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コンテンツプラットフォーム「note」は、課金できるスマートなサービスとして定着するか?

4月にスタートした新しいサービス「note」が、1ヶ月で順調に注目を集めているという記事が出ています。

ピースオブケイクが運営する個人向けのメディアプラットフォーム「note(ノート)」が、2014年4月のリリースから1か月で、2,000万ページビュー、100万ユニークユーザーを達成した。

ピースオブケイク「note」、リリースから1か月で2,000万PV/100万UU達成 (1/1):MarkeZine(マーケジン)

2,000万ページビュー、100万ユニークユーザーをどのように評価していいのかはよくわかりませんが、生まれたてのサービスとしては、破格の数字であるとは思います。私もアカウントだけ取って、そのままにしてあったのですが、いくつか記事を投稿してみました。

Shinya ICHINOHE (shinyai)|note

noteは、Twitterと同じタイミングでスタートし、英語圏で現在も一定の支持を得ているTumblrというサービスに似ているという印象です。
トーク、イメージ、テキスト、サウンド、ムービーというコンテンツを指定し、ドラッグアンドドロップなどのわかりやすいUIで簡単に投稿できるという仕掛けは、同様のシンプルさでブログに代わる存在として支持を集めている、Tumblrと非常に似ています。従来のブログの考え方と異なり、Twitterのようなフォローが可能で、個別のコンテンツに対して「スキ」をつけることができるという、Tumblrに似たSNSライクな仕掛けも導入されています。

ただし、コンテンツ課金を柔軟にできるというところが、Tumblrと大きく異なる点です。ピースオブケイクCEO 加藤貞顕さんは、インタビューで以下のように答えています。

加藤 noteは、個人向けのメディアプラットフォームです。見た目はちょっとTumblrに似ていて、トークノートはつぶやきに近い感じなんですが、5種類のコンテンツを簡単に投稿することができます。もちろんタダで見せる(公開する)ことができて、フォローでつながり、コメントもできて、「スキ」を付けることもできます。で、noteの特徴は、「ここからは課金されるというライン」を、コンテンツの好きな位置に引けるんです。たとえば、そのラインを一番下に引いたら、実際はすべての内容がタダで読めるから、もはや課金は“投げ銭”として使ってるということになります。

ASCII.jp:メディアプラットフォーム「note」の作り方(前編)

いまのところは、過去に書いた記事などのコンテンツを、有料コンテンツして販売してみて、模様眺めをしている人が多いようです。かつて苦労して書いたコンテンツに、今になってお金を払ってくれる方がいるというのも、たしかに励みになりますね。

「柔軟」なコンテンツ課金というのは2つの意味があります。一つは、上の引用にある通り、「ここから有料」というラインを自分で決められるということです。すべてタダで読めるけれども、「投げ銭」として課金システムを使うことも可能です。もう一つは、値段を日によって変えられるということです。たとえば、最初の10人までは無料で、10個スキがついたらそこからは有料といったことも可能です。じゃあ最初の10人までの誰かが、コピーして投稿してしまったらどうなるかとか、厳密に言えば課題もなくはないのですが、そこまでがっちり固めなくとも、コンテンツへの支持を示してもらうための仕掛けとして「課金」という仕掛けを入れていると考えれば、いいのではないかと思います。

もともとピースオブケイクは「Cakes」という月額課金制のウェブサイトを運営していて、こちらはプロのコンテンツを読み放題にするという仕組みですが、Noteはプロ以外も参加できて課金もできる仕掛け。Cakesはかっちり編集された雑誌からのアナロジーで、Noteは単行本のイメージのようですが、いずれにしても2つは関連したものとして捉えられているようです。

―― cakesを作ったときに、すでにnoteの構想はあったんですか?

加藤 こういう方向性は考えていたんですよ。cakesを全部オープン化するとnoteになるんです。最初はcakesからnoteへと近づけていくことがしたかったんですけれど、noteはnoteでやりだして、そのうちに融合するっていう感じです。

 noteは「買える」っていうことが非常に新しいので、最初はそれだけに絞ったほうが良いと思っています。その代わり、使い勝手はものすごく簡単にしてあって、テキストノート(ブログにあたるもの)なんかは、エディタで書いて、画像を挿れたりして、公開とするとそれで無料で公開されます。有料にするなら、ペイウォールを表示する場所を決めて、ここ以降は100円とか、極限まで簡単にしています。みんながみんな、そんなにコンピューターに強いわけじゃないし、僕自身ブログがそんなに使いやすいと思ったことがなかったので。

ASCII.jp:メディアプラットフォーム「note」の作り方(前編)

加藤さんは「オカンでも使えるようにしなければ」という考えで、noteはかなり簡単に作ってあるそうです。たしかに非常に簡単ですが、「オカンでも使える」かどうかは、これからの普及の仕方で検証されるところでしょう(それぞれの「オカン」のスキル次第でもありますね)。

noteの課金システムは、受け手と送り手が、それぞれ気持ちよく、スマートに有料化対応できるように設計されていると感じます。ネットのコンテンツ課金は、「ウェブは無料」という受け手側の勝手な要求とどうしても衝突してしまいます。その「感覚」なるものが間違いだという主張は当然ありえます。ただ送り手の側も実は、無料でもいいからぜひ見てほしいなあという気持ちと、でも食えるようにそれなりにお金はいただきたいという気持ちでせめぎあっていることが多いのではないでしょうか。しかし有料化すると急に感じ悪く見えてしまうというところがある。買い手の方では、物理的な存在ではない「データ」に対してお金を払うことに、抵抗を感じる人が多いでしょう。この岩盤を崩すのは大変です。この点、Noteは「投げ銭」にしてしまって、中身はすべて見えるけれども、よかったらお金を払ってくれという形にすることもできます。またなによりデザインがスタイリッシュで感覚的に操作できるというのも、売り手と買い手、双方の気持ちを溶かす効果がありそうです。

いしたにまさきさんは、noteでは、受け手と送り手、それぞれの立場でクリエイティブが刺激されると書いています。

noteをやっていると不思議な感覚にとらわれることがあって、それはECとは完全に異質のものです。
だれかがなにかを書くなどしてそれに値段をつけているのを見ている。これは、自分の目利きとしてのクリエイティブを刺激すると同時に書き手のクリエイティブへの刺激ともなっているわけです。

交換ノート17:noteは書き手と読み手のクリエイティブが交差する場所|いしたにまさき|note

テクノロジーを参入障壁と感じることなく、発信力のある人達が、受け手としても送り手としても刺激を受けて、すぐにその発信力を発揮するようになるという仕掛けが、うまく作用し、循環しているということでしょう。課金システムまで含めて、たしかに非常にわかりやすくできていると思います。

とはいえ、若者たちの会話に「note」という言葉が飛び交っているわけではないので、メディアプラットフォームとして成長していくには、これからいくつもの山を越えていく必要があるでしょう。有料コンテンツで実績を挙げていくのは大変です。

ブログ同様にコンテンツはバラして利用できますので、他のソーシャルメディア(今のところFacebookやTwitterと連携)ともつなげながら、少しずつ知名度をあげていくことになるのだと思います。ポイントになりそうなのは、一つは課金でしょうか。現在はクレジットカードのようですが、この裾野を広げつつ、しかしスマートに利用できるようにというのは、まずもって重要な点でしょう。それからもう一つはアプリ。インタビューでは、iOSだとアップルが課金した場合に30%抜いてしまうという話が出ていて、なかなか悩ましいところではありますが、少なくとも当面は、アプリがないとなかなかスマホからのアクセスは増えていかないように思います。

アスキーの記事、前編を読みきったところでプロフィールを見たら、加藤さんは新潟出身だとプロフィールに書いてありました。近くに新潟に来ていただいて、お話をうかがう機会を作りたいと、個人的には思っています。

(Yahoo!ニュース個人掲載記事を転載)

[よく分かる IT]ITの2013年のトレンドは...

【よくわかるIT】2013年のトレンド:タブレットですべての作業が完結、LINEのポータル化、Makersの台頭

MXTVの「よくわかるIT」から、週刊アスキー宮野智彦編集長が予測する、IT2013年のトレンド。

ポイントは3つ。

1.パソコンからキーボードがなくなり、タブレットでもすべての作業が完結できるようになる。
[よく分かる IT]ITの2013年のトレンドは...

これは間違いない傾向だろう。現在のキーボードと同様の環境が手軽に持ち歩けるようになればいいなと思うが、たぶんそうなればもうラップトップの出番はほとんどなくなるかも知れない。

来年度も大学の施設更新が一部あり、普通にいけば安いデスクトップを入れようという話になりそうだが、この過渡期に妙案はないものかと思う(大学での個人利用の需要は、ほとんどがプリントなので、プリンターの部分をうまく工夫して、学内施設の台数を減らすのが一番スマートな方法だろうけれど)。

2.LINEなどの、人気の無料通話サイトが、Yahoo!のような総合ポータルサイトに進化する!
[よく分かる IT]ITの2013年のトレンドは...

LINEがメニューのすそ野を広げてくるのは間違いない。ただ、現在のポータルのような地位を築くようになるのかは、まだよくわからない。LINEはパーソナルな利用を前提にしてサービスが組み立てられているので、いきなりYahoo!のようなポータル機能が持ち込まれるのかどうか。少なくともNewsの領域でYahoo!を凌駕するようになるかは、個人的にはまだ懐疑的だ。

3.インターネットとITを活用し、工業製品・コンテンツなどの資金集め・制作・販売が個人でも可能となる時代が始まる!
[よく分かる IT]ITの2013年のトレンドは...

3Dプリンタやクラウドファンディングの普及により、インターネット・ITとものづくりは確実に接続されていくだろう。リアルとの接続が進むということは、地方の社会もかなりすばやい変化にさらされていくということになるだろう。

テレビばかりかPCインターネットの利用時間も減少:アスキー総合研究所の消費者動向調査「Media&Contents Survey」

MXTV「東京ITニュース」でおなじみ、アスキー総合研究所所長の遠藤諭さんのエントリー。「未来のテレビ」がテーマなのだが、背景としてメディアの「イス取りゲーム」、つまり限られた個人の24時間を、さまざまなメディア、デバイスを奪い合っている構図が紹介されている。数字は、アスキー総合研究所が行った消費者動向調査「Media&Contents Survey」から。

 

集計結果を見て驚かされるのは、ここ1年間のメディアの利用状況の激変である。1999年にiモードがスタート、2004年にGREEやmixiがサービス開始、2006年にニコニコ動画、2008年にiPhoneが日本で発売と、我々をとりまくメディアは、この5~10年で大きく変化してきてはいた。しかし、それを加味したうえでも、「1日のテレビの視聴時間」が152.0分(2010年末)から134.1分(2011年末)に減少したなど、劇的と言わざるを得ない。

 

日本人1人の1日の平均テレビ視聴時間は、1950年代にテレビ放送が開始されて以来、基本的に増加してきた。1960年代には「テレビの黄金時代」があったが、まだ核家族化されておらず、個人視聴もなかった。唯一、1980年代の半ばにビデオやテレビゲームで停滞したが、その後もバブル期をはさんで視聴時間は伸び続けた。ここ数年の総務省統計では横ばい、一部で減少も指摘されていたが、ここまで大幅な減少ではなかった。

 

テレビだけではない、「PCからの1日のネット利用時間」も、この1年間で173.5分から151.4分へと大幅減少。これは、1995年頃からひたすら発展してきたインターネットの歴史の中でも大きな転換点といえる。一方、携帯電話(スマートフォンを除く)も、2010年から2011年にかけては所有率が88.3%から80.3%へと減少。これも、1990年代に一般に普及が加速してから、初めての減少といえる。

 

そうした中で大きく伸びたのはやはりスマートフォンで、所有率は4.9%から13.1%へと167.3%も増加した。タブレットも、数値は小さいとはいえ、1.0%から2.1%へ増加。こうしたメディア機器に加えて、新聞などの紙媒体、ラジオやゲーム機などすでに減少傾向のあったものも含めて、それぞれの10%~20%が同時多発的に流動しているようすを想像してみていただきたい。消費者の限られた時間やお金やメンタルな部分で、壮大なイス取りゲームが行われているのだ。

 

スマートフォンを始めとする携帯端末に、他のメディアは時間を奪われている。ネットの普及でテレビを見る時間は減っている話、これはさらに顕著に出てきているのだけど、それだけでなく、PCでのネット利用の時間も減っている。これは大きなパラダイムシフトと言えそうだ。

主としてこの記事のテーマは「テレビの未来」なのだけど、実は「テレビの未来」といいながら、もはやそのイメージは、現在のテレビのイメージを超えたものになるということが、示唆されている。

東京ITニュース – YouTube

Bloggers Meetup 20120322

田中信太朗『tumblrハンドブック』(秀和システム)

先週の「プロブロガー」オフ会で初めてお会いした田中信太朗さんが、Tumblr本を出された。

【お知らせ】「tumblrハンドブック」を出版しました。 – Tanakamp的ヒトコト。

今までtumblrを解説した本は週刊アスキーさんが出したものがありますが、個人名義のものはおそらく日本で初めてだと思います。

たしかにTumblrは、「コンテンツを詰めた麻袋を武器に河川敷で殴り合ってるイメージ」というたとえにある通り、ある種特殊な世界なので、書籍にはまとめずらかったのではないかと思う。その意味では、田中さんがどこまで「健全」なTumblrの世界を描き出しているのか、大変興味があるところ。

著者近影(先週のオフ会での一枚)。

Bloggers Meetup 20120322

月刊 ascii2008年 07月号

新潟ジュンク堂で売り切れだった、月刊 ascii2008年 07月号だが、
新宿のジュンク堂で入手することができた。この手の「雑誌」を買うのは、本当に久しぶり。

月刊 ascii (アスキー) 2008年 07月号 [雑誌]
角川グループパブリッシング
おすすめ度の平均: 5.0

5 コンテンツ群が濃いっす

近時の広告の変化を特集した「明日の広告」。モバゲー、ニコニコ動画、はてなブックマークなどをヒットさせた人々に取材した「大化けの極意」。「青少年ネット規制」問題は、藤代裕之さんが編集部とともに取材し、寄稿している。