マイノリティであることを自覚したSBMユーザたちが、SBMの未来を語る:SBM研究会

Social Bookmark Study Meeting

昨日は東工大で開催されたソーシャルブックマーク研究会に参加してきた。Mashup Caravanも面白かったようだが、断念。

Social Bookmark Study Meeting

from shinyai
Titech, Tokyo, Japan


from shinyai

配布資料のページ、実況中継的な詳細なレポートが昨日の時点でアップされていて、これを読むだけでも「行った気になれる」のだが、参加レポートもどんどんアップされていて、しかも「SBM研究会」タグをつけるルールなので、早くもはてなブックマーク上に大量の感想がリストされている。

 

 

というわけで、すっかり出遅れてしまったので、(無理な)中身のレポートはやめて、感想だけ記しておくことにする。

1. SBMで盛り上がれる変わった人たちの高い連帯感
少し遅れて会場に着くと、P2P todayの横田さんのプレゼンが始まっていて、横田さんのトークも滑らか、会場は早くも盛り上がりを見せていた。このタイミングで、SBMの認知度は非常に低く、6.9%という数値(認知率?)が披露され、一方で会場のほとんどの人がSBMを利用しているということも明らかになった(らしい)。そう、会場内のほとんどすべての人が、SBMが何かはもちろんのこと、そこで起こっている現象の特徴とか利点とかを熟知しているという状況だったということになる。Twitterでの発言も非常に多かったけれども、それ以上に、SBM利用者ばかりが集まっているというのが非常に珍しい。
こうした人たちとともに学ぶことができた昨日は、非常に貴重な時間であったし、会場にはなんともいえない連帯感があったように思う。そう考えると、懇親会にも参加したかったなあ。

2.閉鎖空間は公共性を持ちうるか
横田さんが示す将来展望は、SBMが専門化したりモバイル化したり、とにかく偏りのないオープンなものでは人をひきつけることは難しいので、ある種の閉鎖空間というか特徴を備えていく必要があるというものであった。携帯専用のSBMとして紹介された「Cho! おきにいり」を僕は知らなかったが、実際認知度は低いようだ。女性を被写体とする写真を共有する4Uは、写真共有サイトの変形と僕はとらえていたが、昨日横田さんは、専門SBMの一つとして紹介した。それから専門家の例としてもうひとつ、自分だけのSBMを作れるBuzzurl Plusが紹介された。
横田さんの見解に質問がなされていたが、オープンであることでもたらされるSBMの公共性は、閉鎖空間になることで失われていくのかという問題を、僕も感じた。SBMが結果的に持たしてきたある種の「あぶりだし」機能は、これから「タコつぼ化」によって失われるのかもしれない。ただ、今までの「あぶりだし」に公正さがあったのかは不明だし、各社のSBMの「あぶりだし」の結果が異なるということからしても、すでに「専門化」は進んでいて、今後は差別化のために特徴がはっきり出てくるというだけなのかもしれない。

3. 新しい「あぶりだし」、「つながり」、「おすすめ」を考えている人たち
東工大の宮田さん、佐々木さん、フランステレコムの井口さん、産総研の小島さんのお話は、いずれも僕には消化不良で、それぞれがどういうことを狙って研究されているのかを理解するので精一杯であった。ただ、理系の研究者の皆さんが、SBMの改良のための研究をこのように進めていることを、僕はほとんど知らなかったので、それだけでも大きな収穫であった。

Polar Bear Blogに小林さんが書かれているが、背景にある問題意識、たとえば「一般的な人々は自分の『お気に入り』を晒したいとは思わないはず」という井口さんの前提は、たぶん井口さんご自身の研究の前提になる部分なのだが、その前提に客観性はあるのかという点は、たしかに気になった。会場にいるSBMユーザの多くは、自らの情報発信の一部としてSBMでの活動を位置付けていると思うので、おそらくその点が頭に引っかかってしまった人もいるように思う。実は僕もそのひとりだった。
でも、井口さんの奥さんのように、「自分が何をブックマークしているのかをさらすなんていやだ」と思う人がいても、おかしくはないし、たしかにいそうではある。

4. コモンズ・マーカーはもう少し手軽になれば
「Webページ上のテキストに、マーカーペンを引くようにマークを付けることができ」るコモンズ・マーカーは、またしても同一性保持権って何なんだろうと考えさせる、強力な情報共有力を感じさせた。たんなるSBMではなくて、マークをつけた場所とコメントの内容がきちんと連動しているので、本文との連携を明確にした(攻撃力の強い)コメントを、ユーザ間で共有できる。非常に面白いアイデアだった。
コメントをつけるために、最初にマークする部分を選択するところは、TumblrにTomblooを使って投稿しようとしている感じに近いと感じた。しかしその後投稿するまでの作業内容は、Tumblrに投稿するのに比べると煩雑だなというのが正直なところ。もちろんTumblrの場合には、コメントを付加しない「引用」が多いというのが実態なので、投稿の内容自体が異なるので、単純に比較はなできないのだけれど。
他人の文章に突っ込みをいれるのは、それなりに気を使うということがあるのだと思う。「あとで読む」じゃないけれど、「あとでコメントする」というような使い方が確立していけば面白いかもしれない。
あと、テキストだけなの?という質問はもっとも。他のコンテンツをどう取り込んでいくかは課題であろう。

筑波の神林さんは軽快で率直、「よくわからない部分もあるが、とにかく作ってみた」というサービス(謙遜であろう)も、どれも興味深いものであった。残念ながらmyhome.cx上のサービスは稼働していないようで、試してみることはできなかったが、いずれ復活するのであれば、試してみようと思う。

優秀な開発者に会うたびに、未来は明るいなあと思うわけだが、と同時に、「コードが書けない僕は黙っているしかないか」という気持ちも起こる。ただSBMにせよ、その他ソーシャルなサービスが、社会の中でうまく定着していかないのは、法を含む様々な社会環境が整っていないことも一因であろう。その部分をどう解消するかは、文系でありながら多少キャッチアップできている人間が、働くべきニッチな場所なのだろうとは思う。

というよりなにより、なかなかまわりに理解してもらえない、ソーシャルウェブの世界について、その価値を共有できる人たちが集う場所というのは、とにかく楽しい。そして雰囲気もいい。次回は懇親会も参加して、皆さんと仲良くなれるといいなと思う。

という文章を書いている間に、横田さんがSBM検定をリリースしたので、あとでトライしてみようと思う。


SBM(ソーシャルブックマーク)検定 powerd by けんてーごっこ

追記:最近メジャーな学会誌に論文を書いた友人からメールが来た。抜刷を二部送るので、一部を書き込み用もう一部を「飾り」用にしてくださいと書いてあった。僕らが院生時代だった時代、著者の先生をもっとも敬う態度というのは、二冊著書を買って、一冊にはサインをいしてもらい、もう一冊に書き込みをするというものであった(もちろん冗談だ)。いま僕は付箋をはさんで本を読んでいるけれども、それをデジタルに移動させるのは非常にめんどうだ。著者はテキストをデジタル化しないことで、ひどいコメントから身を守ることができるが、すばらしいフィードバックとの出会いも失うことになる。そう考えると、コモンズマーカーは、すばらしいフィードバックとの強力な結びつきをもたらすものになっていくのかもしれない。

 
追記2:間違いなく会場にいたと思われるTwitter上の方々を、懇親会にも出ずお話もしていないのに、かなりフォローした。「マイノリティの連帯」ということで、お許しいただければ幸いです。

追記3: SBM検定は合格しました。横田さんの話は途中からしか聞いてないんだけど。

 

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