週刊 ダイヤモンド 2011年 1/15号 特集「新聞・テレビ 勝者なき消耗戦」


「新聞・テレビ」現状については、ここ数年、一定周期でビジネス雑誌で取り上げられている。
今月は週刊ダイヤモンドが特集している。
(週刊ダイヤモンドは、最新号を、送料無料で送ってくれることを知り、今回はこれを利用した。ビジネス誌は、ソーシャルメディアで特集についての情報を得て購入することが増えた。そういう意味でこの配送サービスは非常にありがたい。)


新聞業界では朝日が電子版に踏み切るというのが、大きな動き。
「低額・高額」二段階の有料会員制度になるようだが、低額会員がいくらになるのかが注目かもしれない。基本的には紙の新聞の販売部数に影響しないことを考慮しているはずで、日経が4000円だとして、一般紙はどういう値段でやるべきか。先陣を切る朝日の価格設定と、その成果に、業界の注目が集まるだろう。
テレビは、エコカー特需で広告が回復して一息ついたが、広告はこれから再度落ち込む懸念があるようだ。地方局に配分されるネットワーク費は削減傾向。BSデジタルの普及が背景にある。
環境の激変の中で、フジテレビのGyaO向け配信が始まるなど、新しい動きが見えてきているが、困っているはずの地方局の動きは、キー局に比べて鈍いように思う。地域独自のコンテンツをソーシャルメディアで流通させたらいいのに、と思うが、余裕がなくなれば、当面儲からない実験的なプロジェクトは始めにくいということなのか。
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(以下は読書メモ)
朝日新聞は2月にも電子版をスタートさせる
-すでに社内説明会を予定し、編集長も内定
-この構想は2004年の社内報告書に出ていたもの
-無料会員と二段階の有料会員を予定。無料会員にasahi.comなみの内容、低額有料会員にはすべての新聞記事、高額会員にはデジタル独自コンテンツなどを提供
産経のiPad会員は1万に満たない
日経電子版は10万を超えたが採算が採れる状態にはない
広告収入の減少
大企業は10年度にのきなみ削減(ホンダは50%)
新聞にも、宗教系、通信販売、精力剤、アダルトビデオまがいまで、広告が出ている
GyaOにフジテレビが「あいのり2」を配信(CSと同時配信)
NHKのYoutubeチャンネル。グーグル側1億円を最低保証。
読売が小学生新聞に進出:読売の販売店に頼っている毎日小学生新聞は苦しくなる
朝日のウェブロンザ、2010年6月にスタートしたが、会員数は伸び悩み。400-500人程度。アスパラクラブなど複数のデジタル事業が、「縦割り」で展開されているのも問題?
広告単価が高く広告収入も業界トップだった朝日だが、落ち込みが激しく、読売に抜かれたとみられる。料金のダンピング(3-4割)もあるようだ。ホワイトカラーの朝日離れも鮮明になりつつある。
朝日の財務体質はまだ健全。だが企業年金が主になっているのと、大阪中之島ツインタワーの先行きが不透明。
読売は公称1000万部を維持。新聞の販売に徹する姿勢を見せているが、実は有料電子版についても、極秘に研究している模様。市場が確立したところで出ていくのか?時事通信と連携(あるいは統合)したうえで、共同と競合して地方紙にスポーツ記録と写真の配信をもくろんでいる?
日本テレビは、給与改定で最大3割ダウンを提示、労使は合意できず。業績はV字回復しているが、残業代削減などがすでに行われている。
テレビ広告は回復したが、エコカーCM頼み。今後は落ち込みが予想される。過去10年の放送収入の落ち込みから、今後をシミュレートすると、TBS、テレ朝は赤字に陥る(TBSはすでに赤字)
低予算の番組の成功例は「お願い!ランキング」。広告も入りやすく、他社にも波及してきている。
NHKは、低賃金で優秀な人材を制作会社から引き抜き、民放のノウハウを吸収
制作現場では、フロアディレクターの役割を若手のADが何とかこなすようになり、ベテランの出番が激減。お笑い芸人が、しゃべりの力量で、自らフロア的な役割を果たせるようになる。また大物芸人になると、企画会議などで演出の役割も果たすようになる。結果、「演出費」も圧縮される。
地方局に支払われるネットワーク費は削減されている。3年で1/5削減。ある局はここ3年で20%減。もともと地方局が本業で稼ぎだせるのは、多くて30億がいいところ。数1千万円程度というところもざらにある。これに対してネットワーク費は、これまで1局あたり10億程度支払われていたとみられる。BSデジタルは、広告費では1%程度だが、受信機は普及し、高所得層に安く広告を出せるので、広告出稿は伸びている。この流れが進めば、地方局はさらに苦しくなる。
ネットテレビ。米国ではHuluが台頭。Huluにはテレビ各社が出資、番組を無料で提供して、Youtubeに次ぐ存在に。ネットフリックスもユーザ数を伸ばしている。
日本。GyaOはYahoo!傘下に入り、キー局とも資本提携を進めている。YahooにとってもGyaOの強化は必須。NTTグループぷららのひかりTVは検討。300億程度の売り上げとみられている。Huluが2010年の売り上げが2.5億ドルとみられており、ぷららは健闘しているとみるべきだろう。

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