「ソーシャル」の影響力をあらためて考える


10月の終わりにこんな記事が出ていたのを思い出した。
アメリカでは、大統領候補がインターネットユーザの声を無視できないという事情を、象徴しているように思えた。ヒラリーが対抗して何か言ったかどうかはチェックしてないが。

リンク: オバマ氏、大統領選出後のネット中立性関連法の制定を約束:ニュース – ZDNet Japan

 この質問に対し、Obama氏は「答えはイエスだ」と述べ、「私はネットの中立性を強く支持している」と語った。

 さらにObama氏は、ネットの中立性の問題について簡単に説明した。「これまで皆さんが見てきたロビー活動は以下のような内容だ。すなわち、皆さんがインターネット上で情報を入手する際に利用しているサーバやさまざまなポータルが門番となり、ウェブサイトによって異なる料金を徴収できるようにすべきだ(中略)そうすれば、ユーザーはFox Newsサイトからは極めて高品質のサービスを受けられる一方で、小規模サイトは低品質なサービスしか提供できなくなる、という主張だ」と述べた上で、「しかし、それではインターネットの最も優れた特性の1つが失われると私は考える。その特性とは、インターネット上では誰もが驚くほど平等であるという点だ」と付け加えた。

日本の議員の皆さんは、この話の文脈、「インターネット上では誰もが驚くほど平等である」ことの価値を、どれだけ理解してくれるだろうか。

「ダウンロード違法化」問題については、2004年のレコード輸入権問題が引き合いに出されているが、日本のインターネットがソーシャル化した端緒を、はてなブックマークのスタートと仮定するならば、そのタイミングは2005年2月、つまりレコード輸入権を盛り込んだ著作権法の改正案が成立した後、であったいうことをおさえておきたい。

今回7000通以上のパブコメ意見を送りつけ(そして、ものの見事に文化庁にスルーされ)たのは、おそらく、こうしたソーシャルなインターネット利用に長けたユーザたちであろう。そして、これらの人々の爆発的な情報の拡散と運動の広がりを実現したのは、MiAUという団体の積極果敢な活動とともに、2005年2月のはてブから始まる、ソーシャルサービスの存在なのだと思う。

「ダウンロード違法化」問題の本質は、こうしたソーシャルサービスがもたらす評価システムの価値が、「海賊版はそもそも違法なんだから、それをダウンロードするのをやめさせるのは当然だ」という、一見するともっともな意見によって、奪われようとしているという点にある。適法マークで対処しようという発想自体が、ソーシャル型(草の根型)の情報流通の価値を無視した(少なくとも軽視した)言い分であり、「インターネット上では誰もが驚くほど平等である」ことの価値を、まったく理解していない。萎縮効果によって、ソーシャル型の情報流通が縮小していきそうな気配は、すでにこの問題に関する各種コメントでも見て取れる。津田大輔氏が委員会で発言したとおり、「日本人はまじめ」なので、「ヤバい」と考えたらより制限的に行動しがちだ。

ソーシャルサービスが票につながるのかどうか、本格的なムーブメントになるのかどうかは、まだよくわかっていない。自民党総裁選という、もっともネットユーザのかかわりにくい領域で、麻生太郎氏に対して、ネットを通じた支持が広がったけれども、あれが小選挙区の選挙で通じるのかは、まったくもって未知数だ。だけれども、権利者団体は、ソーシャルサービスによる草の根の「格付け」や「流通」が、実際にはメリットをもたらしてはいても、なんとなく歓迎したくないという気持ちになりそうなのに対して、議員の皆さんは、今のところ問題を理解している人がいないだけで、きちんと票につながる「正義」があるならば、心を動かされる人々だ。シングルイシューで投票行動を決めるのはあまり好きではないが、ネットユーザの立場を今回理解できるかどうかは、この先の日本社会の舵取りをお願いできる資質のある方かどうかをみきわめる、試金石にしてもよさそうではある。

少なくとも自分の選挙区の議員や立候補予定者が、「ダウンロード違法化」に対してどのような発言をするかは、注意深くチェックすべきだし、それらについては、逐一ソーシャルブックマークやブログで取り上げることにしよう。さらには選挙区にかかわりなく、各議員の「ダウンロード違法化」問題に関する発言をチェックし続けることもそんなに難しいことではない。YoutubeのLDP Channelで、自民党議員がこの問題について発言したら、これも積極的にとりあげていこう。diggやdel.icio.usを通じて、英語圏に情報を広げていくことも重要だ。

 

こうした網を張り巡らせていけるというのが、ソーシャルサービスを使いこなしているユーザの強みだ。「ネットイナゴ」の力は、こういう場面では健全に発揮されるに違いない。これもまた無視されるかもしれないが、継続は力なりだ。先ほど見たら、mixi日記のキーワード、トップが「ダウンロード違法化」になっていた。これを「瞬間風速」とすることなく、きちんと政治家の活動に影響を及ぼす「力」に変えていけるぐらいに、粘り強く発言していくことが大事だ。

 

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