上越市 本持ち寄り町中が図書館


上越市教育委員会が、市民の寄贈した本で町中を図書館にしようというプロジェクトをはじめたようだ。

リンク: 新潟 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

お勧め本を持ち寄って、町中を図書館に――。上越市教育委員会が身近に本のある環境を整備しようと、市内の公共施設や事業所などに本棚を設置する取り組みを進めている。今年1月に6か所でスタートし、3月末までに市役所やお菓子屋、小児科医院、地区公民館など約40か所に拡大する見通しだ。

僕は図書館の仕事をしたことがないので詳しいことは知らないが、よく聞くのは保存スペースがなくなって困るという話。雑誌のバックナンバーを蔵書化して永久保存するというのは、どこの大学でも通常行われているものだと思っていたのだけれども、どうもそれは大規模な大学だけの話。僕はそのことをずいぶん後になって知った。そういうことができる大学も含めて、どこの大学でも保存スペースの確保には頭を悩ませている。

「亡くなった身内の愛読書などの寄贈を申し出てくる人」が出てきたり、ある程度このプロジェクトが浸透してくると、やはりまた、スペースの問題が出てきそうだと感じた。が、「設置者が市に申請し、本棚を設け、そこで「お勧め本」を受け付ける」だけでいいので、理論的には、市内全域が書庫になりうるということになるか。

面白いのは以下の部分。

本にはシールが張られ、閲覧、貸し出しは自由で、何冊、何日でも借りられる。「気に入って手元に置いておきたい場合は自分の本にしてもいい」(石野さん)という。
 

貸出状態のまま「自分の本にする」のもかまわないのだそうだ。BookMoochのような、自分が寄贈した分のメリットが受けられるという仕組みになっていけばいいと思ったが、一つの自治体規模ではなかなかその仕掛けは機能しないのかもしれない。

それともう一つ思ったのは、興味のある本が、どこの本棚にあるのかがわかるように、データベース化されるのだろうか。「本を介して交流も活発に」というコンセプトからすれば、効率よく検索なんかできなくて、こういう本を探してるんだけど、って市内の本棚設置場所を訪ね歩くというのも一興かもしれないが。

「永久貸出」になっている人と、新たにこの本に興味を持った人の間を、誰かが何らかの形で橋渡しをして、その本を契機にした新たな出会いが生まれたり、いい意味で「また貸し」が発生したりするのも、楽しいかもしれない。

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