Naritasan Shinshoji 01 成田山新勝寺

安全ちゃん「密教・断食修行で、目指せ脂肪とカルマのない女!」


安全ちゃん「密教・断食修行で、目指せ脂肪とカルマのない女!」ICHINOHE BlogTumblrから流れてきた連載記事。「全世界の安全の祈願と、貧困ガールの蜂起を呼びかけるべく08年よりインターネットでの活動」する安全ちゃんが、成田山新勝寺での断食に挑戦するレポート。すばらしい表現力で、「断食」という未知の世界で苦闘するさまを、見事に表現している。

Naritasan Shinshoji 01 成田山新勝寺

Webマガジン幻冬舎: 安全ちゃんの傾国女子修行! 第1回: 密教・断食修行で、目指せ脂肪とカルマのない女! その1

修行中は境内の外へは一歩も出られず、買い物も禁止。更に携帯電話、パソコン、ラジオ等の持ち込みも厳禁なのだという。移動の自由が存在しないだけでなく、外界からの情報をまで遮断されるという、囚人並のストイックさに思わず戦慄。特に不安なのは、ネット環境を絶たれてしまうこと。私は病的なインターネット依存症であり、数日間のこととはいえ、断食のストレスに加えてネッ中症の禁断症状まで出たら発狂しかねない。不安のあまり「断食前には、体を慣らすために3日前からの減食が必要」との説明中、思わず「減インターネットも必要ありますか」と聞きそうに……。
 熟慮の結果、3泊4日の断食にチャレンジすることに。事前の減食では、3日前からお粥だけの食事に切り替え、徐々に量を減らしていく必要があるのだそう。白くてドロドロした液体だけで三日も過ごさなければいけないなんて、嫁入り前の女としては考えるだけで憂鬱……。しかしよく考えると、嫁入り前にこそ白くてドロドロした液体に慣れておくべきという気も?
 というわけで、ここは前向きに、花嫁修業だと思って白くてドロドロした液体を摂取しまくろうと決意。とはいえ、もともとお粥嫌いというわけではないので、減食中お粥オンリーの食事を強いられることについては特に問題はなかった。減食期間中問題だったのは、とにかく減インターネットで、ネット断ちどころか、なぜかネットゲームのアカウントを八年ぶりに再取得し、死者を操るダークフォースの使い手として八面六臂の活躍を遂げてしまった……。私はいったいなにをしているんだ!

Webマガジン幻冬舎: 安全ちゃんの傾国女子修行! 第2回: 密教・断食修行で、目指せ脂肪とカルマのない女! その2

Webマガジン幻冬舎: 安全ちゃんの傾国女子修行! 第3回: 密教・断食修行で、目指せ脂肪とカルマのない女! その3

第4回 密教・断食修行で、目指せ脂肪とカルマのない女! 最終回|安全ちゃんの傾国女子修行!|Webマガジン幻冬舎

断食よりも「断インターネット」の方が辛いというのはよくわかる。自分もそうなるだろう。しかしそれは最初だけのようで、肉体、さらに精神にも、大きな負担になるのはやはり、口に入れるものを断つ方のようだ。

それにしても、断食を始めてから一日でかなり自我が弱体化し、かなり従順で慎み深い性格になった気がする。体が弱っているので動作も静かで丁寧だし、声も妖精のようなウィスパーボイスに変貌。断食道場に来たときは、弱々しくも奥ゆかしい修行者たちの、清楚な死霊さながらの雰囲気に圧倒されたものの、気が付けば私もすっかり死霊側の人間に……。イライラや怒りといったエネルギーを消耗しそうな感情も消えうせ、何か小言を言われても、ひたすら自分を責めるばかり。今誰かに「死ね」と言われたら、本当に死んでしまいそう……。

断食初心者は、歩くのも遅くなり、常に食べ物のことを考えてしまう。成田山は厳格な密教の寺だが、観光名所でもあるため、外出は禁じられていても、楽しく歩いているカップル、さらには、食べ物の匂いに容易に接触してしまう。

私の担当は裏山だ。裏山はなぜかカップルの散策スポットになっており、ところどころで愛という概念を全身で表現しているカップルたちが、公序良俗に反する刺激的なオーラを放っていて心身にダメージが蓄積する。今まで、女人禁制の霊山や宗教施設を見るたび「女がいるだけでくじけるような修行に意味はないのでは?」と修験ボーイズの心の弱さをバカにしていた報いが、今自分に返ってきている……。そして、道中になぜかウナギの看板がやたら多く、隙あらば「ウナギ屋 こちら→」などの甘言を弄して人心を惑わしてくるため、ウナギの魔に吸い込まれぬよう心を強く持たなければならなかった。

安全ちゃんのプロフィールには、動画「革命的オリーブ少女主義者同盟演説」が出てくる。2008年に公開されたこの動画に出ていたのが、安全ちゃんということのようだ。