東京大衆歌謡楽団が復活させた昭和15年の「ハルピン旅愁」


今週ラジオ番組でハルビンの話題が出るので、曲を探していたところ、東海林太郎さん「ハルピン旅愁」を見つけました。昭和15年、1940年に発表されています。戦前に歌われた「ハルピン」(当時はハルビンではなくハルピンと綴られていた)の歌は他にも色々あるようですが、ほとんどが「戦時歌謡」として同視されるのか、再び注目されることはないようです。

ハルビンは比較的日本の影響力の弱かった地域ではあり、抗日義勇軍の活動拠点ではありましたが、731部隊を始めとして、日本がもたらした被害の後は残っているエリアです。この歌そのものは、ロシア文化の色濃く残ったハルビンの「異国情緒」を歌っているだけなのですが、ハルビンが日本の影響下にあることが前提に作られた歌だということでしょうか。「戦時歌謡」は厳しい検閲の目をかいくぐって庶民に娯楽を与えるような表現を編み出していたわけで、この曲が出た頃の状況はわかりませんが、外地のことを歌っているという点以外には、特に「戦争遂行」のための歌というニュアンスはありません。

ペチカ、サモワール、バラライカ、ハラショーといったロシア語が歌詞に登場し、「キタイスカヤの夜の雪」でしめています。「キタイスカヤ」はロシア語で「中国人街」という意味だそうですが、現在「中央大街」と言われている場所。1913年に作られたモデルンホテルを始めとして、昔からの洋風建築が並んでいます。

この曲の動画で発見したのが東京大衆歌謡楽団。昭和歌謡を見事に再現して、人気上昇中のグループです。
いでたちも、直立不動で知られた東海林太郎にならったというべきか、73分けと丸いメガネの男性が、直立で歌っています。楽器もアコーディオンなどの昭和な雰囲気を再現。浅草浅草寺で定期的に演奏をしているうちに、今や全国で引っ張りだこだそうで、台湾の街頭でも演奏したことがあるようです。たくさんの昭和の歌をいきいきと再現されているので、また別の曲も紹介してみたいと思います。

昭和初期の歌と空気感をそのままに――下町を中心に老若男女を賑わすバンド東京大衆歌謡楽団

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