Wi Fi Mi Fi

中国から国外ソーシャルメディアへの接続


中国から国外ソーシャルメディアへの接続ICHINOHE Blog

今回の中国出張では、ソーシャルメディア事情を見てこようと思っていた。普段留学生の様子を見ていても、彼らは日本人のように欧米系のサービスを使わず(知らず?)、中国のサービスを利用している。どこかの欧米系や日本のサービスにそっくりなサービスも多い。

どうしてかくも彼らはかたくなに、独自サービスの利用にこだわるのか。もちろん人口で考えれば、ローカライズされた中国語サービスで、英語圏並みのサービスに育っていく可能性はあるわけだが。どうもその背景には、中国政府が設けているGreat Firewall(GFW)により、「欧米系のサービスは普通にはアクセスできない」状況があるのではないか。

以前僕が中国に行っていたころに比べて、ソーシャルメディアのパワーは格段に強まっており、一方こうしたメディアへの中国の規制は強まったように感じていたので、その辺の事情には非常に興味があった。

今回はホテルのLANのほか、中国で使える「どこでもWi-fi」の、mi-fiという機器をレンタルで持っていったので、こちれも利用した。長時間移動でバッテリーが切れてしまう問題はある(これは、イーモバイルのPocket Wi-fiでも同じか)ものの、非常に安定していた。

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中国での継続が問題になっているGoogleは、Google Buzzも含めて問題なく接続できたが、Youtubeはダメ。

Goog.le BuzzはiPhoneで位置情報、周辺の建物情報が取得できたので、南通で泊まったホテルにコメントを残すことができた。さきほど中国の若者がこのコメントに、「小日本」とコメントをくれてちょっとゲンナリしたけど。

他の位置情報は、FoursquareとBrightkiteをためしたが、いずれもダメ。Foursquareは位置情報をとれていたような気もするが、中国国内の建物のデータベースを引けていないのかもしれない(ちょっと前まで日本もそうだった)。あと、セカイカメラにもうまくつながらなかった。

写真共有のサービスでは、Flickrがダメという情報もあったが、かなりつながりにくいものの、完全に遮断されているような感じではなかった。何枚かアップロードも試してみたが、直接にはアップできず、iPhoneからPixelpipe経由でのアップロードだけができた(これもエラーが出まくって時間がかかったけど)。Zooomrはアップロードも含めて問題なくつながったのだが、ZooomrからTwitterへの連携がうまくいかなかった(これは日本で事前に設定した際にも動かなかったので、Zooomr側の問題?)。ちなみにFlickrには、南通のグループもあった。

Twitterはウェブもアプリもほとんど絶望的。事前に検索してみると、日本人がいろいろ抜け道を見つけているのだが、そのほとんどがつぶされている。結局二つだけ使えるサービスがあったので、これを利用した。日本人ユーザに定評のある某サービスだけは今も使えるので、これをブラウザ経由で利用した。このサービスはリストも使えるようになって非常に便利になっていた。このほか、Twitterと連携できるサービスもいくつか試してみたが、ほどんどダメ。FriendfeedやFacebookも開くことができなかった。

ココログに開設している本ブログは、全く問題ないと思っていたのだが、投稿画面に進むことができなかったので断念した。ココログもつながりにくい状態にはあるようだ。誰か中国政府に攻撃的なブロガーがいるのだろうか。

Proxyの設定で回避できる部分もあると思うが、数日間使ってみて、中国のネット空間はかなりの別世界になっていることがわかった。 日本で僕が使っているソーシャルメディアの利用はそのほとんどが制限されている。

僕のGoogle Buzzに書かれた日本語に、「小日本」と書いた青年は、日本人のことをよく知らないまま、なんとなく、一言書きたくなったのではないかと推測する。日本語世界にも、同様の中国や韓国への攻撃的な言葉はたくさんつづられている。中国のGFWは、中国政府にとってまずい発言・コンテンツを遮断するのが目的のようだが、中国の人々の言葉は結果的に欧米や日本のソーシャルメディアに漏れ出しにくくなり、対立が顕在化しにくくなっている。しかし実際には、純化されたネット空間では、それぞれのサイバーカスケード、極端な意見の強まりを助長しているのではないだろうか。つまり、日本語のネット世界における反中/嫌中、中国語ネット世界における反日/嫌日は、GFWに隔てられ、さらに強まっているのではないかということだ。

お隣の国のことであり、日本人の僕としては、出張に行った際に不便だなと思うに留めておけばいいのかもしれない。しかし中国国内の人権問題だけでなく、人々の冷静で安定した関係を構築する上でも、どうにか改善できないものかという思いには駆られる。

言語の違いこそあれ、人々が同じソーシャルメディアで活動し、コンテンツを共有していれば、多少の袖の触れ合いはある。Flickrでは、写真を通じて他の言語の人とのやりとりがあり、それはそれで楽しいし、文化を超えた相互理解に役立っているように思う。「小日本」と書く人はいるだろうが、それらもまた可視化され、品のない発言は、本人の品位にかかわるわけで、それなりに抑制される部分もあるだろう。ソーシャルメディアを通じ、大上段に構えた議論を交わすというよりは、それぞれの世界を互いにチラ見するというのが、スマートな国際理解の方法として有効であるように思う。

追記:動画中継系のことを忘れていた。Ustreamは使えないと聞いていたので、Twitcastingを試してみたが使えなかった。中国政府がTwitcastingのことに気づいて止めたのか、単にスピードの問題なのかは分からない。ただTwitcastingで配信されている動画を見ることはできたので、僕は上海のホテルで、長岡の人たちがカラオケで盛り上がっているのを見ることはできた。