ダン・ギルモア「あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術」

今回大阪出張の際に(重いけど)持っていった本。ダンギルモア(Dan Gillmor)さんの「Mediactive」の翻訳。翻訳したのは朝日新聞編集委員の平和博さん。
まだ1章までしか読んでいないが、非常に興味深い。

新聞を読ませて、ちゃんとしたリテラシーを育てろ。今の学生たちはネットばかりやっていて、活字を読まないからダメなんだ。同世代より上の人たちと話していると、そんな話はよく出てくるのだが、「ちゃんとしたブログを書かせろ」とか「Twitterでの効果的な発信方法を指導しろ」とか「Facebookでは、どんなときにシェアをして、どんなときにいいねを押すべきか、反射的に行動しないように指導しろ」とか、そういう声はあまりあがらない(Twitterでヤバイことを言いださないように静かにさせろ、という圧力を、最近感じないこともないが)。

そのような危惧は、全く外れているわけではないのだが、もはや受信力を鍛えるだけでは不十分。自ら情報発信し、インタラクティブなやり取りの中で、信頼に足る情報も得るというプロセスを、構築する必要がある。学生たちや同僚など同世代以上の人たちにも、よくこんな話をするのだが、なかなか通じない。どちらかというと、「わたしそんなに暇じゃない」というような反応が多いような気がする。

本書は、既存メディアの存在が揺らぐ中、消費者もただ受け手としているのではなく、「メディアアクティブ」となって、働きかけながら新しい地平を作るべきだとし、その方法を解説している。まだその「解説」のところまでは読み進んでいないが、非常に実践的に、TwitterやFacebookなどソーシャルメディアを用いて、「行動する消費者」として活動していくべきかが書かれているようだ。

原武史『震災と鉄道』 (朝日新書)

今日、日帰りで東京まで行ってきた道すがら、読み終えた本。アマゾンのレビューは今のところ、なかなか厳しい。

日本政治思想史が専門の原先生による、鉄道の話。もちろんかなりの「鉄分」を感じさせるのだが、それだけではない。被災した三陸地域の鉄道が、いまどのような扱いを受けているか。これまでどのような扱いを受けて、利用率の低い路線になってしまったか。
一方新幹線のネットワークを広げる中で、日本が失ったものは何なのか。

「非鉄系」の自分は、JR東日本の営利追求を批判する姿勢を、当初割り引いて読んで始めたが、次第に「鉄道を通して見えるもの」がわかるような気がしてきた。山田線、三陸鉄道、気仙沼線などに乗ってみるのはもちろん、北海道の廃線跡も、ぜひ訪れてみたいと思った。情報系の研究者や企業人には、鉄系の人が非常に多く、自分には提供できる話題がなかったのだが、この本をネタに共通の話題ができそうだ。

アマゾンのレビュアーたちが述べるとおり、公共的な政策としてどこまで現実的なものになりうるのかは、よく検討が必要だろう。しかしこの「鉄系」の発想には、拡大路線が望めない日本が、効率化のために地方を切り捨てるのではなく、地方も含めて活性化させ、身の丈にあった幸福を追求するためのヒントが、隠れているように思った。
震災を切り口としながら、基本インフラとしての鉄道をどのように支えていくべきなのか、非常に示唆に富む一冊。

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

個人向け電子書籍作成サービス「パブー」

paperboy&co.が、個人向け電子書籍作成サービス「パブー」をスタートさせた。

ブクログのパブー | 電子書籍作成・販売プラットフォーム (by shinyai)

「パブー」は、ウェブ上で電子書籍の作成・公開・販売が行えるオンラインサービス。アカウントを作成することで無料で利用できる。サイト上の作成画面から、本のタイトルやカテゴリーなどを決め、ページを追加してテキストや装飾、画像などを編集していくことで、電子書籍が作成できる。
 

作成した電子書籍は、「パブー」のサイト上で公開できる。また、EPUBおよびPDF形式のファイルも自動作成され、iPadやKindleなどの電子書籍リーダーでも閲覧できる。
 

書籍を公開する際には無料または有料を選ぶことができ、有料で販売する場合には10円~3000円の販売価格が設定できる。販売価格から手数料を差し引いた70%が作者の報酬となる。無料で読める試し読みページの分量も設定できる。

作者が70%取る仕組みは、アマゾンがKindleで導入している印税率と同じということなのだろうか。

個人の電子出版がこれで一気に加速するのかどうかはよくわからない。だが、有料のオプションも選択できる、個人向けの電子出版というのは、画期的なサービスといっていいだろう。今後対応する予定として、以下のような項目が挙げられている。

    *  複数人で本を編集できる機能
    * ブログからのインポート
    * 本へのタグづけ機能
    * クレジットカードでの本の購入
    * iPad アプリ・表示最適化
    * iPhone アプリ・表示最適化
    * 携帯電話対応
    * Amazon DTPへの登録代行
    * iBooks storeへの登録代行

ここまですべて対応したら、書き手だけでなく読み手の注目も集まってくるだろう。その時にどこまでコンテンツがそろうかが、このサービスにとってはカギになりそうだ。

ドン・タプスコット「デジタルネィティブが世界を変える」

「いまどきの若い者は。。。」という冷ややかな態度で、ネット世代を見るのではなく、企業、社会、学校、家庭、政治などにどんな影響力を与えているかを知り、彼らに有効にアプローチするべきだとと説く一冊。

原題は「Grown Up Digital – How the Net Generation is Changing Your World」。



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リチャード・フロリダ 「クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める」

POLAR BEAR BLOG: 「日本か海外か」じゃなくて、「大都市か田舎か」なのかも。で紹介されていたので、早速買ってきて読んでみている。ようやく2章まで読んだところ。

2000年に、「フラットな世界」を信じて東京を飛び出した僕には、耳の痛い話が満載だ。国ではなく、世界の中のごく一部の大都市圏に、あらゆるものが集中してしまうという現象は、グローバリゼーションの中にあって、むしろ加速化し、格差を広げているという。しかもその格差というのを、人口密度、経済活動、イノベーションという三つの要素で見た場合、イノベーション(ここでは特許件数でみている)での偏りがもっとも大きいというのだ。

もちろん僕は、この10年を通じてこうした「格差」を、身をもって体験してきたわけなのだが、あらためてこのように分析されると、暗い気分にならざるをえない。ただ、東京や大阪のような勝ち組都市(「メガ地域」)には逆立ちしてもなれない地域も、それならそれで、別の道をどのように見つけるかを考えればいいはずだし、そのためにも役立つ一冊といえそうだ。

Lessig「REMIX」をCCライセンスで公開

Lawrence Lessigさんが昨年出版した、「Remix: Making Art and Commerce Thrive in the Hybrid Economy」が、CC-By-Nc(著者名の表示と非営利が条件)で無料公開された。

今日の東京での講演には行けなくて残念だったが、ひょっとしたら東京でもこの件について、なにか発表があったのだろうか。

 

リンク: REMIX now ccFree (Lessig Blog).

 

この表紙は、ペーパーバック版と同じもののようだが、手錠から解放される人物のシルエットがいい。


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佐々木俊尚『ブログ論壇の誕生』 (文春新書)

佐々木俊尚さんの新作が出たようだ。

ブログ論壇が「いま」誕生したわけではないと思うが、マスメディアの定義する「論壇」に代替しうるものとして、「ブログ論壇」なるものが、「いま」鮮明に見えてきたいという趣旨ではないかと思う。

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2 ネット・ワッチャーがみた種々雑多なネットのすがた
5 新しい人間像と自画像とは?

モスクワに行くならこの一冊、岩本和久『情報誌の中のロシア』

稚内時代の同僚、岩本和久先生の新作。
ずいぶん前に、版元の東洋書店さんを通じて、お送りいただいていたのだが、ほかの郵便物にまぎれて気づくのが遅れてしまった。まずは献本に感謝。

ちょっとおおげさに「モスクワに行くならこの一冊」としてみたが、「この一冊をもっていくべき」という感想は、そんなに外れていない。「モスクワ」の部分は、「ペテルブルク」も対象なので、ちょっと違うのだけど。

 

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深見嘉明「ウェブは菩薩である」

週末に新宿のジュンク堂へ、資料収集に行ったのだが、結局探していた本は見つからず、「ウェブは菩薩である」という一風変わったタイトルの本を買ってみることにした。著者は、慶應義塾大学SFC研究所上席所員の深見嘉明さん。正式発売は明日30日月曜日だったようだ。

リンク: いよいよ明日,6月30日発売です. – deepen ~Yoshiaki FUKAMI’s view.

 

ウェブは菩薩である
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今橋 映子『フォト・リテラシー―報道写真と読む倫理』 (中公新書 1946)

シロクマ日報で紹介されていた、表題の本を買ってきた。

中公新書を買うのはずいぶん久しぶりのような気がする。



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4 美しい棘

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