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ネット選挙運動関連で取材協力などまとめ

11月に衆議院が解散、それからあっという間に選挙が始まり、14日に結果が出た。今回は「ネット選挙運動」が解禁されて初めての衆院選ということだったが、昨年の参院選同様、盛り上がりは今ひとつ。選ぶ方もネット選挙運動なるものに何ら期待していないし、建設的な使い方をするつもりがなく、選ばれる方もまた、ネットユーザにうまくリーチする手法がわからず、また余計なことを言って炎上させるぐらいなら、寝た子を起こさないほうがよいという思惑もある。

とはいえ、まじめに「対話」をしている人を評価したいと思い、新潟日報モアでは、「新潟ソーシャルメディア選挙」というサブタイトルをつけて、候補者の情報発信について、いろいろ論評する活動をしてみた。どれぐらい話題になったのかはよくわからないが、新潟2区の鷲尾さんのところからは、終盤で連絡をいただいたので、一応関係者には見てもらえたのかもしれない。

カテゴリ:選挙|ソーシャル編集委員 一戸信哉「新潟ソーシャル時評」|モアブログ|新潟日報モア

新潟日報の紙版の取材も受けた。11/30の朝刊に、ネット選挙特集でコメントが掲載された。

ネット選挙 県内陣営歓迎、戸惑い|政治・行政|新潟県内のニュース|新潟日報モア

手法確立なお途上

 一戸信哉・敬和学園大人文学部准教授(新潟日報ソーシャル編集委員)の話

 衆院選では初めてインターネットを使った選挙運動が解禁となるが、まだ手法が確立されていない印象を受ける。前回の参院選では、共産党がネットをうまく使い、東京で無党派層を取り込んだ。各党が候補者をどれだけサポートできるかがテーマとなるだろう。

 公職選挙法では政治活動と選挙運動は区別されているが、実質的にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上では、連続している状態だ。以前からSNSを活用している人は、選挙に向けてスムーズに使いこなせているが、選挙のために始めた人は試行錯誤している。

その他、テレビでは新潟放送BSN(2014/11/28放映)、テレビ新潟TeNY(2014/12/11放映)のインタビューを受けた。BSNの番組では、3年ゼミにも取材にきていただき、学生たちと候補者のソーシャルメディア利用について見ていった上で、学生たちにもコメントをしてもらった。こちらの学生のコメントも、関係者には好評だったよう。

家入候補、ハッシュタグで募集した意見から120の政策を発表

かつてリベラル系の政治家の選挙演説で、「しなやか」という言葉がよく使われた。あれは今でもどういう意味で言っていたのか、正確にはよくわからない。保守の強面・マッチョなイメージと対極にある、やわらかいイメージのことを語っているのだということは、なんとなくわかるのだが。

辞書的には、1)柔軟で,弾力に富んでいるさま。よくしなうさま。2)動作・態度に角張ったところがなく,なよやかなさま。たおやかで優美なさま。ということになるようだ。

しなやか とは – コトバンク

東京都知事選の終盤で、家入一真さんは、#ぼくらの政策 でFacebookやTwitterを通じて募集した政策から120の政策を決定し、発表した。

家入一真(いえいりかずま)東京都知事選立候補者 120政策決定

ieiri

都知事選当選に必要な票数は多いので、家入さんが当選するのはかなり困難だと思うが、たとえ落選したとしても、これを発表したことが、社会的には十分な成果ではないかと思う。彼はあらかじめ公約なるものを決めることをほとんどせず(「居場所を作る」ということは言っていた)、未来像をみんなで出し合って、それを政策としてまとめるというプロセスを「可視化」してみせた。どこまでガラス張りで作られたといえるかは、よく見てみないとわからないが、多くの人々のハッシュタグ付き投稿から、賛同できるものをピックアップしたということだろう(どのアカウントのTweetの意見を取り入れたかも、可能な限り明示されている)。

「子育て福祉をしっかりやります」「防災対策に力を入れます」、というような言葉を連呼する政治家は多い。実際には何をやるのか、演説ではよくわからない。また有権者の側も、「しっかりやってくれ。よろしく」と考えるか、関心がないか、いずれにしてもそれ以上深く突っ込むつもりがない人たちがほとんどであった(そして「ネット選挙運動」が禁止されていたため、ソーシャルを通じた「突っ込み」も不可能であった)。実際には、支持団体の意向というのが、それなりに政治家の言動を左右してはいるのだが、これまでそれは表には見えなかった。

家入さんの背後に、支持団体っぽいものが何もない、と考えるのはナイーブすぎるかもしれない。しかしながら、ソーシャルメディアを使って、ボトムアップで政策を作り、そのプロセスを「見える化」し、できあがった制作の束を背負って当選を目指すというスタイルが、可能だということは、はっきり見えてきた。少なくとも政策形成プロセスは透明であるように見える。これで思い出したのが、冒頭に出した「しなやか」という言葉。「しなやか」という言葉は、もうすでに手垢がついていて陳腐だが、柔軟さという意味でいうならば、このような政策形成こそ、よっぽど「しなやか」ではないかという気がしてくる。選挙演説でワンフレーズを連呼する人たちは、リベラルだろうと保守だろうと、ちっとも「しなやか」ではない。

今後こういうボトムアップで政策を選択する政治家が選ばれるべきと考えるか、自分や党が決定した政策を掲げる政治家が選ばれるべきと考えるか。首長の場合には、一人で判断・決断する場面があるわけで、ボトムアップ型の候補者は必ずしも歓迎されないのかもしれない。しかし、議員の場合には、党が政策を作るのではなく、ソーシャルから吸い上げた意見から政策を形成し、そこに類似性のある人達が、離合集散して会派を形成するというような形が、ひょっとしたらできてくるのかもしれない。そんな期待を抱かせるような現象であるように思う。

この現象の面白さが、どこまで票に現れるのか。政策の発表に際して、家入さんがFacebookで出していたメッセージも面白かった。固定電話世代の世論調査と、ネットの民意のギャップが、実際の投票結果にどのように現れるのか。この点も注目したいところだ。

この表を見てください。20代30代40代が動けば時代が変わるんです。どうせ舛添さんだろ、どうせ細川さん宇都宮さんだろ。そう思う方々も多いと思います。でも、もし僕らが動かなくても既定路線がそうなのであれば、僕に賭けて一票入れてみませんか

メディアが報じる予想票数。あれ、固定電話で調査してんだよ笑。僕らの周りはどれだけ固定電話持ってるんだろう。持ってないよね。ネットの民意、若者の民意を見せつけてビビらせてやろう。5人の友達に、それぞれ5人ずつ紹介してと伝えてください。

新潟日報モア「新潟ソーシャル時評」:「ネット選挙解禁」から見えたメディアの「中立・公正」次のステップ

しばらくこちらのブログでの告知はサボっていたが、新潟日報モアの「新潟ソーシャル時評」は、こちらと同等ないしそれ以上のペースで、書き続けている。新潟日報の公式アカウントも当初は外部での告知が遅れていたが、現在はFacebookページとTwitterからの告知が進んでいるので、こちらのブログで自分が告知するペースもちょっと落ちていた。

ただ今回は久々に、新聞記事に関するブログエントリーではないので、こちらで紹介しておく。情報ネットワーク法学会で続けている研究会「ソーシャル社会における情報流通と制度設計」での議論を紹介するもの。

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「ネット選挙解禁」から見えたメディアの「中立・公正」次のステップ

この研究は春から月1回のペースで継続していて、今回は7月に、「ネット選挙運動」について、立命館大学の西田亮介さんから報告していただき、議論をしたときのことをまとめた。「ネット選挙運動」それ自体よりも、その先にある、メディアの「中立・公正」をどうするのかという問題が議論の中心になっている。実はこの議論は、春からずっと続いているのだが、「ネット選挙運動」でユーザが「選挙運動」に関わるようになる中で、既存メディアの側が建前として貫いている「中立・公正」が、揺らいでいるのではないかという話だ。さらにいえば、既存メディアだけではなく、ニコニコ動画のような、どちらかというと通信サービスに近い「プラットフォーム」についても、今まで通りの「無色透明」ではいられないのではないかということにもなる。

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この研究会での議論については、一緒に研究会主査をやっている藤代裕之さんが、日経とYahoo!個人において、それぞれまとめたものを発表している。

「理念なきネット選挙」 試される政治との距離感  :日本経済新聞

偏向報道が問題なら、メディアの中立・公正を禁止したらどうか(藤代 裕之) – 個人 – Yahoo!ニュース

新潟日報モア「新潟ソーシャル時評」:Twitterアカウントから、政治家のこれまでの「実績」を確認

参院選公示前後から、「新潟ソーシャル時評」には、「ネット選挙関係」の記事をいくつか書いた。こちらは公示直前に、党首なりすましアカウントがいろいろ見つかったという報道について書いたもの。

そんなのに引っかかる人はあんまりいないと思うので、もう少し候補者のこれまでの取り組みをしっかり見るための手段として、ソーシャルメディアを活用する方法を、広めたほうがいいのではと提言したつもり。

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Twitterアカウントから、政治家のこれまでの「実績」を確認|ソーシャル編集委員 一戸信哉「新潟ソーシャル時評」|モアブログ|新潟日報モア

公職選挙法が改正され、ネット選挙運動が解禁されたわけですが、「選挙運動」それ自体は、これまで通り公示後に始まります。ただこれまでと違って、注目を浴びる公示後にも、ウェブの更新が行われることになります。その結果、「政治活動」として区別されている、日頃の政治家の皆さんの活動実績、これに関する情報発信の姿勢が、あらためて明らかになります。「にわかTwitterユーザ」であるかどうかも、容易に明らかになります。ただし、このことをきちんと評価するためには、有権者である私たちが、候補者の皆さんのこれまでのネットでの「実績」を解析するさまざまな方法を、きちんと身につける必要もあるように思います。「偽アカウント」に騙されず、本物のアカウントの日頃の情報発信の態度までも評価できる有権者が、どれぐらい増えるのか。有権者のネットリテラシーが、今後問われることになります。

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インフルエンサーの推薦は無党派層を動かせるか?:湯浅誠さんの推薦候補者名発表から

昨日湯浅誠さんが、Facebook上で、秋田の民主党候補である松浦大悟氏を応援しにいったというポストとともに。自ら推薦する候補者名を発表した。

Street Speech of Election of The Presidents of Democratic Party of Japan
Photo by Dick Johnson.

湯浅 誠

なお、私は参院選で、以下の方たちの推薦人(的なもの)になっています。
ご要請をいただき、かつ、国会で力を発揮してもらいたいと私が思う人たち。

(五十音順)
大河原雅子(東京)(無所属)
鴨ももよ(比例)(社民)
鈴木寛(東京)(民主)
田口まゆ(全国比例)(緑の党)
松浦大悟(秋田)(民主)

これに対しては多少批判的なコメントもついていたようで、その後非常に長いコメントで、自らが個人的に推薦する候補者を表明した理由を述べている(以下は一部抜粋)。

自民党圧勝確実と言われる中、私はそれが望ましいとは思わないので、1人区でも勝てる可能性のある候補がいるなら応援したい。
自分が動いても、しょせん数票とか10票とかにしかならないかもしれないし、1票にもならないかもしれないが、「競ってる」勝負なら、もしかしたら意味があるかもしれない。
「最善を求めつつ、最悪を回避する」ことが重要と思うから。
それが自殺対策や社会的包摂をやってきた松浦大悟なら、なおさら。

政治的中立とは、すべての候補者を平等に評価します、ということ。
政治総体に対して批判的立場を堅持とは、「どうせ誰がやったってダメだよ」とか言いながら棄権する(もしくは白票)ということ。
でもそれは、私がやらなくてもマスメディアがやっているし、多くの有権者がやっている。
私も、前回の衆院選までは、誰かの推薦人になることはすべてお断りしてきた。
でも前回から、個人単位で推薦人を受けることにした。
間近で見てきて、誰が、何を、どういう思いでやっているのかを多少なりとも知ってしまったのに、頼んできた相手に「あなたを他候補と平等にしか評価できません」とは言えなかったから。
そして、いま私は、誰かを応援することによって私が受けるリスクよりも、誰も応援しないことによるリスクのほうが高く、そこに一有権者としての責任を感じているから。

ご本人は、「自分が動いても、しょせん数票とか10票とかにしかならないかもしれないし、1票にもならないかもしれない」と謙遜しているが、都市ならばもっと大きな動きがあるのではないか。秋田での影響力は未知数だが。

公職選挙法の改正の中で、主に懸念されていたのは、「なりすまし」や「誹謗中傷」の横行であったと思うが、これまでのところ、目に見えて大きな影響は見えていない。また、所属する政党の財力によって、露出が左右されてることも懸念され、ネット広告についてはそれなりの規制がなされている。しかしネット選挙運動解禁で大きく変わるものの一つは、実は湯浅さんのような発言力のある個人、インフルエンサーの影響力なのではないか。湯浅さんの発言への反響を見ると、どうもそんな気がしてきた。

実はこの点、6/1の情報ネットワーク法学会特別講演会で、韓国中央選挙管理委員会選挙研修院教授高選圭さんから指摘があった。韓国でも、「Power Twitterian」と呼ばれる「インフルエンサー」の動きが注目され、候補者がこうした人々を訪問するといった動きが見られているという。

特別講演会「インターネット選挙運動解禁で選挙はどう変わる」

湯浅さんはおそらく「リベラル」を自認する人たちから比較的支持されているはずで、そのなかにも「無党派層」は多数いるはず。こうした人達が、たとえば秋田の選挙区で、どれぐらい動くのか。新潟で様子を見ている限りでは、地方の選挙区がこれで動いていくのは容易ではなさそうだが、たとえば秋田県でも秋田市その他の都市部では、一定程度、湯浅さんを知っているリベラル層は存在しているはずなので、この辺の票を掘り起こす効果があるかもしれない。

この講演会で、情報セキュリティ大学院大学の湯淺墾道先生が指摘していたのは、地方議会議員選挙のケース。地方議会議員選挙では、次点との得票数の差が1桁ということはよくあるそう。となると、インフルエンサーが誰を支持するかというのが、実は非常に大きな影響を持つ可能性もある。参院選は比較的選挙区も大きいので、一人の発言で結果が大きく左右されることはないのかもしれないが、湯浅さんの発言の反響を見ていると、そうとも言い切れないような気がしてきた。となると、地方議員の選挙だと、さらに振れ幅は大きくなるのかもしれない。

このほか厳密な意味では個人ではないのだが、楽天の三木谷浩史さんが、「新経連」という立場で、8人の候補の推薦を発表している。

三木谷浩史楽天会長や、北村晴男弁護士ら著名人も参院選の応援演説

情報ネットワーク法学会第10回研究大会:個別報告

先日もブログに書いた情報ネットワーク法学会第10回研究大会
個別報告の内容も固まり、学会のメルマガから告知が流れた。
Webの世界でご縁があった方でいうと、CCJPでも活躍する、生貝直人さん(@ikegai)が発表される。ほかにも興味深いテーマが並んでいる(残念ながら分科会方式なので、すべての報告を聞くことはできない)。
参加申し込みはこちらから。
【表現の自由・プライバシー】311教室
発表題目: 公立図書館におけるフィルタリング・ソフト導入に関する一考察──アメリカ連邦最高裁判決を素材として──
発表者:北海道大学大学院 法学研究科(助教)金澤誠
発表題目: EU視聴覚メディアサービス指令の共同規制を通じた国内法化
発表者:東京大学大学院学際情報学府博士課程 生貝直人
発表題目:ヴァーチャリティ規制の萌芽:「準児童ポルノ」および「非実在青少年」規制について
発表者:同志社大学 原田伸一朗
発表題目:パーソナライゼーションサービスにおけるパーソナル情報の二次利用に係る消費者の同意形成に関する試論
発表者:KDDI総研 高崎晴夫
【選挙・セキュリティ】003教室
発表題目:電子投票法制の近時の動向
発表者:九州国際大学副学長 湯淺墾道
発表題目:ネット選挙運動の与党(民主党)案の実運用の問題点と改善提案
発表者:サイバーナレッジ(株) 代表取締役 小鍛治
発表題目:外部委託及びクラウドにおける情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価の利用
発表者:日本ヒューレット・パッカード株式会社 佐藤慶浩
発表題目:クラウド・サービスにおけるリスク分析
発表者:弁護士法人おおいた市民総合法律事務所 弁護士 吉井和明
【法情報学】312教室
発表題目:学士力における法情報教育 実践と課題
発表者: 早稲田大学法務教育研究センター 中網 栄美子
発表題目:「ロー・レビューの終焉、あるいはblawgの夜明け−−法学における学術情報へのオープンアクセスを考える」
発表者:成城大学法学部教授 指宿信
発表題目:ドイツDe-Mail(市民ポータル)構想の概要と示唆
発表者:神戸大学大学院法学研究科 米丸恒治
発表題目:「サイバーキャンパス再論 − 電子会議室の活用」
発表者:桐蔭横浜大学教授 笠原毅彦