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家入候補、ハッシュタグで募集した意見から120の政策を発表

かつてリベラル系の政治家の選挙演説で、「しなやか」という言葉がよく使われた。あれは今でもどういう意味で言っていたのか、正確にはよくわからない。保守の強面・マッチョなイメージと対極にある、やわらかいイメージのことを語っているのだということは、なんとなくわかるのだが。

辞書的には、1)柔軟で,弾力に富んでいるさま。よくしなうさま。2)動作・態度に角張ったところがなく,なよやかなさま。たおやかで優美なさま。ということになるようだ。

しなやか とは – コトバンク

東京都知事選の終盤で、家入一真さんは、#ぼくらの政策 でFacebookやTwitterを通じて募集した政策から120の政策を決定し、発表した。

家入一真(いえいりかずま)東京都知事選立候補者 120政策決定

ieiri

都知事選当選に必要な票数は多いので、家入さんが当選するのはかなり困難だと思うが、たとえ落選したとしても、これを発表したことが、社会的には十分な成果ではないかと思う。彼はあらかじめ公約なるものを決めることをほとんどせず(「居場所を作る」ということは言っていた)、未来像をみんなで出し合って、それを政策としてまとめるというプロセスを「可視化」してみせた。どこまでガラス張りで作られたといえるかは、よく見てみないとわからないが、多くの人々のハッシュタグ付き投稿から、賛同できるものをピックアップしたということだろう(どのアカウントのTweetの意見を取り入れたかも、可能な限り明示されている)。

「子育て福祉をしっかりやります」「防災対策に力を入れます」、というような言葉を連呼する政治家は多い。実際には何をやるのか、演説ではよくわからない。また有権者の側も、「しっかりやってくれ。よろしく」と考えるか、関心がないか、いずれにしてもそれ以上深く突っ込むつもりがない人たちがほとんどであった(そして「ネット選挙運動」が禁止されていたため、ソーシャルを通じた「突っ込み」も不可能であった)。実際には、支持団体の意向というのが、それなりに政治家の言動を左右してはいるのだが、これまでそれは表には見えなかった。

家入さんの背後に、支持団体っぽいものが何もない、と考えるのはナイーブすぎるかもしれない。しかしながら、ソーシャルメディアを使って、ボトムアップで政策を作り、そのプロセスを「見える化」し、できあがった制作の束を背負って当選を目指すというスタイルが、可能だということは、はっきり見えてきた。少なくとも政策形成プロセスは透明であるように見える。これで思い出したのが、冒頭に出した「しなやか」という言葉。「しなやか」という言葉は、もうすでに手垢がついていて陳腐だが、柔軟さという意味でいうならば、このような政策形成こそ、よっぽど「しなやか」ではないかという気がしてくる。選挙演説でワンフレーズを連呼する人たちは、リベラルだろうと保守だろうと、ちっとも「しなやか」ではない。

今後こういうボトムアップで政策を選択する政治家が選ばれるべきと考えるか、自分や党が決定した政策を掲げる政治家が選ばれるべきと考えるか。首長の場合には、一人で判断・決断する場面があるわけで、ボトムアップ型の候補者は必ずしも歓迎されないのかもしれない。しかし、議員の場合には、党が政策を作るのではなく、ソーシャルから吸い上げた意見から政策を形成し、そこに類似性のある人達が、離合集散して会派を形成するというような形が、ひょっとしたらできてくるのかもしれない。そんな期待を抱かせるような現象であるように思う。

この現象の面白さが、どこまで票に現れるのか。政策の発表に際して、家入さんがFacebookで出していたメッセージも面白かった。固定電話世代の世論調査と、ネットの民意のギャップが、実際の投票結果にどのように現れるのか。この点も注目したいところだ。

この表を見てください。20代30代40代が動けば時代が変わるんです。どうせ舛添さんだろ、どうせ細川さん宇都宮さんだろ。そう思う方々も多いと思います。でも、もし僕らが動かなくても既定路線がそうなのであれば、僕に賭けて一票入れてみませんか

メディアが報じる予想票数。あれ、固定電話で調査してんだよ笑。僕らの周りはどれだけ固定電話持ってるんだろう。持ってないよね。ネットの民意、若者の民意を見せつけてビビらせてやろう。5人の友達に、それぞれ5人ずつ紹介してと伝えてください。

「シェア」はその価値がわかりにくくもろい存在:「プライバシー」との両立

今学期の最後、いくつかの授業で「シェアとプライバシーの両立」について、自分の考えを書いてもらった。こんな内容で出題し、解説もした上で、少し時間をかけて回答してもらった。

TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアは、多くの情報が公開で共有、シェアされることで、メディアとしてのパワーを拡大してきました。「アラブの春」のような政治運動でも、不正を暴く「Wikileaks」のような仕組みでも、こうした「シェア」の力が働いています。しかしその一方で、止められない拡散力は、Twitterでの「炎上」や「リベンジポルノ」などの副作用をもたらし、SnapchatやLINEのような、はじめから限定されたサービスにも、支持が集まり始めています。これから人々は、プライバシーを守りながら「シェア」を続けていくのかどうか。「シェア」のある社会を続けていくにはどうしたらいいのか。皆さんの考えを書いてください。

(Wikileaksの拡散にはマスメディアの存在も関わっているので、「シェア」の力と言い切っていいのかは、実は若干迷ったところもあるのだが、それはさておき。)

学生にとって、SNSとプライバシーの問題は自分の身近に起きうる問題で、「炎上」も「リベンジポルノ」も、すぐそこに転がっていそうな話。なのでこちらについてはだいたい回答があり、気をつけなければとか、キャリアがもっと規制すべきではとか、そういう意見が必ず書いてある。

かたや、ソーシャルメディアの「シェア」がもたらす積極的意義については、さらっと触れている程度で、実感を持って語られているものは、ほとんど見当たらない。やはりあんまり実感がないのだろう。

普段はたわいもない日常が語られているだけに見えても、必要な情報が瞬時に人づてにやってくる、というソーシャルメディアの意義は、なかなかわかってもらえない。受け取った情報を「評価」し、それをさらに「シェア」するというのは、社会的に意義はあるのだが、どちらかというと面倒くさい作業だ。答えだけ欲しがっている人には、面倒なことなのだ。せいぜい、食べログや価格コムなど、自分の生活上の利益に直結したところでしか、この感覚は動かないということなのかもしれない。

いまや「ソーシャルは危険だ」話がおおはやり。かくいう自分も、その手の原稿依頼や講演依頼をいくつも受け取っている。もちろん「炎上」などをめぐって、事態の深刻さは増しており、これはこれで必要な仕事だとは認識している。問題はこの論調をどこまで強めていくか。これは誰にもコントロール出来ない。特に「私は使ったことがない」という人たちは、聞きかじって理解した範囲の知識で危険性を語るので、当然「シェア」の積極的な意義とのバランスは意識されない(なくなっても自分たちにはなんの悪影響もない、と思っている)。かたやユーザの側も、「俺のTLには社会的に有用な情報なんてない」と自嘲することもあり、「シェア」の意義はあまり意識されない。

ソーシャル危険論が、リテラシー教育によって賢いネットユーザを作ることと放棄させ、SNSを地下に潜らせるだけの結果になれば、いつのまにか「ソーシャルメディアは愚民の使うもの」という評価が確立し、「シェア」の可能性はついえて、「ソーシャルメディアは死んだ」ということになるのだろうか。

SnapchatやLINEの流行は、その点新しい動きの現れといえなくもない。プライベートなメッセージのやりとりと、FacebookやTwitterなど、よりオープンな場所での情報のシェアが区別され、これがより人間の身体性に近いものとして確立していけば、案外技術がこの「棲み分け」問題をうまく解決してくれるのかもしれない。

都市の公共空間とTwitterは「ステージ」

新宿駅を通り過ぎる際に、ホームをハイスピード撮影した映像。まるで時が止まったように、ホームにいる人々の姿を切り取っている。

新宿駅をハイスピード撮影した動画が、人間模様を映し出していてすごい

Adam Magyar, Stainless – Shinjuku from Adam Magyar on Vimeo.

制作したのはベルリンに住む、ハンガリー人の写真家、Adam Magyarさん。作品のコンセプトについて「この作品は、写真と動画の境界に位置づけられるもの。延々と続く、電車待ちの人たちの姿はまさに、生ける彫刻なんだよ」と語っている。

話題になったこの動画に対して、「たつをのChange Log」は以下のように、この動画の面白さを十分に理解しつつある種の「難しさ」をやんわり指摘している。

[を] 肖像権やらプライバシー保護やらでアートを否定したいのではなく自分も同じことをやりたいわけです

でも、これって、肖像権やプライバシーの問題が残ります。撮影された人の許可は間違いなく取ってないだろうからほぼアウト。カメラを向けて拒否されなかったからOK、みたいな話は隠し撮りだから通らない。風景の一部、というには無理がある。これが許されるならグーグルストリートビューで顔をぼかさなくていいよね。

なんかこのへんがクリアされてないとモヤモヤします。

ぐちゃぐちゃ言ってるけど、私はこういうアートを否定したいのではないのです。むしろこれがOKなら自分もこういうことをやりたいと思っているのです。有名アーティストならおとがめなしだけど個人ならダメ、みたいな世界は嫌なのです。

以前、新津美術館の「おんな写真展」を見に行った。過去から現在にかけて、女性たちがどのように生きていたのかを写真で振り返ることができた。非常にリアルな写真が多かったのだが、90年代途中のある段階から、様子が少し変わった。「時代の流れ」で自然な姿を撮影するのが難しくなったと書いてあった。

新津美術館のおんな写真展 | Flickr – Photo Sharing!

というわけで、有名アーティストの側もまた、ストリートで撮影するのは実際にはいろいろと難しい環境にあるように思う。一方、秋葉原では小型カメラがたくさん売られていて、これを使って、極秘に撮影することが可能になっている。有名アーティストであれ個人であれ、まっとうな人は、技術の進化によって「表現者」としての地位を獲得したにもかかわらず、実は撮影することをためらう場面があるということだろう。逆にそんなことは気にしない「ならず者」は、やりたい放題になっているのかもしれない(実際カメラの高機能化の結果、駅での盗撮で逮捕されているケースは少なくない)。

都市に暮らす人々は、匿名化された「群衆」の一人として生活している。自分は東京から離れて10年以上がたち、お店に行けばバイトしている学生に会い、道を歩いていると知り合いに会うという環境にすっかり慣れてしまったが、最初はとても息苦しかった。東京に出張で出てくると、ほっとしたのをよく覚えている。今でも、東京を歩いていると、人の目を気にしないでよくなるために、ちょっとだけ気分が楽になったと感じることはある。

この「匿名化」された空間は、「冷たい」とはいうもののどこか居心地がよいところもあり、そこにどかどかと入り込んで撮影するというのは、権利以前に、撮られる側には抵抗がある行為なのだろう。もちろん、田舎の村にどかどかと入り込んで撮影するのも抵抗はあるだろうが、田舎の場合には「入り込む」という段階で「抵抗」がはじまり、「あんただれ?」という状態になるので、やや状況が異なる。新潟の都市部では村のようにはならないが、街を歩いていて知り合いに会う可能性は決して低くないので、完全に「匿名化」された気分で街を歩いている人、電車に乗っている人は少ないはず。

匿名化されているはずの都市住民のプライバシーは、突然何かの拍子で暴かれる。悪気がある場合もそうでない場合もある。この現象は、個人的に使っているつもりのTwitterアカウントでの発言が、ある時突如として注目を浴び、RTされ、まとめページに掲載されていくというのに、構造は似ているように思った。

ステージに上がっているつもりは全くないのに、突然スポットライトを浴び、幕が開き、多くの観客の前にさらされる。どちらのケースもその点では似ているのではないか(自分でTweetした結果か、勝手に見知らぬ誰かに撮影されたかという違いはあるにしてもだ)。だからどうすべきだということはないけれども、都市の住民というのは、公共空間ではいつ幕が開いているかわからないという状況にあり、それはある意味でやむをえない部分があるということを前提にした上で、たとえばそれが意に反する形で別の情報と結び付けられないようにする方法を考えるとか、実質的な悪影響を最小限にとどめる仕組みを、考え始めたほうがいいのかもしれない。

敬和学園大学のソーシャルメディア、まだまだ伸びしろはある

敬和学園大学のFacebookページがようやく500いいねに到達した。

国際ダンスサークル 20130824

敬和学園大学 / Keiwa College

早くから取り組んだ割にはようやく、というところだろう。すでに万に達している大学公式Facebookページも結構ある。とはいえ、同窓会組織も弱い小規模校としては、これでも精一杯というところではないか。担当者がコツコツと努力した成果であり、今後も大学をオープンにする仕掛けとして、ますますの発信力強化を期待したい。

ともあれ、500いいねを超えたところで、あえてシビアに、敬和の情報流通のサイクルを見てみよう。
率直に言って、敬和学園大学Facebookページは、もう少し「がんばれる」はず。それには、取材力や発信力をアップすることが大事だ。広報の発信力も鈍化しているところもあり、マンネリを打破するとともに、瞬発力を持ってすばやく適切な言葉を投げかける力や、ここぞとばかりにヒット作を生み出す力をさらに磨いていきたいところだ。

一方、広報だけに頼らず、教職員がそれぞれの持ち場で「広報活動」をすることも大事だ(これは自分が教職員研修にもっと取り組むべきなんだろうと思う)。ベースに教職員それぞれの発信があり、広報部門がちゃんとそれを適切に拾い上げて(スルーするものはスルーして)いけば、より戦略的な広報が可能になるはず。おそらく現場の発信力強化は、多くの組織で共通に抱えている課題だろうが、大学も小規模の敬和のような組織では同じ。あんまり広報部門に頼らず、各部門が問題意識を持って情報発信をしてほしいと思う。

また小さな大学では特に、学生や卒業生の支持、情報発信も大事になる。学生からの情報発信というと、近頃は「炎上」の火種として警戒する向きもある(実際警戒しなければらないところはあるのだが)。しかし、学生団体の活動を「可視化」することは、小規模校で手応えを感じられていない学生たちが、外部と接触し、自信を持つためのきっかけにもなる。大学はこれを支援して、よい発信内容は広報がきちんと拾い上げる。また情報の流通においても、大学広報が「大声で叫ぶ」だけでなく、学生・卒業生がシェア、いいね、RTで広げていく、というサイクルも大事になる。特に、このサイクルをさらに加速させたいところだ。

私が顧問をしている国際ダンスサークルは、最近、がんばってFacebookページを更新している。

国際ダンスサークル

国際ダンスサークル 20130824

これは良い傾向だろう。また、Ustream番組「Keiwa Lunch」では、MCたちが学生の活動を紹介したり、ゲストが自分たちの活動について紹介している。

Keiwa Lunch 20130710

もちろん稚拙さはあるのだが、こうした訓練を通じて学生たちは、内輪受けではない情報発信の仕方について意識を高め、スキルを身につけているように思う。学問的に意義ある話をするわけではないのだが、過不足ない情報を含んだ話をして、なおかつ相手をひきつける話をするという能力を、こうした経験の中で、学生たちは培っている。最近Keiwa Lunchに出ている学生たちが、ラジオできちんと話しているのを見て、つくづくこのことを感じている。

敬和は勉強の出来る学校とは見られていないと、嘆く(あるいはあきらめる、あるいはいいわけにする)学生もいる。しかし学生にとってその現象は、自分を写す鏡でもある。適切に相手に伝わる言葉を発していれば、自分に対する見方も変わるし、学校に対する評価も少しずつ変わる(言動によって学校に対する評価が変わるというのは、もちろん自分たち教員も同じだ)。小さい学校なので、一人の行動が大学への評価を大きく上げもするし下げもする。敬和と自分をセットで否定された経験を持つ人もいると思うが、自分の働きで敬和の評価を上げている人もいる。少なくとも、Keiwa Lunchを含めて、自分と一緒に動いてくれているメンバーは、その多くが、「一人の行動で学校の評価を上げている」人たちだと思う。この学生たちは、自らの評価を高め、大学の評価も高め、大げさに言えば、大学の歴史を作っているともいえる(もちろんもう少し補強してあげたいところはあるのだが)。

教職員も学生も、みんなが表現力、発信力を磨くこと。さらに傾聴し、共感する力を高めること。これらをソーシャルメディア等で、表現し、多くの人と有意義なつながりを持つこと。ひとりひとりのこうした「つながり」の積み上げの上に、よいコミュニティ、よい大学は作られていくはずだ。コミュニティの力を体現し、さらに「つながり」を強化する仕組みとして、「敬和のソーシャルメディア」をさらに発展させていきたい。

新潟日報モア「新潟ソーシャル時評」:Twitterアカウントから、政治家のこれまでの「実績」を確認

参院選公示前後から、「新潟ソーシャル時評」には、「ネット選挙関係」の記事をいくつか書いた。こちらは公示直前に、党首なりすましアカウントがいろいろ見つかったという報道について書いたもの。

そんなのに引っかかる人はあんまりいないと思うので、もう少し候補者のこれまでの取り組みをしっかり見るための手段として、ソーシャルメディアを活用する方法を、広めたほうがいいのではと提言したつもり。

User Chart

Twitterアカウントから、政治家のこれまでの「実績」を確認|ソーシャル編集委員 一戸信哉「新潟ソーシャル時評」|モアブログ|新潟日報モア

公職選挙法が改正され、ネット選挙運動が解禁されたわけですが、「選挙運動」それ自体は、これまで通り公示後に始まります。ただこれまでと違って、注目を浴びる公示後にも、ウェブの更新が行われることになります。その結果、「政治活動」として区別されている、日頃の政治家の皆さんの活動実績、これに関する情報発信の姿勢が、あらためて明らかになります。「にわかTwitterユーザ」であるかどうかも、容易に明らかになります。ただし、このことをきちんと評価するためには、有権者である私たちが、候補者の皆さんのこれまでのネットでの「実績」を解析するさまざまな方法を、きちんと身につける必要もあるように思います。「偽アカウント」に騙されず、本物のアカウントの日頃の情報発信の態度までも評価できる有権者が、どれぐらい増えるのか。有権者のネットリテラシーが、今後問われることになります。

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新潟日報モアについて:新潟日報モアは、新潟日報購読者向け無料サービス。世帯内で複数アカウントの発行は可能なので、新潟日報購読家庭であれば、すべての家族が登録可能だ。また、「購読予定」の人も登録ができるので、実は「これから登録しようかな」という人も、問題なく登録ができる(販売店が営業に来るのではないかと思う)。

対話しない公式アカウントは必要か:新潟県のSNS運用指針作成から

読売新聞によると、新潟県がSNS運用指針を作成するという。

Narazawa Shrine Festival, Iiyama, Nagano

新潟県、SNS運用指針作成へ…「炎上」防ぐ : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

新潟県は、部局や県職員がインターネット上のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使用する際の運用指針を作成する。組織として発信内容に責任を持つのが狙いで、今夏中にも庁内に周知徹底する。

 指針には、▽発信は庁内の部や課が主体となって行う▽発信内容は部や課で決める――ことなどが盛り込まれる予定で、県職員の勝手な運用や不用意な発信によってネット上のツイッターやフェイスブック(FB)などに批判が殺到する「炎上」や、県のイメージ低下などを未然に防ぐ。

はっきりとは書いていないが、文脈からすると、いわゆる「公式アカウント」「公式Facebookページ」の運用に関することのようだ。復興庁職員のTweet問題から、個人の発信を規制するという話になっていないのであれば、ひとまずは安心。しかし炎上を防ぐという観点からは、個人アカウントの動きも気になるだろう。

さて「公式」についてだが、「県職員の勝手な運用や不用意な発信」を防ぐため、「発信は庁内の部や課が主体となって行う」「発信内容は部や課で決める」といった指針を定めるようだ。たしかに担当者が1人で、本人の独断に全てをゆだねてしまうのはリスクが有るとは思う。ただ、それもまた、実効性があるかどうかはなんともいえない。というのも、情熱を持って、同じテンションでソーシャルメディアに取り組める人が、それぞれの部署に複数もいるとは、考えにくいからだ。もしそういう人が複数名用意できるのであれば、もっと利用が進んでいるような気もする。

ともあれ、「発信内容は部や課で決める」というのは、書き込む内容をすべて、部や課の単位で事前承認するということを意味するのだろうか?おそらく報道発表のようなものは、こうした形になっているのかもしれないが、TwitterやFacebookのようなメディアでもそれをやるのだろうか。やれないことはないだろうが、そこまで規制してしまうと、そもそもやる意味が薄れるように思う。過去に外務省のアカウントが、フィンランド大使館とうまく対話ができず、実はいちいち上司の許可が必要だったという話題があった。

朝日新聞デジタル:つぶやき交流、質問ごとに上司の許可 外務省、2問で完 – 政治

対話できないのであれば、通常のウェブページとあまり違いはないので、無理にソーシャルメディアを活用する必要はないのだが、対話するのであれば、いちいち「部や課で決め」てはいられない。ここに公式ソーシャルメディアの難しさがあるとは思うのだが、この問題を組織としてクリアする気がなく、「すべて組織的に決定してから発言する」というのでは、うまく運用することは難しいだろう。対話をしない公式アカウントは、よっぽどありがたい情報を提供してくれるのでなければ、決して支持されないと思う。現場に任せつつ統制も怠らない、という、絶妙なバランスを、きちんと考えるべきだ。Facebookページであれば、いちいち全部のコメントにはこたえないが、よいコメントにはいいねをおすとか、簡単なものには担当者が「電話応対」と同じようにどんどん答えていくというぐらいは、必要になるだろう。もちろん難しい問題については、組織的に対応できるようにしたほうがよい(組織内の調整をメールでやるのでは間に合わないので、即時性のあるメッセージングサービスやチャットは必要になるように思うが、、、ダメなんだろうなあ)。

おそらくこれは記者が想像して補完したのだと思うが、以下の様な記述もある。

ただ、今年5月、県村上地域振興局が山形県境の山「日本国にほんこく」(555メートル)の登頂者に記念の「日本国征服証明書」の発行を企画したところ、ネット上で「不適切だ」などと批判が広まり、同局が「登頂証明書」に急きょ名称変更するなど、ネット上では思わぬ批判が一気に広がる恐れがある。

この件を、村上地域振興局がソーシャルメディアで拡散したのかどうかは知らないが、これは「不用意な発言」の問題ではなく、「日本国征服証明書」の発行するという「企画」に対して向けられた批判だろう。こうした批判をうけないために、「発信内容は部や課で決める」というのであれば、批判されそうなことをソーシャルメディアでは発表しない、ということになってしまう。実際にはこの件は、ネット上ならばそんなに反対は強まらないような気がするので、ネットに拡散したほうがよかったのかもしれない。電話で批判するような人が出てきても、Facebookだとまた違う反応があったりして、担当者はむしろ励まされることもあるだろう。

個人的には、ソーシャルメディアの運用をコントロールするといっても限界があると思っている。最終的には組織の中で出来る限り信頼出来る対話力のある人を配置し、ある程度のチェックが働くようにした上で、運用していくよりほかないだろう。

2/17ソーシャルメディア・デジタルジャーナリズム合同研究会を開催

昨年末にスタートした、情報ネットワーク法学会のソーシャルメディア研究会。私が主査の仕事をさせていただくことになったこの研究会と、上智大学橋場先生から藤代裕之さんに主査がバトンタッチされた、デジタルジャーナリズム研究会が、2月17日に合同で研究会を開催する。

ソーシャルメディア研究会とデジタルジャーナリズム研究会の合同研究会

概要:
WOMマーケティング協議会(WOMJ)ガイドライン委員長である駒沢大学山口浩教授からWOMJガイドライン改訂のポイントを話して頂き、テーマに沿ったディスカッションを行います。第一回目ですので進行などについては当日までに変更があるかもしれません。セミナーではなく討議スタイルで行います。

開催日時:2013年2月17日 14:15~17:30

<スケジュール(予定)>

14時15分 開場
14時30分 開始
17時00分 討議終わり、今後の進め方について
17時30分 終了

<参加資格/費用>

ソーシャルメディアやジャーナリズム、テーマに関心があれば学会員以外でも参加できます。
会場費の負担をお願いします(500円程度を予定)

当日は、WOMマーケティング協議会ガイドライン委員長の山口浩先生から、WOMJガイドライン改訂のポイントについて、解説がある予定だが、山口先生は今週、以下の様な「ステマ」に関するお話をされたようで、Slideshareに資料が公開されている。

また、シノドスにも以下の記事が出ている。

ステルスマーケティングへの「対策」について 山口浩 – SYNODOS JOURNAL(シノドス・ジャーナル) – 朝日新聞社(WEBRONZA)

情報ネットワーク法学会の会員でなくとも、今回の研究会には参加可能。都心での開催で、テーマも法学者限定の話題ではないので、多くの皆さんにご参加いただきたい。お申し込みは、以下のFacebookイベント、または、学会ホームページ掲載のメールアドレスまで。

情報ネットワーク法学会 ソーシャルメディア研究会/デジタルジャーナリズム研究会

写真共有プロジェクト「Keiwastagram」、地域活性化型クラウドファンディングFaavoで支援を求めています

昨年から始めた、敬和学園大学の写真共有プロジェクト「Keiwastagram」を、クラウドファンディングのFaavoに応募、運営資金の支援を募ることにした。先週から公開されている。

目標額は15万円。すでにご支援いただいた皆さん、どうもありがとうございます。少額でもよいので、ぜひたくさんの方にご支援いただければと思っています。よろしくお願いします。

新潟の将来を支える学生たちに元気を「Keiwastagram」 – FAAVO 新潟

Keiwastagramは、スマートフォンアプリInstagramを使って、ハッシュタグ「#keiwa」をつけた写真の投稿を呼びかけて、それらを共有しようというプロジェクトだ。

[youtube]http://youtu.be/lQu0rTCkoN0[/youtube]

ソーシャルメディアが人々の生活を「可視化」する、というと、Twitterで不用意な発言をして炎上するというような、ネガティブな側面ばかりが注目されがちだ。しかし一方で、地方での大学生たちの日常のような、なかなか世の中から注目されないが、実は面白いことがたくさん転がっている事柄について、新たな可能性をもたらすのも、ソーシャルメディアであるはずだ。なにげない大学での日常を、Instagramで共有することで、またさらに、それらをハッシュタグでつなぎあわせてみることで、学生たちは新たな価値を見出すことができる。実際すでに、優秀作品の多くは、InstagramやFacebookなどで、多くの人々の目に触れており、サークルの活動や大学の行事での学生たちのいきいきした姿に、たくさんの「いいね」がついていることに、学生たちは気づき始めている。

昨年12月に、2012年の写真をまとめた映像は、それなりに反響をいただいた。単なる日常の写真投稿をつなげただけで、こんな価値が生まれるのかと、少なくない学生が、気付いてくれたのではないかと思う。

[youtube]http://youtu.be/qLf2OW_ulFg[/youtube]

自分たちの今の日常が、自分たちの思い出の記録としてだけでなく、また同時代を生きる新潟にゆかりある人々と共有する価値ある瞬間となるどうかどうか、もしそのように自覚されるならば、首都圏の大学生とは別の形で、新潟での大学生活に誇りを持ってもらえるのではないか。Keiwastagramは、大学生をエンカレッジする、新しい取り組みのつもりだ。

今のところ、月間賞(といっても投稿数が少ないので2ヶ月に1回程度)の表彰と優秀作品のポスター化を行なってきたが、これだけでも結構なコストがかかる。できればこれからは、これらの写真をパネルにして展示したり、ギャザリングイベントなどを開催したいと思っている。これらを大学に支援してもらって実施することも可能だが、それよりも、クラウドファンディングでこの取り組みを理解してもらい、支援されることで、写真を通じたつながりが社会との関係にも広がり、学生たちがソーシャルメディアを通じた人々とのつながりを実感してくれるようになるはずだ。

15万円という目標額は、決して低くはない。客観的にみても、このプロジェクトの公共性を多くの人々に理解してもらうのは、なかなか難しいように思う。自分としては大いに公共性があると思っているのだが。新潟の若者たちにソーシャルメディアのポジティブな側面を理解させる価値を理解していただける方、ぜひご支援いただけたらと思う。

It's a tweetoff @ #thestudiotweetup

11/24開催「新潟県コミュニティ・フォーラム2012」に参加します

昨日新潟日報に記事が出たようなので、一応ブログでも告知。コワーキングスペース「Jelly Jelly Cafe Niigata」を立ちあげメンバー、西村治久さんが、県内のコワーキングスペース、コミュニティカフェ、交流スペース、コミュニティ活動、シェアハウス、ゲストハウスなどなどをつなげるイベントを開催する。声をかけていただいたので、15時30分からNSMCの話をさせていただく予定。

It's a tweetoff @ #thestudiotweetup

By John Biehler

多くの活動紹介が予定されており、名前だけ聞いたことのある活動も多数あるので、交流のきっかけにさせていただければと思う。

一般参加の申し込みは11/12までだそう。コクヨ北陸新潟販売さんの『ライブオフィス』にうかがうのも、大変楽しみだ。

新潟県コミュニティ・フォーラム2012

【新潟県コミュニティ・フォーラム2012】参加申込フォーム

——- 主旨

県内のコワーキングスペース、コミュニティカフェ、交流スペース、コミュニティ活動(朝活、○○会など)、シェアハウス、ゲストハウス、その他もろもろのコミュニティ(もしくはそれらを今後つくりたい人)が一堂に集結し、互いを知り、つながり、ひろがることが目的。

また、新潟県へ移住/移住予定の人、もしくは新潟県とつながりたい方々など、皆さんの活動の場、発表の場の幅が広がることを願い、開催します。

——- 概要

■イベント名
新潟県コミュニティ・フォーラム2012

■日時
2012年11月24日(土)13:00〜19:30
*タイムテーブルは下記に掲載

■会場
コクヨ北陸新潟販売(株)『ライブオフィス』
http://www.kokuyo-h.com/liveoffice/niigata/index.html

■参加方法
エントリーフォーム
http://bit.ly/niigatacf_form
☆応募締切 2012年11月12日(月)24:00

■会費
2,000円
*学生証の提示で500円

■事務局へのお問い合わせ先
west2538@gmail.com 担当: 西村
TEL 090-6193-6086 担当: 卯田(ウダ)

■主催者のメッセージ
昨今、コワーキングスペースはもちろん、県内で新しいコミュニティが各種生まれています。

それらのコミュニティが、会社や自宅につぐ第三の職場であり活動拠点として需要が高まっていることに対応し、一堂に集結する【新潟県コミュニティ・フォーラム2012】という県内初イベントを開催することにしました。

県内のコミュニティ関係者はもちろん、すでに利用されている方、これからの利用を検討される方、今後コミュニティを作りたい方、そしてプレス、行政、教育機関、企業を巻き込んで100人超の規模にするつもりです。

開催宣言後1週間も経たずして数十名の賛同者を得ており、期待の大きさを感じております。

コミュニティが個々に奮闘するのでなく、互いを知り、つながり、ひろがることで、皆さんの活動の場、発表の場の幅が広がることを願っています。

■ゲストスピーカー(以下3名様)

・河田 珪子さま
http://www.chiiki.pref.niigata.jp/dukuri/pickup/no_9.html
新潟県新発田市出身。
全国に広まった常設型・地域の茶の間というコミュニティの創設者。

・広瀬 眞之介さま
https://www.facebook.com/hirose/info
東京・水道橋のコワーキングスペース【ネコワーキング】の代表。
全国の地方コミュニティの成功事例に関わっています。

・金森 裕樹さま
http://www.worksight.jp/
コクヨ WORKSIGHT LAB.
WORKSIGHT編集員。2006年にコクヨに入社。欧州のオフィス家具の国内販売企画や各種イベントプロモーションを担当。2011年には東日本大震災復興支援プロジェクトに所属。2012年よりWORKSIGHT LAB.所属 働くしくみと空間をつくるマガジン[ワークサイト]の編集に携わる。

■情報発信用アドレス

・Facebookグループ
http://bit.ly/niigatacf

・Twitter ハッシュタグ
#niigatacf

☆以上を、フォーラム開催後も新潟県コミュニティの情報交換の場として活用します

■フォーラム当日、ライブ配信します
Ustream番組【PLAGE-TV(プラージュ-ティーヴィー)】にて
http://www.ustream.tv/channel/plage-tv

——- タイムテーブル

▼12:30 開場

▼プロローグ
13:00 開幕の挨拶&1day cafe紹介(プロデューサー・西村 治久)
13:05 会場スポンサーの挨拶(コクヨ北陸新潟販売株式会社)
13:10 ゲストスピーカーの講演 1(常設型 地域の茶の間 創始者・河田 珪子)
13:40 休憩

▼第1部(県内コミュニティ プレゼン)
13:50 新潟駅南・JELLY JELLY CAFE NIIGATA
14:00 新潟市東区・Yumeスペースひだまり/Cafe korarema/シェアベーカリー工房
14:10 新潟市古町・meme
14:20 燕市・Nico*mam
14:30 燕市・サマンサハート
14:40 新発田市・古本いと本
14:50 村上市・地域の茶の間 心のわが家
15:00 休憩
15:10 新潟×朝活/green drinks Niigata
15:20 無名大陸
15:30 新潟ソーシャルメディアクラブ
15:40 新潟フューチャーセンターネットワーク
15:50 シェアハウス/ゲストハウス
16:00 サロン・ド笑天街
16:10 新潟プレゼン研究会
16:20 ビデオレターTime
16:30 休憩&1day cafe終了案内

▼第2部
16:40 ゲストスピーカーの講演 2(東京都 ネコワーキング 代表・広瀬 眞之介)
17:10 近県コミュニティ プレゼン 1(石川県金沢市・cafe? IKAGAWADO)
17:20 近県コミュニティ プレゼン 2(長野県上田市・HanaLab.)
17:30 近県コミュニティ プレゼン 3(栃木県足利市・SPOT3)
17:40 休憩

▼第3部
17:50 コクヨ WORKSIGHT・金森 裕樹『シリコンバレーにみる先端オフィス事例』
18:20 コミュニティデザイナー・唐澤 頼充からの提案
18:30 プロデューサー・西村 治久『フォーラムの今後と予告/本編閉幕の挨拶』

▼エピローグ
18:40 交流会
19:30 撤収
*交流会が始まったら自由解散となります

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【下記を必ずお読みのうえ、ご参加ください】

■当日は受付の際、事前にお申し込みいただいたお名前(もしくは団体の代表者名)をおっしゃってください
■駐車場の台数に限りがありますので、あいのりでのご来場をおすすめします
■Wi-Fiおよびインターネット接続環境は各自でご用意ください
■飲食物の持ち込みOKです。ただし、ゴミは各自でお持ち帰りください。また、会場にある当日限りのカフェ(1day cafe)でも軽食を販売しています(にいがた農園倶楽部のおいしい新米を使ったおにぎり等)
■会場内では、相席のうえ交流をお楽しみください。また、開催中の席の移動や飲食、1day cafe/トイレ/キッズスペース/喫煙室の利用、質問はいつでもOKとなっています
*一般的なセミナー形式と違い、席の位置や各種タイミングを固定せず、交流しやすい雰囲気を尊重しています。ご質問ある方は随時、挙手のうえどうぞ
*上記タイムテーブルのうち10分枠のプレゼンタイムでは、各5〜7分のプレゼンのあと、3〜5分のディスカッションタイムがありますので、プレゼンテーターと積極的に意見を交わしてみてください
■ご質問・お問い合わせは、担当・卯田(ウダ)まで TEL 090-6193-6086

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■参考事例

・以下、他地域での同様のイベント開催事例です。

▼東京。コワーキングカンファレンス東京2012
http://cct2012.coworking-jp.org/

▼大阪。コワーキング・フォーラム関西2012
http://cfkansai.org/

▼札幌。コワーキング・パーティー
http://www.hkd.meti.go.jp/hokid/20120824/index.htm

以上、皆さんのご参加をお待ちしております。

震災直後のTweetを解析した結果の報告会:「東日本大震災ビッグデータワークショップ」報告会

10月28日の「東日本大震災ビッグデータワークショップ」報告会。震災直後のTweetを解析した結果の報告が行われている。ソーシャルメディアでの情報共有が、災害時にどのように活かされたのか、多様なデータ解析から明らかにされた。

by fumi.

NHK NEWS WEB 震災ビッグデータ報告【1】ツイッター「次に」生かすには

イベント – 東日本大震災ビッグデータワークショップ – Project 311 –

以下はNHKの解説記事から。わずかなTweetだけが注目される現象は、平時のTweetでも起こっているような気もするが、震災時には特に顕著だったということかもしれない。膨大な量であったのはたしかだ。

■投稿したアカウント数は約369万で、そのうち4.2%のアカウントのツイートが全体の半数を占めた。
大量のツイートは、特に安否確認や交通情報を自動でつぶやく「bot」のアカウントが目立った。
■全体の2.4%のツイートが、その約9倍の21.4%のツイートによってRT(リツイート=引用)され、RTされなかったツイートは76.2%だった。

自生的に確立されていったハッシュタグは、緊急時の支援においては、うまく機能しなかったという点。まとめのハッシュタグのまとめが必要になり、それを即時に共有するというボトルネックが発生していた。

東京工業大学大学院の村井源氏は、震災直後、県別のタグや支援要請のタグなどが多数生まれ、全体でどのようなタグがあるのか分かりにくかったことや、新規のタグを周知することが難しかったことを指摘し、自治体などによる「公式タグ」の制定や、利用者にタグやRTの適切な利用方法について周知を進めることなどを訴えた。

Twitter検索などを平時にやっている団体は、こうした事態を察知することはできたと思うが、普段ですらやっていない公的機関が、「デマ注意報」を出すのは難しいはず。この点の注意喚起は重要だが、公的機関はこの問題にどの程度気づいているのか。

東京工業大学の高安美佐子准教授らのグループは、震災後に拡散した「千葉県内の製油所が爆発して有害物質が雨と一緒に降る」という内容のデマが、ツイッターでどのように広がったかを解析し、
■善意の心配がデマを拡散させている可能性が高い
■特定のキーワードの出現頻度を観測して「デマ注意報」などのアラートを出し、公的機関が素早い情報発信をすることが重要だ、と述べた。

1.解析で得られた災害情報を分類するノウハウ、タグのリストなどの共有
2.「災害時の情報連携ネットワーク」などに発展させて定期的に訓練を実施

という二点が、報告開催の最後に得られた結論であったという。

基本的には「日頃の備え」が大切だということに尽きるのだが、一番大事なのは、情報を率先して出していくべき公的機関の備えということになるだろう。公的機関は情報を出すということはもちろん、どんな情報が流通していくかをリアルタイムでチェックし、適宜適切な情報を出してデマなどを打ち消す役割も果たす必要がある。おそらくこの役割を果たすには、日頃の役所の仕事の仕方もかなり変えていく必要があり、この点が大きな課題になりそうだ。