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コンテンツプラットフォーム「note」は、課金できるスマートなサービスとして定着するか?

4月にスタートした新しいサービス「note」が、1ヶ月で順調に注目を集めているという記事が出ています。

ピースオブケイクが運営する個人向けのメディアプラットフォーム「note(ノート)」が、2014年4月のリリースから1か月で、2,000万ページビュー、100万ユニークユーザーを達成した。

ピースオブケイク「note」、リリースから1か月で2,000万PV/100万UU達成 (1/1):MarkeZine(マーケジン)

2,000万ページビュー、100万ユニークユーザーをどのように評価していいのかはよくわかりませんが、生まれたてのサービスとしては、破格の数字であるとは思います。私もアカウントだけ取って、そのままにしてあったのですが、いくつか記事を投稿してみました。

Shinya ICHINOHE (shinyai)|note

noteは、Twitterと同じタイミングでスタートし、英語圏で現在も一定の支持を得ているTumblrというサービスに似ているという印象です。
トーク、イメージ、テキスト、サウンド、ムービーというコンテンツを指定し、ドラッグアンドドロップなどのわかりやすいUIで簡単に投稿できるという仕掛けは、同様のシンプルさでブログに代わる存在として支持を集めている、Tumblrと非常に似ています。従来のブログの考え方と異なり、Twitterのようなフォローが可能で、個別のコンテンツに対して「スキ」をつけることができるという、Tumblrに似たSNSライクな仕掛けも導入されています。

ただし、コンテンツ課金を柔軟にできるというところが、Tumblrと大きく異なる点です。ピースオブケイクCEO 加藤貞顕さんは、インタビューで以下のように答えています。

加藤 noteは、個人向けのメディアプラットフォームです。見た目はちょっとTumblrに似ていて、トークノートはつぶやきに近い感じなんですが、5種類のコンテンツを簡単に投稿することができます。もちろんタダで見せる(公開する)ことができて、フォローでつながり、コメントもできて、「スキ」を付けることもできます。で、noteの特徴は、「ここからは課金されるというライン」を、コンテンツの好きな位置に引けるんです。たとえば、そのラインを一番下に引いたら、実際はすべての内容がタダで読めるから、もはや課金は“投げ銭”として使ってるということになります。

ASCII.jp:メディアプラットフォーム「note」の作り方(前編)

いまのところは、過去に書いた記事などのコンテンツを、有料コンテンツして販売してみて、模様眺めをしている人が多いようです。かつて苦労して書いたコンテンツに、今になってお金を払ってくれる方がいるというのも、たしかに励みになりますね。

「柔軟」なコンテンツ課金というのは2つの意味があります。一つは、上の引用にある通り、「ここから有料」というラインを自分で決められるということです。すべてタダで読めるけれども、「投げ銭」として課金システムを使うことも可能です。もう一つは、値段を日によって変えられるということです。たとえば、最初の10人までは無料で、10個スキがついたらそこからは有料といったことも可能です。じゃあ最初の10人までの誰かが、コピーして投稿してしまったらどうなるかとか、厳密に言えば課題もなくはないのですが、そこまでがっちり固めなくとも、コンテンツへの支持を示してもらうための仕掛けとして「課金」という仕掛けを入れていると考えれば、いいのではないかと思います。

もともとピースオブケイクは「Cakes」という月額課金制のウェブサイトを運営していて、こちらはプロのコンテンツを読み放題にするという仕組みですが、Noteはプロ以外も参加できて課金もできる仕掛け。Cakesはかっちり編集された雑誌からのアナロジーで、Noteは単行本のイメージのようですが、いずれにしても2つは関連したものとして捉えられているようです。

―― cakesを作ったときに、すでにnoteの構想はあったんですか?

加藤 こういう方向性は考えていたんですよ。cakesを全部オープン化するとnoteになるんです。最初はcakesからnoteへと近づけていくことがしたかったんですけれど、noteはnoteでやりだして、そのうちに融合するっていう感じです。

 noteは「買える」っていうことが非常に新しいので、最初はそれだけに絞ったほうが良いと思っています。その代わり、使い勝手はものすごく簡単にしてあって、テキストノート(ブログにあたるもの)なんかは、エディタで書いて、画像を挿れたりして、公開とするとそれで無料で公開されます。有料にするなら、ペイウォールを表示する場所を決めて、ここ以降は100円とか、極限まで簡単にしています。みんながみんな、そんなにコンピューターに強いわけじゃないし、僕自身ブログがそんなに使いやすいと思ったことがなかったので。

ASCII.jp:メディアプラットフォーム「note」の作り方(前編)

加藤さんは「オカンでも使えるようにしなければ」という考えで、noteはかなり簡単に作ってあるそうです。たしかに非常に簡単ですが、「オカンでも使える」かどうかは、これからの普及の仕方で検証されるところでしょう(それぞれの「オカン」のスキル次第でもありますね)。

noteの課金システムは、受け手と送り手が、それぞれ気持ちよく、スマートに有料化対応できるように設計されていると感じます。ネットのコンテンツ課金は、「ウェブは無料」という受け手側の勝手な要求とどうしても衝突してしまいます。その「感覚」なるものが間違いだという主張は当然ありえます。ただ送り手の側も実は、無料でもいいからぜひ見てほしいなあという気持ちと、でも食えるようにそれなりにお金はいただきたいという気持ちでせめぎあっていることが多いのではないでしょうか。しかし有料化すると急に感じ悪く見えてしまうというところがある。買い手の方では、物理的な存在ではない「データ」に対してお金を払うことに、抵抗を感じる人が多いでしょう。この岩盤を崩すのは大変です。この点、Noteは「投げ銭」にしてしまって、中身はすべて見えるけれども、よかったらお金を払ってくれという形にすることもできます。またなによりデザインがスタイリッシュで感覚的に操作できるというのも、売り手と買い手、双方の気持ちを溶かす効果がありそうです。

いしたにまさきさんは、noteでは、受け手と送り手、それぞれの立場でクリエイティブが刺激されると書いています。

noteをやっていると不思議な感覚にとらわれることがあって、それはECとは完全に異質のものです。
だれかがなにかを書くなどしてそれに値段をつけているのを見ている。これは、自分の目利きとしてのクリエイティブを刺激すると同時に書き手のクリエイティブへの刺激ともなっているわけです。

交換ノート17:noteは書き手と読み手のクリエイティブが交差する場所|いしたにまさき|note

テクノロジーを参入障壁と感じることなく、発信力のある人達が、受け手としても送り手としても刺激を受けて、すぐにその発信力を発揮するようになるという仕掛けが、うまく作用し、循環しているということでしょう。課金システムまで含めて、たしかに非常にわかりやすくできていると思います。

とはいえ、若者たちの会話に「note」という言葉が飛び交っているわけではないので、メディアプラットフォームとして成長していくには、これからいくつもの山を越えていく必要があるでしょう。有料コンテンツで実績を挙げていくのは大変です。

ブログ同様にコンテンツはバラして利用できますので、他のソーシャルメディア(今のところFacebookやTwitterと連携)ともつなげながら、少しずつ知名度をあげていくことになるのだと思います。ポイントになりそうなのは、一つは課金でしょうか。現在はクレジットカードのようですが、この裾野を広げつつ、しかしスマートに利用できるようにというのは、まずもって重要な点でしょう。それからもう一つはアプリ。インタビューでは、iOSだとアップルが課金した場合に30%抜いてしまうという話が出ていて、なかなか悩ましいところではありますが、少なくとも当面は、アプリがないとなかなかスマホからのアクセスは増えていかないように思います。

アスキーの記事、前編を読みきったところでプロフィールを見たら、加藤さんは新潟出身だとプロフィールに書いてありました。近くに新潟に来ていただいて、お話をうかがう機会を作りたいと、個人的には思っています。

(Yahoo!ニュース個人掲載記事を転載)

新潟日報モア「新潟ソーシャル時評」:選挙管理委員会は、リンク先に飛べる候補者公式ページリストを作らないのだろうか?

広く問題提起しようと思って、新潟日報モアに書いてみたのだけど、やはり読者限定ブログではなかなか広がらなかった記事。今回の選挙で、「なりすまし」を防ぐための手段と考えられていた、「都道府県選挙管理委員会」の立候補者リストの公式ページ情報が、あまりにひどかったという話。

選挙管理委員会は、リンク先に飛べる候補者公式ページリストを作らないのだろうか?|ソーシャル編集委員 一戸信哉「新潟ソーシャル時評」|モアブログ|新潟日報モア

なんと候補者リストは、クリックできないPDFファイルのままで、公開されています。少なくとも私の見ているPC環境では、候補者のリストの中に書かれているURLはクリックできず、直接候補者の公式ページにアクセスすることができませんでした。

新潟県選管の非常に不親切なPDFファイルに驚いて、各都道府県の状況を調べてみたところ、なんとどこも似たような状態だった。

私の見た範囲のすべての都道府県選管が、すべて同じフォーマットで表を作ってPDFで公開しています。大阪府選管では、Excel形式でも公開されていました。ひょっとすると、Excelで決まったフォーマットでデータを作成し、PDFに変換して公開するようにと、中央選管から通達が出ているのでしょうか。あるいは、その他法令上の定めにしたがった形式なのでしょうか。北海道選管のページでは、「掲載しているPDFファイルは画像データを元に作成されているため、アドレスバーにURLをコピーアンドペーストすることはできません。」と、大変不親切な宣言がされているのですが、別の見方をすれば、そのような形で情報を公開しなければならないとする、法令上の根拠が、何かあるのかもしれません。

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新潟日報モアについて:新潟日報モアは、新潟日報購読者向け無料サービス。世帯内で複数アカウントの発行は可能なので、新潟日報購読家庭であれば、すべての家族が登録可能だ。また、「購読予定」の人も登録ができるので、実は「これから登録しようかな」という人も、問題なく登録ができる(販売店が営業に来るのではないかと思う)。

1982年の反戦広告

天野祐吉さんのブログから。「広告批評」1982年6月号に掲載されたものだそう。

 

とにかく死ぬのヤだもんね:天野祐吉のあんころじい:So-netブログ

それにしても、こういう広告をつくるのはむずかしい。これにくらべたら、戦争を進める広告をつくるのは簡単です。恐怖心や敵愾心を煽ればいいんですから。「戦争を売るのはやさしいが、平和を売るのはむずかしい」と、亡くなった哲学者の久野収さんも、よく言っていました。

このコピーは、糸井重里さんが作ったもの。糸井さんがこの時つくったもう一つのコピーが、「とにかく死ぬのヤだもんね」。「まず、総理から前線へ。」に比べるとややパンチにかけるが、「お前が先に死ね」というどぎついいメッセージよりも、かなりマイルドな表現になっていて、それでいて説得力がある。

これに対するエピソードがまた面白い。

もっとも、人はそれぞれで、当時このコピーを見た社会党のある人は、こう言いました。
「面白いけど、“とにかく”というのにひっかかりますね。これだと、病気で死ぬのも交通事故で死ぬのも含まれちゃう。やっぱり、“戦争で死ぬのはいやだ”と、はっきり限定すべきでしょう」
人はそれぞれとは言え、これには驚きましたね。とかく政治家には、頭がいいのに、表現というものがわからない人が多い。このコピーのいいところは、「とにかく」という一語にあるんですね。「病気や交通事故で死ぬのはいいけど、戦争で死ぬのはいやだ」なんて、フツーの人は死因を分けてなんか考えない。分けて考えるのはリクツってもんでしょう。とにかく、死ぬのはヤなんです。当然、「戦争」で死ぬのもその中に含まれる。それでいいじゃないですか。だいたい、反戦で頭がいっぱいになっている人には、こういう広告は必要ない。こういう広告を見てほしいのは、フツーの人たちなんですから。

国際関係の変化の中で、やや劣勢に立たされつつある日本人は、国内の様々な意思決定において、「いやなものはいやだ」という論理を、突き通しにくい環境に置かれつつある。今回の選挙でのリベラル勢力の「敗北」は、この言い方が通じなくなってきているという風にも、読み取ることができそうだ。その意味で言うと、今の状況下では、また別のメッセージが必要なような気もするが、ともあれ、「とにかく」を取ったら意味が無いというのは全くその通りだと思う。

20110714 Keiwa Lunch

敬和学園大学で新プログラム「情報メディアプログラム」スタート

敬和学園大学で、今春から、いくつかの新科目がスタートすると書いた。

実はもう一つ新しくスタートするものがある。既存の科目のうち「情報メディア」に関連する科目を履修することで、一定の能力があることを証明する「プログラム」として、「情報メディアプログラム」が4月からスタートする。人文学部一学科で、情報やITとは無縁に見えた敬和学園大学だが、このプログラムはその中では、大きな変化だ。新潟で情報やITといえば敬和が一歩進んでいる、あるいは特色がある、そういう認識を持ってもらえるよう、プログラムの充実を図っていきたい。このプログラムのスタートは、敬和の情報メディア教育全体を変革する「狼煙」のつもりだ。

20110714 Keiwa Lunch

Keiwa Girls

敬和には、従来から「日本語教育プログラム」などの独自認定の制度があったのだが、今回のプログラムはこれに追加する形。所定の科目のうち、32単位を修得することで認定される。現行カリキュラムのままのスタートなので、現在の在学生も認定を受けることができる。ただ現時点では、一戸の演習の単位を含めないと、32単位を積み上げるのは難しいかもしれない。まあ演習の参加者数は少ないので、他ゼミに参加している方でも(国際文化学科以外の学生でも)、時間割の調整がつくなら、どうぞご参加ください(お客さん扱いはしません)。

このプログラムの構想は、1年前からあった。1年前に学内調整用の資料として作ったスライドは以下の通り。提案段階での文書なので、詳細部分まで承認を受けたわけではない。個人的に作成した文書だと理解してほしい。

「副専攻」として情報メディアを学ぶ

敬和学園大学は、「リベラルアーツ大学」を標榜しているが、情報教育は従来「外付け」のポジションで、共通基礎科目の一角に、選択必修科目として置かれてきた。学生の情報リテラシーの向上や一般科目での情報機器、ネットワーク利用が広がる今日、この位置づけは徐々に変化していくべきだという考えも、このプログラムを設置を推進した背景にある。

学生たちにとって、このプログラムの修了証が、何か明るい未来を保証する手形になるかというと、そうではない。どちらかというと、「副専攻」のような位置づけで、情報メディア関連の科目をとらえて、高い意識を持って勉強をするきっかけにしてほしいと考えている。こうした意識と学び、さらにはこれに裏付けられた自信は、学生たちがITやメディアの領域への就職を目指す際の、後押しにはなるだろう。実はいまだに、自分を「アナログ人間」と位置付け、必修科目の単位が取れると、ネットあるいはPCから離れようとする学生がいる。しかもそういっている学生たちは、必ずしも「アナログ」ではない。こうした学生たちの向学心に対して、少しでも刺激になる枠組になればと思う。

どんな科目があるのか

今年度の段階では、新規開講はほとんどないのだが、現在開講されている科目をまとめただけでも、それなりに充実した科目が並んでいる。

情報処理論1、情報メディア論、情報法が一戸の担当。情報法はビジネス著作権検定に対応して今年実施し、初級については18人受験して14人が合格した。

情報処理論1情報メディア論1は、選択必修の初年次科目だが、ソーシャルメディアの利用を全面的に取り入れ、Twitter、Facebook、ブログを活用して展開している。情報メディア論については、既存メディアを含めたメディア環境の変容について、学生とともに調べて学ぶという授業になっている。これらの科目を通じて、ソーシャルウェブの最新事情について実践的に学び、そのメディア論的な意義について、考えを深めることができる。毎年アップデートし、新しいサービス動向について知り、考えることができる科目は、新潟では他にない(というつもりでやっている)。

情報処理論2は、新潟通信サービスの本間誠治先生が担当。ネットワークの基本について学ぶことができる。

メディア英語は、山崎由紀先生と学ぶ英語ニュースの読み方講座といったところ。単に英語を勉強するというよりは、それぞれのニュースの背景まで掘り下げて学ぶことが求められるだろう。履修条件がついているので、英語レベルの低い学生は受講できないようだが、むしろこれぐらいの英語や国際ニュースを理解できる程度の社会常識は備えてほしいと、情報メディアプログラムの側からもお願いしたいところだ。

視覚芸術論は、写真を用いたアート・プレゼンテーションを実践する。担当は吉原悠博先生。新発田市内の写真館、吉原写真館の館主であるとともに、アーティストとしても幅広く活躍されている。

メディア・コミュニケーション論は、新聞社OBの本間正一郎先生が担当。ニュースをめぐるお話が多いが、既存メディアとネットの融合やその課題といった視点でもお話をされているので、学生たちにも人気がある(というのが、学生たちのTweetからうかがわれる)。
現代メディア論は、高谷先生による映像制作の科目。情報管理基礎論は、清水先生によるウェブサイト制作の科目。ということはそれぞれ昨日のエントリーで紹介したところ。

これらに一戸が担当する演習(ゼミ)と、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)関連の科目を加えたものが、4月からスタートするプログラムの全体像。

今後の拡充構想

さらに今後拡充したいもの。お金に糸目をつけずにやるならば、東京や新潟の魅力的な人たちに来てもらい、いろいろ指導してもらいたいのだが、当面は地元を中心に、選択と集中でプログラムの充実を図っていきたい。

一つは資格関係。決して資格至上主義ではないが、MOSと著作権検定だけではちょっとさみしい。文系の学生でも手が届きそうな資格に対応する講座を、来年度から開講できるよう研究と調整を進めている。もう一つは、「発信力」の強化。映像表現とウェブ制作については、今年から科目や担当者を補強した。写真についても吉原先生の講座がある。あとはウェブで検索し、さらに現地で調査して、ブログにまとめるといった、いわば「デジタルジャーナリズム」の領域がほしい。当面一戸自身も、演習などで取組を強めていくつもりだが、できれば経験豊富な方に指導していただく科目を作りたい。イメージとしては、伊藤穣一さんが慶應でやっていた科目だが、これは大学院の科目なので、もう少しレベルを下げるカスタマイズが必要だろう。あと、インフォグラフィクスのような、ビジュアル化に関連した科目も、教えて下さる方がいれば、ぜひ始めたい。プレゼン資料の作成を含めて、恐らくこれからの学生にはとても大事な能力になるだろう。

このほか、インターンシップやスタディツアーなど、対外的な活動の位置づけ。これはこのプログラムに限らず、現地で経験するプログラムの学部教育への導入は、どこでも課題なのだが、本プログラムでも充実をはかっていきたい項目だ。

さて、プログラムの全体像をざっと説明してきた。もちろん欲を言えばきりがないのだが、少なくとも新潟の私立大学のプログラム、しかも「副専攻」のようなプログラムで、これだけ充実した情報メディア関連のプログラムは、他にはないはずだ。しかも、ソーシャルメディアを軸とする新しいウェブの潮流に掉さした科目を充実させているという点にも、ぜひ注目してほしい。構想どおり今後、統合・調整されたプログラムとして進めることができれば、新潟のITやメディアに関連する領域で、敬和生が幅広く活躍できるようになるだろうし、そうなるよう努力していきたい。

情報メディアとリベラルアーツ

ところで、これらの科目群とリベラルアーツとはどういう関係にあるのだろうか。大量の情報がネットワークで行きかい、人々がつながっていく時代にあって、これとは関係なく、教養教育が成り立つわけはない。ネットワーク以前の環境を生きてきた大人たちはともかく、これからの時代を生きる若者たちにとって、ネットワーク社会に対峙できるだけのITリテラシーは、必ず備えるべき教養といってよいだろう。しかもそれらは、「本の読み方」というような、ある程度固定化したスキルではなく、常に変化する環境の中にある。こうした流動的な環境下にあって、情報流通の仕組みを理解し、そこを行きかう情報を読み解き、自らもさまざまな形式で適切に発信し、他者とつながって活動するということは、まさしく現代のリベラルアーツに求められている、最重要課題だと思う。

とここまで書いてみて思い出したのが、前任校稚内北星の設置に関連して、丸山不二夫先生がよく書いていたフレーズ。当時の文書にはよく、「情報メディア教育は現代のリベラルアーツだ」という趣旨の発言が出てきた。検索したら出てきた。

稚内北星の情報教育が目指してきたこと

今ざっとメディアの歴史を駆け足で追って、電信からはじまって、我が国の25年前の 「超大型コンピューター」までざっとみてきました。僕の大学の情報教育の新しい展望を 語る前に、僕らが、これまでどういう関心をもって情報教育を行ってきたかを話させてください。 僕らは、地方の一短大ですが、「最北端は最先端」をキャッチ・コピーに、先進的な情報教育を 展開をおこない、全国的にも評価を受けるようになりました。 最近は、主に2つの関心がありました。第一は、「現代のリベラル・アーツ」として ネットワーク・リテラシーをきちんと学生に教えたいというものです。第二は、高帯域の ネットワーク・マルチメディア環境をつくるということです。

 

「現代のリベラルアート」を重視

最初の、「現代のリベラルアート」ということでは、次のようなことを考えていました。 まず、ネットワークへの自由なアクセスを、技術と環境の両面で学生に保障するということ です。また、メディアの情報を利用するスキルと、内容的には、それを批判的に受容する スタイルを確立すること。同時に、ネットワーク上で情報発信するスキルを育てること。これは、 煎じ詰めれば単なる技術の問題ではなく、表現すべき自己を確立することが重要だということに 行きつきます。そうして、感性の問題もあります。多様な情報を感性的に統合する技術とスキル を重視すること。僕は、「スキル」という言葉をよく使います。情報教育におけるスキルの 重要さを示す一番いい例が、タイピングのスキルだと思います。僕は、タイピングは、 コンピュータを使いこなす上で、非常に大事だと考えているのですが、そうした理解は、 情報教育の世界では、実践的には、必ずしも十分ではありません。たとえば、いつからタイピング を教えるべきかという問題が、あまり議論されているようには見えません。個人的には、 小学生の高学年から、タイピングの練習は可能だと考えています。

また検索の過程で、長崎県立大学の河又貴洋先生の論文「現代教養学としての「情報メディア学」-高等教育におけるリベラルアーツとしての情報メディア教育に向けて-」が出てきた。これまた大変興味深い。

自分自身は、与えられた現場で、担当した科目についてベストを尽くすという仕事しかしてこなかったので、リベラルアーツの中での情報教育の位置づけについては、それほど深く考えてこなかった。ただ時代が変われば変わるほど、「情報メディア」はリベラルアーツの中核に位置してくるような予感はある。それはもちろん、ツールとしての情報機器の操作自体は、大学教育の中では重視されなくなり、本来的な意味での「リテラシー」教育が、主軸となってくるのかもしれないとは思う。しかし、ハード・ソフトともに日進月歩で動く今日においては、「操作」についての習熟度も人それぞれという面があり、これらを含めた形で、「リテラシー」教育が必要になってくるのかもしれない。

しばらくは試行錯誤というか、方向性を考えながら、「情報メディアプログラム」を構築していくことになる。ともあれ、この領域に関心を持ち、ともに学びを深めるとともに、将来ITやメディア領域で活躍することを目指す学生たちが、一人でも多く集ってくれることを願っている。

Osaka Castle Park

情報処理学会電子化知的財産・社会基盤 (EIP) 研究会、今年度最後の研究会

昨日追手門大学大阪城スクエアにて、情報処理学会電子化知的財産・社会基盤 (EIP) 研究会の第55回研究発表会が開催された。2008年度から4年間にわたり、幹事というお役目をやらせていただいたが、昨日の研究会で任期が終了。来年度からは運営委員として参加させていただく予定だ。同じタイミングで幹事となった、徳島文理大学の橋本誠志先生も退任する。

EIP研究会

昨日会場となった追手門大学大阪城スクエア。大阪城が見える、素晴らしい眺望であった。

Osaka Castle Park

 

情報処理学会は、その名の通り情報分野の老舗学会の一つで、「理系」の研究者が多い学会。学会の運営体制等も、手作り感たっぷりの人文社会科学系の学会とはかなり違ったので、新しい世界を勉強させてもらった。ただEIP研究会は、社会科学系の研究者が比較的多く参加しているので、情報処理学会の中では特殊な、文系寄りのポジションではある。研究会は現在年4回開催。年に1,2回研究大会をやるという、人文社会科学系の学会から見ると、かなり活発に活動があり、幹事の忙しさも破格。ただその分、発表の機会は多数用意されているということなので、文系の若手研究者の皆さんにもぜひご参加いただければと思う。

情報処理学会の制度はわかりにくいが、情報処理学会に入会していただき、その上で各研究会に登録していただく、という形をとる。他の研究会と合同で研究会を行うこともあるので、いろんな分野の研究者の皆さんとお知り合いになれるのもメリットだ。

研究分野のスコープは、創設時の文書からは以下のように定義されている。

EIP研究会:設立趣旨

研究の分野

知的財産権一般(勉強から意見主張まで)
特許(ソフトウエア, デジタル技術)
著作権問題(ソフトエウア、 フリーソフト、データベース、ネットワーク)
倫理問題、
パソコンネチケット、
インターネットロット、
越境データ流通の問題、
ネットワークサーバの国内、国外での法律的差の問題、
コピープロテクション、
非標準化技術、
応用(アプリケーション)問題、
電子図書館、
著作権集中処理システム、
著作物クリアリングシステム、
カスタムテキストブック、
著作物のセキュリテイ、
通信のセキュリテイ、
暗号技術、
防衛技術、
電子貨幣、
エレクトロニックコマース、
WWW、
コンピュータウィルス技術とその対策及び発見技術、
コンピュータ不正アクセス技術とその対策及び検出技術、
ピア・レビュー、
表現の自由、
スキップジャック、
プライバシー保護、通信の秘密
など、上記デジタル技術革命がもたらす制度的、法的問題、 および、それらの関連技術一般を扱う。

 

現在文系研究者の報告は、知的財産関連、情報セキュリティなどが多いが、さまざまな分野を取り扱った研究発表がある。昨日も、「クリシェとしてのビッグデータ」「情報まちづくり論の試み」「リソース指向アーキテクチャによるカラーマネジメント」「石造遺物デジタルアーカイブ構築のための撮影手法の開発」といった幅広いテーマでの報告があった。招待講演も、京都大学の憲法学専攻、曽我部真裕先生から、「インターネット上での児童ポルノ流通対策における法的問題」。非常にバラエティに富んでいるのがおわかりいただけるだろう。

第55回情報処理学会 電子化知的財産・社会基盤研究会

来年度も11月に新潟開催を予定しているので、新潟近隣の方はぜひ発表の機会としていただきたい。

就職したいならEvernoteぐらいはマスターしておこう

日経新聞がEvernoteについて特集している。ブログタイトルはちょっと大げさだが、少なくとも「Evernoteぐらい使えなくては…。」という気にさせられる内容ではある。
就活で脚光「エバーノート」 クラウドに生涯の記憶を  :日本経済新聞

各企業の選考プロセス、就活関連サイトのリンク集、ツイッターで見つけたニュース、友人・知人からもらった情報、就活で気づいたこと……。
 就活を始めたばかりの横浜市立大の濱田さんは、パソコンやスマホで収集した気になる企業に関するウェブページや情報を片っ端からエバーノートに投稿している。エントリーシートの内容や、その際に発行されたID、パスワードも忘れないよう、エバーノートの「ノート」にコピーしている。ノートはパソコンでいう「ファイル」にあたり、ノートを入れる「ノートブック」はパソコンの「フォルダ」に相当する。就活を始めてわずか数日、濱田さんの「就活」というノートブックには約50のノートが蓄積された。
 これらのノートには投稿する時、「P&G」「ユニリーバ」といった「タグ」をこまめに付けるようにしている。どのノートに何を書いたのか、何が書かれているのか、あとで忘れても簡単に引き出せるようにするためだ。例えば、あるメーカーのエントリーシートを書こうと思ったら、その企業名のタグで検索するとノートが時系列で表示される。「ああ、あの時OB訪問でこんな会話をしたな、と思い出させてくれる手助けになる。だからエバーノートは秘書なんです」

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Amazon:co.jp: MP3 ダウンロード - DRMフリーの音楽配信サービス 無料音楽配信も

DRMフリーの音楽配信「Amazon MP3」がスタート

日本のアマゾンでも、DRMフリーのMP3ストアがオープンした。
Amazon:co.jp: MP3 ダウンロード – DRMフリーの音楽配信サービス 無料音楽配信も
Amazon:co.jp: MP3 ダウンロード - DRMフリーの音楽配信サービス 無料音楽配信も

TECH SE7EN : Amazon MP3がついに日本でスタート — DRMフリーの音楽配信
DRMフリーということは、他のPCへのコピー制限がないということ。Windows Media PlayerやiTunesでの再生はもちろんのこと、iPodその他のデバイスへのコピーも簡単にできるようになる。専用のダウローダー
Amazon MP3の最大の特徴は、購入したすべての楽曲がDRMフリーのMP3データでダウンロードできることだ。
その為、することが可能で、もちろんiPodに取り込む事もできる。DRMフリーである為、他のPCへのコピー制限もない。
普段使っている環境ですぐに使い始められるよう、Amazon MP3 ダウンローダーが用意されていて、ダウンロードした楽曲が自動的にiTunesやWindows Media Playerに自動的に追加される。
これだけの自由さを確保して、どこまで曲をそろえられるかというところ。
冷え切った日本の音楽産業が、ようやく重い腰を上げてAmazonに協力したという構図だろうか。ちょっと内部事情はわからないが、なぜ今になって?という感じがしないでもない。

中国ネット事情に関する@mranti 氏講演

10月21日行われたGLOCOM主催の中国人ジャーナリストMichael Anti氏(@mranti)の講演録、なかなか読みごたえがある。@mranti さんのことを知ったのは新疆ウイグルでの暴動のとき。彼は現地にいたわけではないのだが、冷静な分析や情報提供により、中国で起こっていることの全貌が、非常によく見渡せた。
Business Media 誠:「Twitterは中国に100%自由な言論空間を与えた」――トップツイーター安替氏の視点 (1/7)
Michael Anti (mranti) on Twitter
さて、講演録から面白かったところ。

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China Blocks Foursquare; Too Many People Checking Into Tian’anmen : techblog86

中国滞在中、Foursquareがブロックされた

6月2日から中国江蘇省に出張してきた。
今回もTwitterやYoutubeは相変わらずブロックされていて、相変わらず不便なネットライフを強いられた。位置情報サービスのFoursquareは、そんな中、まだノーマークだったようで、南通滞在中はFoursquareであちこちチェックインしながら、そこにコメントをつけて、さらにTwitterにも転送して発言してみていた。

が、上海に移動した4日、途中からどこにもチェックインできなくなった。iPhoneの調子が悪くなったのかと思っていたところ、以下のような記事が流れてきた。

つまり天安門広場に多くの人がチェックインし始めたので、天安門広場の中に、さまざまな政治的にデリケートな発言が出てくると懸念したということのようだ。上記techblog86では、以下のような画面コピーが紹介されている。

China Blocks Foursquare; Too Many People Checking Into Tian’anmen : techblog86

実際に天安門広場に政治的な発言が出てきていたのだろうか?

いま確認してみたが、たしかに大量のチェックインと、ところどころ事件の内容に触れている発言があるようだ。遮断されているはずのFoursquareだが、チェックインに伴う発言がいくつか出ている。事件から21年の記念日である6月4日だけ遮断し、土曜日の途中でアクセスを再びオープンしたということか。

 

この関係でいえば、ノーマークなはずのセカイカメラを試してみればよかったと、帰ってきてから思った(上海にいたので、天安門広場に何か書き残すのはどのみち不可能だったけど)。

Retweet

流行りのTwitter上でのつぶやきをリストアップするRetweet for iPhone

Twitter上で、他人の発言をそのまま自分のところでもコピーして発言することを、retweetというが、iPhoneにこのための専用ソフト「retweet」Retweetが登場した。

リンク: Retweet iPhone Appリリース | KGRANDJP News.

気になったTwitterのさえずりを再度さえずるretweetのiPhone Appが公開されました。ベータバージョンですが、24H以内に限り無料でダウンロードすることができます。

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