記載されています。記事の中では、この勉強会の目的は、「地層処分」に対する理解を深めて、最終処分地の候補として、徐々に地ならしをしていくことにあったと、示唆しています。

2.2000年成立の「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」には、附帯決議があり、その中では、最終処分地を決定するにあたっては、「人口密度等」の社会的条件を考慮すると書かれています。これはつまり事実上、人口集中地域を外すという方針ではないかと、記事は指摘しています。関係した議員の発言等を見ても、そもそも「都会に作る」という発想はなかったということがうかがわれます。

3.小泉元総理が、「10年以上かけて1つも処分地を見つけられない」ことを理由に「即時原発ゼロ」を主張しています。一方では、これに刺激される形で、政府与党も動き出しています。12月には、高レベル放射性廃棄物の最終処分推進の超党派議員連盟が発足、経産省でも国のエネルギー基本計画案の中で、最終処分地の決定を「国主導」で行う方針が示されています。

4.最終処分地は決定されていませんが、地層処分に関する研究を行う機関は、北海道幌延町と岐阜県瑞浪市に設置されています。幌延町は当初、地元の「手挙げ」により、最終処分の候補地となりましたが、結局核のゴミを持ち込まないという条件付きで、研究施設が設置されることになりました。現在、最終処分地の決定を行うにあたり、地元からの「手上げ」方式は機能していません。処分地決定の最初の段階である「文献調査」に、一度高知県東洋町が応募したものの、結局、選挙で反対派町長が当選し、頓挫しました。これが、唯一の事例です。そこでこの状態を打開するため、「国主導」という考え方が検討されているわけです。「国主導」になるということはつまり、地方の意向がないがしろにされるおそれがあるのではないか。この点が本連載では示唆されています。ちなみに新潟県には、80年代の動燃報告書で、最終処分地の「適地」とされた場所が7ヶ所(村上市、関川村、阿賀野市、阿賀町、魚沼市)あります。

5.最終処分地設定を行う機関原子力発電環境整備機構(NUMO)は、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定を担う機関として、2000年に発足していますが、なかなか実績を挙げられないまま、現在に至っています。実はNUMOの職員の6割が電力会社からの出向者で、役員も経産省OBが並んでいるという「混成部隊」であり、最終処分地を決めるという難題に取り組むには、「悲壮感」や「使命感」が十分ではないという指摘が、記事の中で紹介されています。

6.青森県むつ市に、リサイクル貯蔵(RFS)の中間貯蔵施設「リサイクル燃料備蓄センター」が完成しました(1月15日に、安全審査を原子力規制委員会に申請しています)。柏崎刈羽の貯蔵プールをの8割を埋めてしまった(他の原子力発電所の貯蔵プールもかなり埋まっているという)使用済み核燃料は、ここに運ばれ、再処理までの間、保管されることになります。新潟から排出される使用済み核燃料が青森へ。地方から地方へと、負担がつけまわされる構造です。青森県もこの施設を作るにあたり、「最終処分地にしない」との約束を、政府と確認しています。

7.2012年9月、日本学術会議は、「暫定保管」という考え方を提唱しています。高レベル放射性廃棄物の最終処分地が決まるまでの間、取り出し可能な場所に廃棄物を置いておくという考え方です。使用済み核燃料の再処理を前提にした核燃料サイクルが止まってしまえば、「核のゴミ」の行き先はなく、この「暫定保管」によって、最終処分地が決まるのを待つしかなくなるのではないか。そうなれば、柏崎刈羽の構内でも、永久化の懸念を抱きながら、「暫定保管」をするしかなくなるのか。

連載の最後では、再稼働問題は使用済み核燃料の処分問題と不可分であり、いずれの問題も、中央と地方のあり方を問い直す大きな課題であると、結ばれています。

2000年から6年間、私は北海道稚内市に住んでいました。稚内市から幌延町は、車で1時間ちょっとの距離にあり、幌延町はよく出かけた場所です。この地域で幌延町は、深地層研究センターの受け入れで潤っている町と見られていました。深地層の研究をしているだけで、最終処分地にしないといっているけれども、「でも本音は最終処分地にしたいのでは?」と、思っている人が多かったように思います。

青森県は私の出身地ですから、六ケ所村に、使用済み核燃料を処理する、核燃料サイクル基地があることは知っています。かつては六ケ所の問題が国政選挙の争点となり、「核燃まいね(ダメ)」を掲げた候補が、選挙に勝利したことをも覚えています。またむつ市に貯蔵施設を作る計画があることも知っていました。青森県自体が貧しいがゆえに、このような施設を受け入れなければならないのだろう。しかしこれでいいのだろうか。と思いつつ、当時の私は正直、あまり関心がありませんでした。

新潟に住んで7年、中越沖地震が起き、柏崎刈羽原発の安全性が問われ、その後東日本大震災で、福島第一原発で重大事故が起きました。使用済み核燃料を燃料プールで保管しておくことの危険性も認識されました。

こうした「負担」はすべて、「地方」が受け入れています。しかし原発を稼働させ、廃棄物を貯蔵し、処分するところまでは引き受ける地域があるのですが、「最終処分」という大きな負担を引き受ける地域は出てきません。最終処分地を急いで決めなければならないとするならば、「地方」が手を挙げるのではなく、国が責任をもって決めるという方向に行かざるをえないでしょう。そのとき私達は、たとえ自分たちに負担が回ってこなかったとしても、負担を押し付けられた地域の立場に立って、考えることはできるでしょうか。

この原発の問題についてはとりわけ、原発立地県の新潟県民の中で、東京の人たちの「エゴ」を感じる人も多いでしょう。しかし自分のところに負担が回ってこなかったとき、同じように問題を軽く考えてしまうとすれば、東京の人たちの姿勢を軽々しく批判することはできないでしょう。

今回の連載は、「新潟の視点」ではあるけれども、青森や北海道といった他地域の事情も取材して、それぞれ「点」として存在している原子力関連の各地域の問題を、つなぎあわせることに成功しています(私の関係する地域が多く出てきたので、特にそう感じたのかもしれませんが)。今後も、「新潟の視点」を維持しつつ、「原子力」について多角的に考えさせるような連載を、このシリーズに期待したいと思います。

地層処分については、先行して地層処分の施設建設を進めている、フィンランド、オルキルオトの施設を取材した映画「100,000年後の安全」がありますね。

映画『100,000年後の安全』公式サイト

1月20日19:45から、Ustream番組「敬和×日報『Newsナビ』」で、この連載をとりあげます。論説編集委員でもある、小林報道部長をお迎えして、今回の連載の狙いについて、詳しくお話をうかがいます。私一戸も出演し、学生とともに議論に参加します。皆さんよろしければご覧ください。



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北海道放送室谷香菜子アナの完全津軽弁番組「香菜子のなまらないと」

昨晩動画検索をしていてたまたま見つけたHBC、北海道放送のラジオ番組。実は2011年から続いている番組なのだが、北海道のみの放送なので、新潟県民が知るはずもなく、全く気がついていなかった。青森県民も、あんまり気づいてないような気がする。現在は、毎週水曜の17:10-17:20の10分番組。

香菜子のなまらないと

なまらないと

室谷アナは青森県出身、明の星高校、青森公立大学の卒業なので、完璧な津軽弁を話す。しかし普段の仕事では標準語で話しつつ、この番組の時だけ、完全に津軽弁に切り替えるようだ。津軽弁話者ならばわかるのだが、単純にちょっと「なまっている」という状態ではなく、津軽弁独特の細やかな表現をきちんと使いつつ、しかも、道民が聴いてもなんとなく意味がわかる程度に押さえている(と思う)。

内容は通常のトーク番組だが、番組宛のメールも、すべて津軽弁に「変換」しているらしく、すべてが津軽弁に満たされている。現在のスポンサーは津軽海峡フェリーで、この提供読みも津軽弁で行われるという徹底ぶりだ。単に「ネタ」として津軽弁が話されているというわけではなく、「津軽弁番組」としての完成度も非常に高いと感じた。

北海道放送はTBS系列のラジオ・テレビ兼営局。青森で同様の兼営局であるRAB青森放送は系列が異なるので、RABラジオでこの番組を放送することはなさそうだ(ラジオの場合はこの辺柔軟なようなが気もするけど)。というよりも、青森で津軽弁で番組をやっても、普通の番組なのであまりウケないかもしれない。

香菜子の今日はどんな一日かな~♪

先日弘前市役所で講演に呼んでいただいた際、津軽弁なまりで話そうとしたができなかっただけに、彼女の見事な切り替えぶりに、ただただ敬服するばかりだ。

弘前市役所で講演させていただきました:「津軽弁なまり」への切り替えは難しい | ICHINOHE Blog

札幌大学が学部を統合、1学群13専攻制に

先ほど教えてもらったのだが、札幌大学は5学部を統合し、1学群13専攻に組織変更を行うと、5月に発表していた。1学群で定員900名だそう。非常に大きなチャレンジといってよい。

大学プレスセンター – 2013年、札幌大学は「1学群13専攻」へ――将来の夢、キャリアに合った学びを「サツダイマッチング」で見つける

●「主専攻」(学士となるために選択できる専攻)は13
「経済学」「地域創生」「経営学」「法学」「現代政治」「英語」「ロシア語」「日本語・日本文化」「中国語・中国文化」「歴史・文化」「異文化コミュニケーション」「スポーツ文化」「現代教養」

●授与される学位は6
 「経済学」「経営学」「法学」「文化学」「英語」「ロシア語」

●13の「主専攻」に加え、13の「主専攻」から提供される「副専攻」の選択を推奨

●トップランナーでありたい、特待生となりたい学生のために「エキスパートコース」を開設

●「主専攻」は「主専攻」として、さらに正課・正課外を問わず、自分の可能性を広げたい、試してみたい学生のために「アクションプログラム」を開設

●「エキスパートコース」「アクションプログラム」に合わせた特別な入学試験制度

現在は、5学部6学科体制。その中にさらにコースがあったのかもしれないが、1学群の中で、13の専攻を横断的に学べるというのは組織的にも拡張した(ように見える)上に、学生の選択の幅も広がるわけで、非常に魅力的に見える。「サツダイマッチング」という「じっくり自分の学びの形を見つけて欲しい」という考え方も、用語がどこまでキャッチーかはともかく、昨今の学生の好みにもマッチしていると思う。おそらくこの組織変更の背景には、非常に大きな危機意識があったと思うが、一方で学部組織を統合してしまうわけで、内部の抵抗もおそらく強かったのではないかとも思う。

一学群の中での「アラカルトメニュー」方式である一方で、そこでの学び方もかなり多層的な組立てになっている。たとえば、主専攻・副専攻の組み合わせ、だけではなく、特待生級の学生が一つの専攻をきわめていく「エキスパートコース」(法律と英語が対象のようだ)、主専攻に加えて正課外の活動も含めて多様な活動を行う「アクションプログラム」も用意されている。「アクションプログラム」には、

・「グローバルアクションプログラム」(国際交流センターと提携)
・「キャリアデザインプログラム」(キャリアサポートセンター、学内NPO法人と提携)
・「教職アクションプログラム」(教職センター、学内NPO法人と提携)
・「ウレシパプログラム」(札幌大学ウレシパクラブと提携)

の4つが用意されている。「アクションプログラム」と「副専攻」は区別されているが、「アクションプログラム」と単位修得との関係がどのように整理されているのかが気になるところ。

また入試制度が、「エキスパートコース」「アクションプログラム」に連動するというのもどうなるのか。前者は非常に優秀な学生を特待生待遇で迎え入れるという想定のように思えるが、後者がどういう形になるのかも大変興味深い。

一学群体制になるということは、個別の専攻は受験産業の学部・学科一覧から消えてしまい、「地域共創学群」という名前だけがリストアップされることになる。こうした受験産業の分類に基づく進路選択を覆すパワーを、独自広報が発揮できるかどうか。そこがこの改革の成否を分けることになるように思う。

今年度のCMが、公式チャンネルで公開されていた。

沿岸バスのiOSアプリ「萌えっ子ばすなび」、最寄りのバス停から観光名所までの遠さがすごい

北海道の道北地域を広くカバーするバス会社沿岸バスが、「萌えっ子フリーきっぷ」というのを出している件は、以前このブログでも紹介したのだが、iOSアプリが出ていることがわかったので、昨晩いじってみた。無料。

(追記:このアプリは、沿岸バスの公式アプリではなく、沿岸バスの協力のもと、Artisan Forceが制作している。)

App Store – 萌えっ子ばすなび

萌えキャラと北海道旅行 沿岸バスの萌えっ子がiOSアプリに – ねとらぼ

萌えっ子ばすなびは、沿岸バスの周遊きっぷ「萌えっ子フリーきっぷ」に描かれているキャラのファンアプリ。沿岸バス公式アプリではないが、沿岸バスから画像提供などの協力を得て開発された。

 

アプリでは、萌えっ子フリーきっぷで乗車できるバス路線沿線を含む北海道北部の観光スポット322カ所を紹介。バス停留所付近の観光スポットを検索したり、停留所から観光スポットまでの直線距離を確認できる。景観の良さ、キャンプ場、紅葉などの条件で検索もできる。

 

以前自分が住んでいた稚内市は、「宗谷バス」の営業区域なので、沿岸バスにはあまりご縁がなかった。が、これを見ると、稚内市でも郊外になると沿岸バスの営業エリアになっているところがあるし、アトピーによいとされる豊富温泉がある隣町の豊富町も、営業エリアであったことがわかる。

たぶんメインの機能は実用的な部分ではなく、歴代萌えキャラ紹介。キャラクターの名前はみな、沿岸バス営業区域の地名にちなんだ名前になっているようだ。

暑寒ななか。暑寒別岳は、増毛にある山。札幌まで車で移動するときによく見ていたが、登ったことはない。

増毛智恵理。増毛町のことだろうけど、「増毛」って苗字あるのかな?

個人的に面白かったのが観光ガイド。フリーキップの話題が出た時にも思ったのだが、道北の交通事情を知らない人が気軽にフリーキップで乗り降りして大丈夫か?ということ。バスは運行間隔は長いし、観光拠点の近くにバスが停まるとは限らない。

このアプリで、停留所から最寄りの観光拠点を表示してみると。

一番近い観光名所まで5キロとか10キロとか。その距離をみんな歩くのだろうか?という距離が出てきてしまう。

道北で暮らした経験からすると、地元民はバス+徒歩で観光しようとは思わないのだが、夏場にこの距離を歩いたら気持ちよさそう、というので、出かけていく人たちがいるのだろうか。雨に降られると夏場でもそれなりに寒い思いをすると思うので、萌えっ子巡礼で沿岸バスの旅に出かける方は、くれぐれも雨具などの準備を怠りなく。

過去記事:
沿岸バス 萌えっ子フリーきっぷ (・∀・) | ICHINOHE Blog

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