「さぬきうどん全店制覇攻略本」はうどん巡礼に重宝する一冊

先週木金と開催された、情報セキュリティシンポジウム道後2012に参加した後、香川に移動して、さぬきうどんやを巡ってきた。

Yamashita Udon

金曜日一日遅れで松山に来て、昼間観光するはずだった妻は、新潟空港からの飛行機が欠航し、丸一日かかって松山に移動してきたので、松山にもう一日といて、松山城など「坂の上の雲」めぐりという手もあったのだが、予定通り特急「いしづち」で高松へ。「いしづち」は海側の席が良いというので、CD席を確保した。

Rapid Train Ishiduchi

いしづちから見た瀬戸内海。

直前までいろいろ仕事をこなしてどうにか道後に向かい、そのまま会場でシンポジウムを聴講していたので、あまりうどんのことも考えておらず、予備知識もないという状態。結局前日、シンポジウムが終わってから、ウェブでうどんについていろいろ検索して、計画を立てた。香川のうどんやさんの中には、昼過ぎで終わってしまう店や日曜がお休みの店もあり、もっと周到な計画が必要だということが、後になって分かった。

大量のうどんやの中から、定番のお店を探すのには、「はじめてのさぬきうどん 讃岐うどん巡り解説」が役立ったが、土地観のない(しかも事前調査が十分ではない)自分たちが、ウェブだけで機動的に行き先を決めて行くのが難しいことにも気付かされた。

はじめてのさぬきうどん 讃岐うどん巡り解説

そこで一日目の夜に、ふらっと立ち寄った書店で見つけたのがこの本「さぬきうどん全店制覇攻略本」。これが大変重宝した。索引付きで、お店のメニュー、営業時間、定休日、地図などがさっと一覧できる。初心者には大変役立つ一冊であった。結局そんなにたくさんは食べられないのだが、限られた時間の中で、臨機応変に行き先を決めていくのは、ここに載っている紙情報とネット上の口コミ情報を組み合わせるのが有効であった。

この本を出している「タウン情報かがわ」の最新号の表紙には、「うどん県民で悪いか!」という特集のサブタイトル。香川県民のアイデンティティを感じさせる、とても印象的なフレーズであった。

 

このタウン誌は3月で休刊となり、今後はウェブに全面移行するようだ。休刊と知っていたら、こちらも記念に買っておいたところだが、しかしこれもまた、後になって知ったのであった。

TJかがわ編集部ログ:タウン情報かがわ休刊について

暴風雪で稚内が「陸の孤島」に

今日の昼間、元同僚の安藤先生から以下のTweetが流れてきて、驚いた。

え、そんなことあるのか、と思ったが、やはりレアな出来事のよう。90年代、まだ稚内北星短大だった時代に、似たようなことがあったようだが、僕がいた時代にはそこまでのことはなかった。

さいほくネットに、荒れ狂う暴風雪の様子が、動画で公開されている。

【ぷちコミ】今日の稚内は陸の孤島。 (さいほくネット)

稚内に通じる交通網はどこも通行止めになっていて、稚内市内の都市機能もマヒしたようだ。いろいろ検索してみると、コミュニティFMのFMわっぴーがかなり細かく情報を出していたことがうかがえる。市民や各機関のTweetでもさまざまな情報が共有されていたことが分かる。

さて完全に「陸の孤島」となった稚内。これだけの事態ならば、さぞ大きく報じられたかと思い(実際、本州でこんなことがあったら大騒ぎだ)、検索してみると、Google検索にはなにも引っ掛からない。北海道新聞のウェブを見てみると、大雪に関する記事が出ていた。

道内大荒れ 交通網寸断-北海道新聞[道内]

道内は低気圧が急速に発達しながら通過している影響で、15日朝から日本海側を中心に風雪が強まった。16日朝にかけて日本海側などで局地的な大雪、太平洋側やオホーツク海側では強風になるなど、全道的に荒天となる見通しで、札幌管区気象台は警戒を呼びかけている。

 

同気象台によると、15日正午までの12時間の降雪量は上川管内幌加内町で24センチ、同管内上川町層雲峡で21センチ、宗谷管内中頓別町で18センチ。旭川市は8センチ、札幌市は4センチだった。最大風速は襟裳岬で22・5メートルを観測した。

 

この影響でJRは午後1時現在、学園都市線の一部で運転を見合わせているほか、特急など19本が運休や部分運休し、約2千人に影響が出た。旭川市の東旭川駅構内では雪で線路のポイントが切り替わらなくなるトラブルがあった。

 

ハートランドフェリーは奥尻―江差、稚内―利尻・礼文の計12便、津軽海峡フェリーは函館―大間の2便が欠航。

 

というわけで、道内全域で大荒れであったこともあるのか、稚内のあらゆる機能が止まってしまったというニュースは、現時点では道新ですら報じていないようだ(ちなみに道新は稚内支局がある)。

そんな中コミュニティFMのFMわっぴーが活躍、わっぴーはおりしも、念願の出力アップを実現し、近々出力50Wになるそうだ。宗谷岬あたりまでカバーするにはたしかにこれぐらいの出力が必要になる。今回の暴風雪は、まさに大出力で市内全域をカバーする必要性を、タイミング良く示した形となった。

またTwitterも力を発揮した。一次情報は大手のメディアからはほとんど報じられなかったが、わっぴーが活躍し、それを補完する形でTwitterを通じて情報が共有された。日本のニュースで、大手メディアがカバーできないことなどないかのように思われがちだが、実は稚内に限らず、離島などでもカバーされていないニュースは多いはず。地域メディア+Twitterにより、この機能が補完され、コミュニティ内部はもちろんのこと、外側との情報共有も、可能になっているように思う。

青森県版「鉄道むすめ」リリース

突然Facebookで流れてきたこの画像。青森の私鉄の乗務員が、キャラクター化している。

Source: facebook.com via Shinya on Pinterest

 

どうやら今日は記者発表があり、トミーテックが青森県版「鉄道むすめ」をリリースしたという。

青森県版「鉄道むすめ」デビューについて(プレスリリース) – 青森県庁ホームページ

「鉄道むすめ」というのが何かわからなかったのだが、実は以前からシリーズ化しているらしく、今回その「青森県版」が出たということ。一つの県でまとめて、というのは、初めてのことのようだ。

鉄道むすめ ~鉄道制服コレクション~
最新鉄道むすめニュース|鉄道むすめ~鉄道制服コレクション~

左から、
十和田観光電鉄から、アテンダントの「 清水なぎさ 」。
弘南鉄道から、トレインキャストの「 平賀ひろこ 」。
青い森鉄道から、駅員の「 八戸ときえ 」。
津軽鉄道から、アテンダントの「 芦野かな 」。
南部縦貫鉄道から、車掌の「 七戸ちびき 」。
苗字は地名から取っているので、残念ながら「一戸」は不採用であった。

今後は、JAアオレンから「りんごジュース」商品化、県内鉄道各社で使用できる「記念切符」発行、トミーテック「鉄道むすめステーションポスターvol.4」収録、が予定されている。高校時代、平賀(現在のつがる市)から通ってきていた友人が、すごいなまりの強い津軽弁をしゃべっていたので、「平賀ひろこ」は強烈な津軽弁をしゃべるのではないかと予想している。

図書館・博物館の古写真を共有するThe Commons on Flickrが4周年

Flickr上で、図書館・博物館が所蔵する古写真を共有するプロジェクト「The Commons on Flickr」。スタートから4年経ったとFlickr Blogが伝えている。

Time Flies! Celebrating 4 Years of The Commons on Flickr « Flickr Blog

Maree Austin, US star John Hubbard and cast of "Mary had a little" celebrate a birthday, Tivoli Theatre, Melbourne, 1951 / Harry Jay

Flickr: The Commons

このプロジェクトが目指すところは、1) 図書館・博物館が写真アーカイブに所蔵している隠された宝を共有するということと、2) ユーザからの情報や知識により、これらのコレクションがさらに豊かとなることを示すこと、にあった。とりわけ二つ目の点は、既存のデジタルアーカイブと一線を画する点で、ぜひその意義に多くの関係者に気付いてもらいたいところだ。

これを実現するために作られた「ライセンス」が、‘No known copyright restrictions’。所蔵する機関が知る限り、誰の著作権も有効ではないというステートメントだ。

この形式で共有された写真は、現在12カ国56機関により、20万以上。この写真に対して、過去4年間で13万のコメント、700万のFav(お気に入り)がつけられたという。残念ながら日本からの参加機関はないのだが、その原因がどこにあるのかは気になるところ。

こうしたコメントから、数多くの写真の撮影場所などが明らかになっている。たとえば、この写真。New York Public Libraryが所蔵している、日下部金兵衛撮影の富士山。「Otometoge」と書いてある。

Fujiyama, from Otometoge

コメント欄には、2006年に撮影された「乙女峠」からの眺めが投稿されている。

富士山 / Mt. Fuji

Japan / Kimbei Kusakabe – a set on Flickr

日下部金兵衛 – Wikipedia

このように多くの写真について、コメント欄などからコンテキストが付与されている。これはおそらく、それぞれの機関に所蔵されたままでは、不可能だったのではなかろうか。

「No known copyright restrictions」を宣言できる程度に、ある程度古くなった情報に、どのような価値を吹き込み、共有するか。実はこの問題は、昨今話題の「忘れてもらう権利」と不可分の話だ。本人にとっては、忘れてもらいたい情報というのがあるだろうが、そのような情報も、ある程度古くなったら、何代も後の子孫にとっては忘れてもらわなくてもよい情報になるかもしれない(そのまま忘れていてもらいたいものもあるだろう)。結局本人以外の誰が、どのような段階で、パーミッションを変更しうるのか。現在直面している問題に比べて、「忘れてもらわなくてもよい」問題の緊急性は低いのだが、しかしこれもまた、考えなければいけない問題になると思う。

楽しいみんなの写真 -とにかく撮る、flickrで見る。ソーシャルメディア時代の写真の撮り方・楽しみ方
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やさしいFlickr写真管理術 (Webアプリ―ここが知りたい)
やさしいFlickr写真管理術 (Webアプリ―ここが知りたい)

自然エネルギーの街 稚内

前任校稚内北星の学生たちが、昨年夏の集中講義で撮影した動画。集中講義の担当は、中央大学総合政策学部の松野良一先生。

風力発電、さらには太陽光発電と、自然エネルギーの町として脚光を浴びる稚内について、コンパクトに解説してくれるこの動画、現在「北海道魅力発信動画コンテスト」に応募している。こちらのコンテストは一般投票を募集している。以下のリンクから投票できる。

体感動画 北海道 魅力発信動画コンテスト|自然エネルギーの街 稚内

松野先生とともに稚内に行った、中央大学の学生たちも、「最北の珍味試食会」という動画で応募している。例の缶詰を試食して珍味度を審査するというもの。

こちらも投票受付中。

体感動画 北海道 魅力発信動画コンテスト|最北の珍味試食会

市民メディア活動―現場からの報告
市民メディア活動―現場からの報告

Twitterのフォロワーが6000に到達

昨日ふと気付くと、Twitterのフォロワー数が6000を超えていた。

6000 followers

5000に到達してからかなりの時間が経ったように思う。自分からフォローするのはかなり抑制していて、むしろなんとなくフォローしていたのをツールを使って大幅に削除しており、いわゆる「フォロー返し」のようなことはほとんどしなくなっている。ともあれ、6000もの皆さんとやりとりさせていただいているのは、大変うれしいこと。今後ともどうぞよろしくお願いします。

Kloutの数値は現在67。同じぐらいの数値の方々を見る限りでは、そんなに悪くはない数字。アカウントの性格は、Pundit。クリエイターではなく、論評する人ということか。まあ当たらずとも遠からず。

Shinya ICHINOHE | Klout Influence Report

自分の見ているTwitterの世界は大分変わり、おそらく相当多様性を持った言論空間になった。みんなに見えていることがわからないで書いている(と思われる)若年層もいれば、ネットには関心を示さなかったであろう著名人もいる。企業や商品・サービス、飲食店のアカウントも増えた。こうなると、捨てアカウントで他人を攻撃する輩も、一定程度出てくる。

個人的には、知り合いや関心を持ってウォッチしている人の発言・動向を見るのが目的で使っているが、リストを使っても網羅的に見ることが難しくなってきている。また知り合いの多くはFacebookでも発言するようになり、Facebookのほうがうまく情報を拾えるようになってきた。あとTwitterでは、話題のトピックについての人々の反応をみるために、検索をかけてみる。これはよくやっていて、とても便利だし、Facebookではできないこと。

不特定多数の人々に向かって発言し、反応を得る形でつながることができるので、今後もTwitterは使っていこうと思う。ユーザが増えて殺伐とした空気にならないか、ちょっと心配な部分もあるのだが。

でかけよう。 Google プレイス Downtown in Tokyo 門前仲町 イベントレポート

Google主催のGoogleプレイスを使ったイベント。Googleプレイスを用い、チームに分かれて門前仲町を探検。一定時間で2軒のお店を開拓し、感想をGoogleプレイスにアップするというゲーム。

Foursquare、ロケタッチとTwitter、あるいはFacebookでも同じようなことができる。ローカルコミュニティをみんな深掘りするというのは、新潟で自分たちもよくやっていること。NSMCとか「喜ぐちの日」のチームで、面白い企画を考えたい。

追記:以下の記事にもイベントの様子が紹介されている。

くにろく 東京食べある記: でかけよう。Googleプレイス Downtown in Tokyo 門前仲町 with くにろく

 

出没!アド街ック天国東京下町歩き―浅草・上野・根津・千駄木・谷中・向島・京島・門前仲町 (日経BPムック)

出没!アド街ック天国東京下町歩き―浅草・上野・根津・千駄木・谷中・向島・京島・門前仲町 (日経BPムック)

週末江戸下町遊覧―神楽坂/神田神保町/門前仲町/千住/浅草 (散歩の達人テーマ版MOOK)

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東京 のん兵衛横丁酔いどれ散歩

東京 のん兵衛横丁酔いどれ散歩

ささきとしさんが越後線を擬人化

新潟で似顔絵中心のイラストレーターとして活躍するささきとしさんが、「越後線擬人化」を作品化してくれた。越後線にあまり乗らないのでよくわからないけど、これは車体の色なんでしたっけ?

 

今月最初から大雪をきっかけに、越後線の擬人化が始まる経緯は、以前の記事で書いた通り。

「ドジっ子」越後線を擬人化 | ICHINOHE Blog

新潟と柏崎を結び、新潟市民の主要な交通手段の一つであるJR越後線。新潟から新発田方面に走り、敬和生の多くが利用している白新線とならび、越後線は雪に弱い。今週は雪の影響で、越後線も大幅に遅れが出ており、通勤通学に大きな影響があった。

そんな越後線に翻弄された一人、敬和生の「まるり」さん(@maruri0423)さんが、越後線を擬人化して公開した。本人としては「萌え絵」は得意ではないようで、誰かこのアイデアを「萌え絵」としてまとめてほしいとのこと。

 

まるりさんの元記事にもリンクを貼っておこう。

【初擬人化】もしも越後線が可愛い女の子だったら・・・。憎めないドジッ子キャラになるんじゃないか?【描いてみた】 | まるりわーどぷれす
ちなみにささきとしさんは、Facebookタイムラインのカバー用のイラストも描き始めた。興味のある方はお願いしてみるのもいいのではないか。

maruyon-design(マルヨンデザイン)/ イラストレータささきとし

ささきとし公式ファンページ

私が描いていただいたカバーはこれ。

Source: facebook.com via Shinya on Pinterest

ダン・ギルモア「あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術」

今回大阪出張の際に(重いけど)持っていった本。ダンギルモア(Dan Gillmor)さんの「Mediactive」の翻訳。翻訳したのは朝日新聞編集委員の平和博さん。
まだ1章までしか読んでいないが、非常に興味深い。

新聞を読ませて、ちゃんとしたリテラシーを育てろ。今の学生たちはネットばかりやっていて、活字を読まないからダメなんだ。同世代より上の人たちと話していると、そんな話はよく出てくるのだが、「ちゃんとしたブログを書かせろ」とか「Twitterでの効果的な発信方法を指導しろ」とか「Facebookでは、どんなときにシェアをして、どんなときにいいねを押すべきか、反射的に行動しないように指導しろ」とか、そういう声はあまりあがらない(Twitterでヤバイことを言いださないように静かにさせろ、という圧力を、最近感じないこともないが)。

そのような危惧は、全く外れているわけではないのだが、もはや受信力を鍛えるだけでは不十分。自ら情報発信し、インタラクティブなやり取りの中で、信頼に足る情報も得るというプロセスを、構築する必要がある。学生たちや同僚など同世代以上の人たちにも、よくこんな話をするのだが、なかなか通じない。どちらかというと、「わたしそんなに暇じゃない」というような反応が多いような気がする。

本書は、既存メディアの存在が揺らぐ中、消費者もただ受け手としているのではなく、「メディアアクティブ」となって、働きかけながら新しい地平を作るべきだとし、その方法を解説している。まだその「解説」のところまでは読み進んでいないが、非常に実践的に、TwitterやFacebookなどソーシャルメディアを用いて、「行動する消費者」として活動していくべきかが書かれているようだ。

新潟駅―白山駅にBRT、2014年までに導入

新潟市中心部に、専用車線に連結型バスを走らせる「BRT」を導入することが決まったようだ。

 

asahi.com:14年度までに「BRT」-マイタウン新潟

新たな公共交通の導入を検討している新潟市は、2014年度までに、市中心部に専用車線を走る2両編成の連節型バス「BRT」(Bus Rapid Transit)の運行を目指すことを盛り込んだ基本方針をまとめた。新潟駅―白山駅間を走らせ、運営は新潟交通(新潟市)に任せたい考えだ。13日の市議会全員協議会で説明する。

新潟日報社 netpark ::: 新潟市、BRTを14年度内導入へ

新潟市は信濃川を挟んで、万代と古町という二つの中心市街地が併存。さらに市役所、新潟県庁が、いずれもやや離れた位置に移転、新潟駅を挟んで反対側、「駅南」エリアも飲食店が並ぶなど、街が拡散している。かつてはそれだけ広がったエリアに見合った形での成長を予定していたのだと思うが、もはやその見込みはあまりなく、今後人口減少に向かう試算が出ているくらいだ。

市街地としての「老舗」、古町地区は、対岸の新潟駅から万代までのエリアが発展、郊外型店舗が力を増す中で、どんどん存在感を低下させている。原因は簡単。電車の駅がないなど公共交通が不便なうえ、無料の駐車場が整備されているわけでもなく、車でのアクセス環境も悪いから。古町地区はお店にも老舗があり、街並みも趣があるところが多いのだが、大和百貨店が撤退するなどで、大型商業施設は三越しか残っていない。

そこで、この市内中心部の「大動脈」を強化し、老舗古町を含めた中心部の利便性を高めるため、さまざまな案が取りざたされてきた。朝日の記事を読むと、LRT(新しいタイプの路面電車)の導入もまだ将来構想としては残っていて、とりあえずはBRTで、ということのようだ。

で、当然いろいろ意見が出てくるわけで、新潟ネタではめずらしく(?)、2ちゃんねるも騒がしくなっている模様。

【交通】新潟市、BRT(バス高速輸送システム)を14年度内導入へ

自分なりに整理すると、ポイントはこんな感じ。

1.既存のバスで十分

「公共交通が不便」と書いたが、実は新潟駅から古町にかけての交通は、そんなに不便ではない。駅のバスターミナルから各地域に向かうバスは、かなりの確率で古町を経由する。したがって、この区間の足が不便で人が来ないわけではないという意見がある。たぶんその通りで、新潟駅の利用客にとっては、結局乗り換えて移動する手間がかかることには変わりがない。

ただしよそ者目線で見ると、○番線、○番線、○番線、どれも古町まで行きます、というのはちょっとわかりにくい。乗り場が統一されるならば、旅行者には便利だと思う。それと、新幹線含めて、電車利用の人は電車の時間が気になるので、どうしても駅近くで夜会食するケースが多くなる。終バスの時間や夜の運行頻度が改善されれば、「夜の部」の人の流れも変わるかもしれない。

2.渋滞を引き起こす

BRTの専用路を作ることになるので、路線が減るのは間違いない。さてどれぐらいの渋滞が発生するのか。自分はどちらかというと柳都大橋という、一本隣の橋で信濃川を超えることが多いので、柾谷小路の車線が減ってもあまり影響ないように思うが、車の流れが変わると、いろいろ影響が出るのかもしれない。

恐らく問題は、「車を使わずに移動しよう」と思わせる仕組みになるかどうかだろう。JRや路線バスとの接続、割引、郊外から車で出てきた場合の駐車場の確保など、使い勝手が鍵になる。

3.どっちにしても古町にはいかない

古町で商売をしている人たちにとっては、古町の活性化は大きな課題だが、それ以外の人たち、とりわけ古町のお店をほとんど利用しない人たちにとっては、あまり関係のない話だ。新潟駅から白山駅まで、たかだか4キロ区間の交通網を整備したところで、その状況が変わるわけではない。

他の都市でも同じだが、新潟市民の多くも、すでに郊外型店舗を中心にした生活スタイルに移行していて、中心部の店に行かなくなってしまった世代が増えてきている。あくまで平均すればの話だが、学生と話している時と、自分と同世代以上の人たちと話している時では、古町という町の存在感が、かなり違うように感じる。そういう意味では、「いまさら」の措置だといわれても仕方がない面はある。

結局足の問題もあるが、町に人を呼び戻す力がなければ、どうしようもない。古町地区は個性的な街並み、個性的な小規模店舗がいくつもある。しかしながら、全体としては古い、あか抜けないイメージに転落してしまっているというのが正直なところ。新しい店を開こうにも、「老舗」ゆえにか、集客力の落ちてしまった今でも、家賃が高い物件が多いという話も聞く。

4.他のエリアのインフラ整備は?

新潟市は政令指定都市になるまでに周辺市町村を合併してきたので、同じ市内でも、周辺地域の中には、鉄道がなく、バスもかなり不便、という地域があるようだ。中心部でも、「駅南」と言われるエリアは、住民の数が増えているように思うのだが、開発が遅れたせいか、バス路線があまり充実していないし、新潟駅の南北を貫く道路もない。このところ新潟市では珍しく、雪かきが必要なぐらい雪が降っているのだが、にもかかわらず、自転車で移動している人をよく見かける。それだけ市内中心部も、他の代替交通機関が整備されていないということなのだろう。

これらの地域のインフラを整備するよりも、曲がりなりにもそれなりの交通手段が整っている、新潟駅から古町に、BRTが新規に整備されるべきなのか。もし古町が押しも押されぬ新潟の中心市街地として、今後も支持されるとするならばいいのだが、実際にはその地位もかなり揺らいでいる。いや、もし今後も古町が中心市街地として支持されるのだとしても、周辺地域から新潟駅への公共交通でのアクセスが改善されない限り、これらの地域の人々は、車で買い物に出かけることになるし、そうなれば古町を渋滞させるか、あるいは郊外型店舗に行くかということになる(恐らく後者だろう)。

以上大まかにまとめてみたがどうだろうか。

ちなみに、「新潟シモフルのおんぼろビルに暮らす」でも、昨年この話題を取り上げていて、どちらかというと懐疑的な見解。

本当にいいの?BRT :: 新潟シモフルのおんぼろビルに暮らす

真ん中の車線がバスレーンになれば停留所も車線の中にできる。岐阜にかつてあった市電のように道路に白線を引いただけ(すぐ脇をクルマがびゅんびゅん通る)ということはなく、ちゃんと屋根付きの停留所を作るのだろう。その分車線は狭くなる。現在片側3車線の柾谷小路は、バスレーンと停留所で事実上1車線に…?

専用バスのみをレーンに走らせるとしたら、現在1日に2700台走っている路線バスは実質1車線に押し込められる。もっとも、この区間の路線バスの多くは専用バスに取って代わられるのだろう。ということは、東区方面から古町、西区方面から新潟駅まで乗っていた人は、市役所や新潟駅で乗り換えなくてはならないということ…?

結局カネかけてかえって不便になるんじゃない? 車線の真ん中の停留所で乗り降り不便になって、乗り換えまで強いられるバスになんて誰も乗らなくなるのでは。柾谷小路の実質1車線に路線バスとタクシーとマイカーがダンゴになるのでは、古町に行こうなんて誰も思わなくなるのでは。

住んでいる地域によって利害が異なっているため、なかなかコンセンサスを得るのは難しいだろう。バス路線の充実していない駅南エリアで、しかし新潟駅までそれほど遠くない地域に住んでいる自分としては、さほどの違和感もないが、新潟駅までは依然として歩くよりほかないので、もろ手を挙げて賛成、というほどでもないといったところだ。