南京の先鋒書店が「世界で最も美しい書店」としてNHKに登場

先鋒書店

2020年8月19日、NHK総合の番組ドラマ+紀行「夢の本屋をめぐる冒険」が、南京の「先鋒書店」のことを紹介しました。かつてこのブログに、先鋒書店のことを書いた記事が、急に読まれるようになって気がつきました。

南京でゆったりできる場所、先鋒書店 | ICHINOHE Blog

昨日から出張で南京へ。仕事の後、昨年見つけた先鋒書店という雰囲気の良い書店に行ってきた。今回初めて気がついたのだが、もともとは地下駐車場だったところ。真ん中の線が中央線だということに、ようやく気がついた。

ブログ記事などを見ると、どうもさらに元をたどると防空壕だったようだ。「南京大学の第二図書館」とも呼ばれているとか。非常に広い店内には、オリジナルの絵葉書その他のグッズも豊富においてあり、本の種類も、中国風の商業的なものばかりではなく、思想、歴史、宗教、芸術など、いわゆるインテリ向けの本がそろっている。また店内にはソファーも多数完備され、飲み物を持ち込んでゆっくり「座り読み」をしている人が多数いる。しまいには居眠りしている人もいるのだが、犯罪が起きるような雰囲気はない。中国の都市にありがちな、落ち着きの無さとは無縁の場所だ。

千葉雄大 と 門脇 麦 が、世界の「夢の本屋」をご紹介! ドラマ+紀行「夢の本屋をめぐる冒険」 |NHK_PR|NHKオンライン

▼中国、南京市の最先端の「先鋒書店」は世界のメディアが注目する話題の本屋。まるで美術館のように洗練された広大な空間で、人々は思い思いに本を楽しみます。▼歴史的建造物をリノベした洗練のデザイン、若者が集うライブイベント、おススメ本の”福袋”、本好きから本好きへのメッセージカードコーナーなど、店内のあちらこちらに本好きの心を楽しませる工夫があふれています。▼店主は小さな書店からたたき上げた苦労人。自らが学校へ行けず本で学んだ経験を胸に、山間の村にも出店し、地域や子供たちに本の文化を伝えるプロジェクトに取り組みます。都市と田舎、過去と未来、そして本を愛する人々をつなぐ、中国の夢の本屋の物語。

先鋒書店は、いつも滞在している南京のホテル「古南都飯店」の向かい側にあり、仕事が終わった後も遅くまで営業しているので、よく見に行っています。最初見つけたときに「Librarie Avant-Garde」(アヴァンギャルド図書館)という名前に、「なにか面白そう」と感じたことを思い出します。古南都飯店は、もともと名鉄の経営だったそうで、ロビーのからくり時計には鯱がついていたり、日本料理店の名前が「なごや」(漢字は別のものがあてられている)があったり、すでに撤退しているそうですが、名鉄時代の名残が残っています。

さて、先鋒書店について。再放送もあるようですが、番組内容を少し書き出しておきます。先鋒書店は、「世界で最も美しい書店」にも選ばれたことがあるそうです。

  • 店のシンボルは十字架のオブジェ
  • 北島さんという詩人のイベントに、大挙して押し寄せる観客
  • 創業者 銭小華さん。モットーは、「たんに本を売り買いする場所だけでなく、文化を楽しむ場所を作る」「公共図書館のようなもの。読書と文化を楽しむことができる場所」
  • 現在は15店舗を中国全土で展開。
  • 銭さんは、近視がひどく黒板の字がよめず、中学しか出てない。叔父のもとに預けられたが、そこで、読書に目覚めた。
  • 本屋をやりたいと考え、最初は扉のない4坪の本屋を開く。客は増えず、いきづまり、自殺も考えた。帰りのタクシーで「何があったかは知らないが、あなたはいい人だと思うから、心置きなくないていいです」
    もっといい本屋を作ると決意。中国全土から捨てられそうになった本を集めた。
    世界各国の本屋を視察するようになった。
  • いきついた経営哲学「たんに本を売り買いする場所ではない」
  • デザイナーを入れて、空間の準備にも手間をかけている。
  • 駐車場になる前は防空壕だった。
  • 絵葉書。手書きで投函もできるし、別のお客さんへのメッセージも残せる。
  • 人気コーナー「盲選」。どんな本が入っているかわからない。本の福袋。
  • 別の支店。民国書院。政治指導者たちがかつて集まった、歴史的な建物。
  • 老門東先鋒書店。科挙受験者の宿泊施設。

 

間違いがあるかもしれませんし、メモ自体は自分が面白いと思ったところを書いただけです。オーナーの銭さんのプロフィールまでは知りませんでした。書店が軌道にのるまで過程には、なんとなく欠落しているところがあるように感じましたが、執念で面白い書店を作り上げてきたのは間違いないでしょう。

昨年6月に南京に行ったときには、初日に「記録南京」という映像ドキュメンタリーの上映会が告知されているのを見つけて、翌日の開催だったので初めてイベントに参加することができました。南京のさまざまな人々の暮らしを記録するという趣旨で、いくつかのドキュメンタリーが紹介され、取材した人と取材を受けた人が登壇するという趣向でした。文脈が共有されていないとそれぞれの作品の面白さを理解するのは難しいと感じましたが、いろいろ刺激を受けました。なによりこの場所に集う人たちの雰囲気が、明らかに外の「喧騒」の中にある一般の人々とは異なっていました。

記録南京 記録南京 記録南京 記録南京

南京では、意識し過ぎかもしれませんが、場所柄少し緊張があります。南京大虐殺紀念館にいったりすると、勉強にはもちろんなるのですが、彼我の対話のチャンネルはもう閉ざされているのではないかという絶望的な気持ちにもなります。そんな時、先鋒書店にくると、日本の小説もいっぱいならんでいて、だから対話が成り立つわけではないのですが、なんとなく安心します。

しばらく南京に滞在する機会を持つのは困難な状況ですが、滞在する機会があれば、ぜひ訪れてみてください。私は別の支店も訪ねてみたいと思っています。

この番組、再放送は2020年9月7日(月)午前1時15分 ※日曜深夜と発表されています。

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